領名 = カッゼ・リシナ
領主名 = レルク・ラジール
都市名 = トウラン
概要:
トロウ北部地域で小さな部類に入る州。
北を炎熱のシリル砂漠、南を峻険なヴィッサ山に閉ざされた辺境の地。
が、20年前に北部台地にて発見されたルビー鉱脈のお陰で北部地域随一の裕福な州となってしまう。
良い事ばかりではなく、急激な富の集中や、ルビーに惹かれやってきた人々による不自然な人口増加による歪が表面化しつつある。
新参の人々と土着の人々、更にヴィッサ山周辺に住まうフェンランとの間の確執、貧富の差の増大と治安の悪化、無秩序な開発による環境破壊、等々…。
地勢:
全体的に山がちな地形。
北部は乾燥し岩山が多い。中部は比較的平坦な為、人口の殆どは中部に集中している。
南部は峻険なヴィッサ山を中心とした高山地域となっている。
経済:
北部に良質のルビー鉱山を多く抱え、北部地域随一の経済力を誇る。
農業より牧畜が盛ん。食料生産力はなんとか領内で自給できる程度。
季節が合えば牧草を求めて旅をする遊牧民に会えるだろう。
特産品としては、南部産のヤギのチーズが有名。
生産量が少ないので領外へ売りに出してはいないが、時折珍味好きのトロウ人が遠路はるばる買いに来るらしい。
政治:
基本的に自治性が強い。
州全体の主だった事は定期的に各集落の長が集まって行われる会議によって決定(領主はそれを監督・承認するだけ)されていたが、余所者の大量流入により形骸化しつつある。
その為近年は領主がイニシアチブを取らざるを得ず、彼と各町村から選出された代表者を中心とした議会による政体に移行しつつある。
信仰:
古くから住まう人々の間では太陽崇拝から来るアルカーナ信仰が盛ん。
ルビーに惹かれてやってきた人々の間では比較的イーヴノレル信仰が主となっている。
信仰に対する制限は特にない。
領主:
現領主はレルク・ラジール。
前領主アゼル・ラジールより受け継いだ領地を順調に経営している。
近年、過熱気味なルビー鉱山開発(ルビー・フィーバー)を規制しようとしているが、現在のところあまり上手くいっていない。
子供はなく、その代わり姪を可愛がっているらしい。
ラジール家は元々貴族ではなく、この地に住まう1部族の長であった。
150年前、トロウに帰順した後、城塞都市トウランに拠って北部遊牧民族の侵攻を防いだビゼル・ラジールがその功により貴族位に叙された。
その後の領土再編成によりこの地が「カッゼ・リシナ」として独立した際、時のトロウ王により初代領主に補された。
家風は貴族となった後も部族長であった頃と変わらず、質実剛健。
近年の状況:
元々周囲の領地と比べて狭く、とりたてて目を引く産業もない寂れた州だった。
20年前、先代領主の時代に北部地域にルビー鉱山が発見され、以降それを支えに経済的に発展を遂げる。
牧歌的で平穏な集落の集まりだった州も最近は一攫千金を狙い集まってきた人々により、『良く言えば』
活発になっている。
無差別な鉱山開発と急激な人口増加による弊害(治安の悪化、環境汚染等)も出ているが。
しかし、ルビー鉱山はそれを覆い隠してしまうほどの富を提供している。
人々:
レルク・ラジール
現領主。固太りで顎鬚がチャームポイント(?)
力自慢でトウランで季節ごとに開かれる力くらべ大会へは毎回参加…
しようとして側近に泣いて止められているらしい。
ミリエラ・ラジール
レルク・ラジールの妻。10年前とあるトロウの貴族より嫁いできた。
政略結婚だったが、夫婦仲は周囲の想像よりも良い。
夫婦唯一の悩みは未だ子供がない事らしい。
アゼル・ラジール
前領主。現在も影響力をもっているが、隠居中。
ウィニカ・ジェハル
レルク・ラジールの姪。深窓の令嬢…だと思う。多分。某国の姫とは違う筈。
1年前に留学していたトロウから最近帰郷した。
病気で亡くなったレルク・ラジールの弟の娘。
都市:
・トウラン
州のやや北寄りに位置する。シリル砂漠とはヴェルバ丘陵地域で隔てられている。
カッゼ・リシナの主邑にしてトロウ成立当初より北部遊牧民族の侵入からトロウを守ってきた城塞都市。
元は方形の城壁に囲まれた中に町があったが、最近は人口の増加により城壁の外にも町が拡大している。
・エディロ
北部ヴェルバ丘陵地域の東端、デッサ台地にある鉱山都市。
ルビー・フィーバー発祥の地にして現在の州鉱業の中心。
都市の主要施設の殆どが台地に掘られた坑道内に存在しているのが大きな特徴。
現在、街の人口の実に8割近くが地中で生活している。
・エウラ・マルテ
トウランとエディロの中間にある都市。
エウラ・マルテ/モジディシ間24時間耐久”駱駝”ラリー『メルカ・カップ』が有名
・モジディシ
中部に位置する。東西、南北に伸びた街道が交わる街。
ルビー・フィーバーの影響により爆発的に発展しつつある。
商人と旅人、大十字路の街。
・フォルゼナ(フェンラン集落)
「冥なる紅き月」氏族の集落
・ヴィニディカ(フェンラン集落)
「蒼き遥空」氏族の集落
・エウルゼ(フェンラン集落)
「碧成す神林」氏族の集落
・ウェラウム(フェンラン集落)
「聖白なる孤山」氏族の集落
フェンラン:
州南部にあるヴィッサ山にはフェンランの集落が点在している。
ルビー・フィーバー前は領民との接触はなかった。
が、人口増加による領民の生活圏拡大により接触が増えている。
因みに現在、彼らは基本的に領民とは認知されていない。(税金貰ってないし。)
・彼らは他に住まうフェンランと違い、自分の持つ羽の種類により独特の『相』を持っている。
鷲:孤高、王者 :誇り高きもの。導くもの。
鷹:敢為、戦士 :高みを目指すもの。突き進むもの。
鳩:幸福、使者 :行く先を示すもの。伝えるもの。
烏:吉凶、知恵 :無垢なもの。停滞を乱すもの。
ミミズク:夜、知識 :識るもの。表すもの。
…etc
・彼らの人生(フェンラン生?)は『相』に影響されるがそれが総てではない。
あくまで彼らの性向・素質がそうであるというだけで、義務が生じるわけではない。
例えば鷲羽を持つ者は王者(或いは集団の『長』)を目指さねば「ならない」というわけではない。
・現在4つの氏族が確認されている。それぞれの氏族の名前に色の要素が入っているのが特徴的である。
氏族同士での交流はさほど活発ではないが、一年に一度4つの氏族が一同に会し大祭が行われている。
自然崇拝者である彼らは、大祭で各部族から選ばれた者がヴィッサ山に舞を奉納している。
担当者:Sakky
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