妄想展示室:「矛と盾」

オビツ編:23ボディの首ジョイントについて
Tutorial for OBITSU body: Small note about the neck joint of Obitsu 23 body

まえおき
Introduction

 オビツ23ボディの首ジョイントは生産時期によって内部構造が異なります。このため、関節部の削り込みの方法もそれぞれに応じて変わってきます。
The neck joint of Obitsu23 body has different shape and structure with the season it was produced. Therefore, the method of modifying changes depending on each.

0-1
  •  左は最初に発売されたタイプ(以下『初期型』)で、後発のものと比べて首その物の角度が違うので区別が容易です。
  •  このボディは既に削り込み済(しかも破損)ですので、本来のジョイント形状を黄色の線で示しています。
  • The first version of Obitsu 23. In this photo, I already modified neck post (and I broke it). I show the original shape with yellow line.
  • ※ やや前傾気味になっています。解剖学的には正しいんですが、人形的な見た目が悪かったのか変更されました。
0-2
  •  手元にあるのがこれ1個だけなので、次に説明するタイプと一緒なのかはっきりしませんが、上のタイプの半年後に胸部を再設計して首の角度が垂直になったタイプが発売されました(以下:『中期型』)。
  •  首ジョイントは胸部に乗っているだけで固定されていません。軸の下半分がやや太くなっていて、首内部のリブとかみ合うことで抜けにくいように工夫されていますが、可動域も安定性も初期型より低下しています。
  • The second version of Obitsu 23. Obitsu re-designed the neck post and chest section.
  • ※ 実はこの時、首の太さが初期型より更に細くなりました。写真で見ると分かるとおり成型厚も薄くなっているので首自体の強度も下がってしまっています。
0-3
  •  現在はこのように、ジョイント軸を再々変更したタイプ(以下:『後期型』)が発売されています。胸部は変更されていないので、中期型との区別は分解してみるまで分かりません。
  •  内部のシャフトに軸を通す構造になったのでジョイント抜けは起こりにくいですが、ヘッドごと強く引っ張ったりひねったりする可能性を考えると、強度にかなり不安があります。
  • The third and current version of Obitsu 23. Obitsu updated the neck post again.

 初期型に関しては削り込みの項で説明済ですので、ここでは他のタイプについて言及します。
I wrote the method of modifying for first version in basic sanding. In this section, I want to write about other version.

 中期型に関しては削りを入れるとジョイントが抜けやすくなってしまうので、ボールジョイントなり別の関節を組み込むなりした方がいいです。ただし、上記した通り首そのものが細いうえ強度も高くありませんので、なるべく小型の関節を用意する必要があります。
 個人的には関節化するより、3mm径の自遊自在を埋め込んでしまった方が可動域も強度も上になると思います。

 後期型の場合、強度面の不安はありますがジョイントが抜けない構造ですので首内部のリブを削り落とし、合わせて中期型の名残りでジョイント軸の真ん中当たりにあるリブも削って棒状にしてしまうとある程度の可動域は確保できます。



<EBBフレーム移植>
The experimental modifying method : fusion the neck frame of Volks EBB bodies

まえおき
Introduction

 あくまで実験改造ですが、中期型ボディの首内部にボークスEBB系ボディの首内部フレームを埋め込んでみました。

<材料および工具>
Tools and materials

<空間確保>
Step 1: Disassemble the chest, and carve the inside of neck

1-1
  •  オビツ23ボディの胸部を、接合線で分解します。内部に関節フレームを入れますので、首内部にあるシャフトやリブは全て完全に削り落として下さい。

<首フレーム移植>
Step 2: Connect EBB's neck frame to Obitsu's shoulder frame

2-1
  •  EBBの首フレームはそのままですとオビツ23の首内径より若干太いので、やすりがけしてぴったり収まるように調整します。
  •  太さの調整後、長さの調整を行います。おおよそボールジョイントの中央当たりで切断してください。(難しい場合はボールジョイントの根元で切断し、数mm足りない分はプラパイプを輪切りにして後で組み合わせます。)
  •  最後に、いったんジョイントを分解し、内側からボールジョイントに向かって貫通穴を開けて下さい。(次写真参照)
2-2
  •  サイズ調整した首フレームと肩フレームを接合します。
  •  首、肩とも素材はPOM樹脂で接着は不可能ですので、両者を木ねじで物理的に繋ぎます。
  •  一度全ての部品を仮組みして、フレーム同士の接合位置を決めます。(上の工程で首フレームに穴を開けたらドリルを差したままで他の部品を組んで、ドリルの先端で印を付けるといいでしょう)
  •  再分解した後で、肩フレーム側に木ねじの下穴を開けます。使用する木ねじの長さに合わせて開けて下さい。
2-3
  •  フレーム同士を木ねじで接合した後、首ジョイントを復旧します。

<空間確保>
Final step : Assemble all parts again

3-1
  •  左は仮組み写真ですが、胸部外装を元に戻して完了です。
  •  なお、この改造で首ジョイントがEBB準拠になりますので、ヘッドを取付ける際の調整もそれに応じた形になります。