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  2000年3月*日(*) 晴れ/曇り 12℃・肌寒い・風少々

奥多摩漁協管内の、今年の「ヤマメ解禁」は3月5日(日)であったが、
例年の通り、私自身はお祭りの様な「解禁日」を避けて、数日後の平日
の午後を今年の初釣行日とした。午前中は、さすがに気持ちが高ぶり、
落ち着かない中、少し仕事をして、昼少し前に青梅市内の「釜の淵公園」
駐車場へ出かけた。そして、すぐに近くの藤野釣具店にていつもの年券
(¥5000)を購入した。ところが、準備して持ってきたはずの証明写真
が見当たらないのである。「まいった〜!」仕方なく、店主にポラロイドで
撮影をしてもらう事に…。やれやれ、プラス¥300なり!
「何と、初日から不運な事か!」***!

店主の話では、解禁日はあまり良くなかったらしく、まだまだ水温も低く
魚は沢山居るとの事。昨年の川の不調話をしたところ、やはり「川鵜」
被害がかなり深刻で、雑魚のウグイ等は、食い荒されてほとんど居ない
らしいのである。確かに昨年の初釣行の際ウグイがほとんど釣れなかっ
た異常さに驚いたが、やはりその通りだったのだ。ヤマメとて、その川鵜
の食害に遭っている可能性が高いが、店主の話では「ヤマメは岩の陰に
隠れてしまうので大丈夫!?」との事。しかし、これも何とも解らないので
ある。稚魚放流される量が多いことで、川で育つ準天然ヤマメに期待して
いる毎年であるが、やはり不安である。いつもヤマメ釣りをしていて、雑魚
であるウグイに悩まされるが(いや、悩まされていたが)…こうなると雑魚
のウグイが居ない事の異常さの方が、かえって心配である。このウグイの
存在が、意外にも「川の健康さ」のバロメーターと言えるかもしれない。

昨年の9月以来のウェーダーに足を通し、釣りベストを着込み…、やはり
解禁日の新鮮な気持ちに、自分にとっての本当の「春」の到来を感じる。
ひと橋、下流の「鮎美橋」下で、餌の川虫等を採取する。川の水は冷たく
素手では5分ももたない。例年、ゴム手袋で採取するが、約30分で数種
の川虫を定量採取する。今年は、例年に比べ川虫の生育は幾分早い様
である。午後、1時30分、今年の初釣り開始である。

荒瀬下のぶつかり淵で、虹マス1尾、ヤマメ2尾をかける。当たりは、鈍く
仕掛けを少し送り込んでからの「あわせ」が良い様である。サイズは、共に
20cm程度の放流もの。例年、ここはまずまずの場所で、特に夕刻前が、
ベストである。2時間で見切り、更に下流のトロ場等を探るが、全く当たり
無し。そして、ここ3年位は行っていない更に下流の「調布橋」下のポイント
ヘ…ここは、もう4年位前になるが、目測で40cm前後の大物をバラした
ところである。0.2号の細糸で、思いもかけず掛けてしまった因縁の場所
なのである。あれが、せめて0.3号であれば…!?と、今も悔しい思いに
なるのである。ここは、ザラ瀬が終わり、落ち込みの瀬があり、更に深瀬が
あり、石回りがあり…と、魚の生息ポイトの好条件を今も満たしている。先
に一人ルアーの釣り人がいたが、すぐにヒットした。ヤマメである。結局、こ
こで日没まで釣り、ヤマメ6尾と最後の虹マス(本日のベストサイズ27
cm)
1尾をタモに納める。時計は夕刻6時10分、急に風が出てきて寒くな
った。急ぎ仕掛けをたたみ、竿を終い、元来た川を戻る。手先は、完全に凍
えており感覚が無くなっている。こんな寒い暗闇の川の中を歩いている自分
は「何」なのだろうか?「好き」でなければ、やっていられない事である。
最初に川虫を採取した鮎美橋に戻る頃には、辺りは完全に無人となり街灯
が川面を照らしている。街灯下の蕾の堅い桜並木の下(釜ヶ淵公園)を通り、
やっと駐車場に戻る。もう数台の車しか残っていない。着替えをしながら…、
魚のはねる水音(魚篭中)を横目に、本日の釣果「10尾」まずまず良好
であった。それにしても「寒い!」

(最大ヤマメ25.5cm 最大虹マス27.0cm)
釣果10尾 美しい魚姿
計10尾の釣果
虹マスと数種のヤマメ

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