妄想展示室:「矛と盾」

妄想放談(旧文書1)
The delusive talking / Old documents selection #1

人形とのなれそめ(サイト開設時)
First contact to fashion doll : in my case

 それはある知人の一言から始まった。
 「可動人形見つけたけど、要る?」

 1999年夏、当時私はイラスト描きを趣味の1つと−出来上がるのは「絵」というにはあまりに哀しいものであったが−していた。
 その関係でポーズ参考用に可動人形を探していたが、普通のデッサン人形は取れるポーズの限界が低い(特に肘膝周りで)ため不満を感じていた。そこへ先の発言である。聞けばデッサン人形に比べ非常に広い可動域を持つらしい。価格的にも割安である。現在は女性型だけだが、近日中に男性型も出るという。
 ・・・そして1999夏コミ後、男女2体の可動人形が手元に届いた。この2体が全ての始まりであった。

 確かにデッサン人形よりも良く動く。全体のプロポーションもポーズ確認用として十分である。鼻と口許だけがモールドされた頭部も、能面のように角度と光の加減によっては表情を感じさせる事があってなかなか面白い。今考えるとこの「表情」がたぶんまずかったのだろう。

 段々顔を付けたくなってしまったのである。

 この時点で自分が怪しい領域に踏み込みつつあるのはわかっていた。顔を付けてしまえばそこにキャラクター性が生まれ、今度はハゲと全裸が気になるのは目に見えている。しかし顔の誘惑は日に日に増大していき、ある時とうとうやってしまった。
 いつでも消せるようクリアデカールに水性ペンと言う組み合わせであるが、案の上それまで無個性な物体であったものに突如「魂」が入ったかのような感覚を覚えている。
 あとはもう自分がまずいと思っていた道筋通りである。植毛済みヘッドの存在を知り、専門店を知り、さらなる可動域と自立を求めて改造を試し・・・気がつけば購入数は40体(当時。2004年現在軽く100体を越えている)を越え、人形組み立てに趣味の領域がすっかり移っている始末である。