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領地名 ハロルド
領主名 ギルバード・ラング(ラング2世)
都市名 ラングホール

【領地概略】
 ハロルド州は東西をテムエル山脈とシリル砂漠に挟まれており、乾燥した気候で痩せた土地の為、農作物はほとんど期待できません。州自体の産業としては、テムエル山脈から取れる僅かな鉄鉱石が唯一の収入源となっております。トロウから莫大な資金援助を受けていますが、その恩恵が市民にまわることはありません。と、いうのも、ハロルド州はドレス帝国から、シリル砂漠を通らないほとんど唯一の道であるため進行ルートとして想定されており、防衛の最前線としてトロウからの資金援助の大部分は防衛費当てられています。そのためハロルド州の農民は貧しい暮らしを強いられており、冬になると毎年身売りや餓死者が後を絶ちません。ハロルド州北方にあるウィザール要塞はトロウ正規軍、領主直属の騎士団、さらに多数の傭兵団が駐屯しており北の動向には常に目を見張らせています。

 ハロルド州で大きな変革があったのは今から20年前、当時、ウィザール要塞へ駐屯に赴く途中であったラング傭兵団が、シリル砂漠との境目に何か人工的な建築物の端を発見しました。掘り起こしてみると、地下遺跡への入り口となっており、彼らはその遺跡へと探索を試みました。中には多くの魔物や番人がおり、500人からなるラング傭兵団は地上に戻った際、その数は10人に満たなかったと言われています。しかし得たものは大きく、中でも団長であったオデッセア・ラングは得た財宝全てを使い、その遺跡の入り口から周囲10テルの土地を購入し、地下遺跡の発掘における全権利を獲得しました。その後、地下遺跡の噂を聞きつけた冒険者や、遺跡の発掘物を目的としたキャラバンなどが集まり、テント地の集落は、わずか5年でハロルド州の当時の首都、鉱山街サザンを越す規模の都市となりました。市長にはオデッセア・ラングが就任し、また財力により当時の領主、メルン・ハロルドより子爵位を買い取り、新たな領主となったのが今から15年前です。

 遺跡への探索は全て領主ラングの許可(得た財宝の価値の半値を納める契約)のもとに行われ、また地下遺跡の掘り起こしも行っています。その結果、現在、地下遺跡へは12箇所の入り口があり、その周囲300テーセルに及ぶクレーターとなっています。クレーターから遺跡の名、都市の名前までを総して、ラングホールと呼ばれています。種族による差別意識は非常に薄いですが、急速に成長したラングホール周辺の商人と、一般の農民の間での貧富の格差が激しくなっております。 特にラングホール、ウィザール要塞が存在する北部に比べ、南部は治安も悪く貧しい農村が多くあります。

 冒険者の特色として、優秀な戦士が多く、ルーンマスターは人材に不足しています。特にハロルド州では土地が痩せており精霊が少ないため、精霊使いは生まれにくいようです。


【都市】

・ラングホール
 ハロルド州の首都であり、半日程度の距離に地下遺跡があります。12箇所ある地下遺跡への入り口は厳重に管理されており、探索を行うためには現領主ギルバード・ラングと契約を交わす必要があります。契約を行わず、遺跡へ侵入したことや、あるいは得た財宝の半分を納めなかったことが発覚した場合、極刑もありえます。

・サザン
 テムエル山脈の麓にある鉱山街で旧首都。取れるのは鉄鉱石、銅鉱石、スズが主なものとなっています。

・ウィザール要塞
 ハロルド州最北にある巨大な要塞。ドレス帝国の侵攻に備え、常にトロウ正規軍と領主直属の騎士団が駐屯していています。近年、ラングホールで腕を磨いた多種多様冒険者が第2騎士団として編成されました。わずか300人の少数の騎士団ですが、その全員が何らかの技能の専門家であり、一騎当千の精鋭部隊です。また亜人種の割合が半数を占める非常に珍しい騎士団となっています。

【宗教・組織】

・盗賊ギルド
 ラングホールの盗賊ギルドは、近くに地下遺跡があるため他と比べて手練士の比率が非常に多くなっております。ラングホールでの盗賊ギルドの役目は、手練士の育成、犯罪者の抑制、そして、州外へと逃亡した遺跡に未許可で侵入した者の抹殺です。
 商人ギルドとの仲は険悪ですが、州全体の方策として、地下遺跡の保護という面で一致している為、表立って敵対することはありません。

・商人ギルド
 犯罪行為に対して極めて厳しい組織です。取り決めにおいて、麻薬、奴隷、盗品、そして遺跡より未認可で発掘されたものの取引を禁止しています。特に遺跡から未認可で発掘された物の取引については、故意であればギルドからの追放、過失であっても罰金を支払わされます。

・各神殿
 12神殿全てがありますが、ハロルド州で特に信仰されているのが、アグラムです。

・魔術師ギルド
 地下遺跡に潜る実力のある者は非常に多いのですが、まとまりがなく奔放すぎる為に組織力としては決して高くなく、組織を牽引できるカリスマ性を持った者に不足しています。そのため優秀な魔法士はジュノートロウへと流出しています。


【六竜騎士】
 六竜騎士はハロルド州ラングホールより復活した害神ヴェネル(実際は害神を名乗る暗黒神の最高司祭)を滅ぼした6人の冒険者に対し、領主の名付けた総称です。ただし本人達はそのことを全く知りませんが。

・英雄シン・アセリス
 類稀なる剣才を持ち六竜騎士の主戦力として害神を滅ぼした英雄ですが、現在は導師ティアルと結婚し市井で生活をしています。

聖騎士ユーノ・スクライア
 ラングホールのクオン神殿で最も実力の司祭で、領主の近衛騎士の一人です。戦士としての実力も高く真面目な人柄から領主の信頼を厚く受けています。

・魔道力学の申し子ティアル・アセリス(旧名メリアレス)
 魔法士学院の院長の一番弟子です。現在は導師の位にあります。実力は学院にいる5人の上位導師と互角以上です。

・精霊に愛されし者プリューム・プロプルテ
 フェアリーの女性で随一の策略家です。ハロルド州最高の精霊使いで、過去に上位精霊との契約を成立させたこともあります。現在、エルベラの森の主に納まっています。

・食王パイソン
 グリィラルの男性で陽気な性格のシーフです。ギルドの信頼も厚く実力も高いのですが、何故か下っ端盗賊として今も悠々と現役冒険者をしています。凄まじい大食漢でラングホールの全ての店を食い尽くした漢として名物になっています。シーフとしての探索能力、および戦闘能力などトップクラスの実力ながら、なぜかそれが語られることは滅多にありません。

・?????
 六竜騎士最後の一人は、六竜騎士の牽引役でありながら、何故か名前すら伏せられています。一説には重犯罪者だと言われています。


担当:悪の華

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