妄想展示室:「矛と盾」

タカラ編:怜君、立ってなさい
Tutorial for TAKARA and Noix de Rome body: Remodeling hip joint: For NDR Ryo body

まえおき
Introduction

 男性型可動体としてノアドロームから販売されている怜(ちなみに「れい」ではなく「りょう」と読むようです)ですが、試作型における接合面の精度不足、あまりに直線的過ぎる四肢など、造形的に他社ボディに比べて劣って見える点があります。
 今回こうした点はボディの特徴として修正しない一方「自立しそうでなかなかしない」という当サイト的には非常に大きな問題の解決を目指します。方針として、脚その物は結構関節強度がある代わり股関節が緩くていわば腰から崩れて行く感じですのでこの部分を強化する事にします。

<材料および工具>
Tools and materials

<胴体分解>
Step 1: Disassmble body

 怜の腰ブロックは大昔のプラモデルのように上体に挟み込み接着されていますので、まず上体部分から分解していきます。
 SAJを分解するのと同じ要領で、肩口や脇腹など端の部分から接合面に太刃のカッターを押し込んで、更にマイナスドライバーで慎重に開いていきます。この時、肩内部の関節支持用のリブ(片側前後2か所づつ)まで切断しないように注意して下さい。
 上体が分割できたら、更に腰ブロック自体も同じように分解します。

<股関節新造>
Step 2: Build new hip joint

 怜の股関節は両脚の可動軸をこれまた大昔のプラモデルのように腰ブロックが挟み込んでいますが、可動軸と腰との摩擦力が不足していて上体の重みに股関節が負けてしまいます。そこで、股関節を新造して腰と脚を接合しなおす事にします。
 まず、可動軸の端にある抜け止めの板を軸ぎりぎりの位置でプラ鋸を使い切り落とします。残った軸は切断面を平らにした後画鋲等でセンターを取ってからピンバイスで3mm径の穴を掘ります(深さは貫通しない程度に深く)。左右の脚でセンターがずれると組み直す時に苦労します(もちろん、出来上がりも斜めになる)ので慎重に。

2-1
  •  腰ブロック内部に3mm径のプラ材で新たな股関節の軸を作ります。脚を曲げる時など結構力がかかりますので強力に接着出来るよう出来れば腰自体と同じABS製の材料が良いでしょう。私は手元に大量にあるボークスEBボディ用のランナーを利用しました。
  •  股関節軸を脚の可動軸に開けた穴に差し込んで腰ブロックにはめ込み直し、関節軸の接着位置を出してから接着します。補強のため乾燥後更に接着個所周辺にプラリペアを盛りましたが、補助フレームを付けるなど軸の作り方を工夫すればその必要はないでしょう。

 後は腰ブロックを元どおり接着し直して完了です。上体が挟み込みになるのが気になる方はこの時点で腰側にも関節軸を新設して、上体とポリキャップで接合させるなどするといいでしょう。

<おまけ>
Additional step 1: Replace shoulder ahd waist joint

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  •  上体を分解しているついでなので股関節だけでなく腰関節や肩関節もPC化して見ます。
  •  実測した所、肩関節軸の径は4.7mm。こんな半端な径に合うのは耐久性に不安がありますがボークスPC位でしょう。ただしボークスPCを使えば同社製のABS製関節パーツが無改造で使えるのでボディへの接着強度に不安はなくなります。
  •  肩関節、及び腰関節の受けに手を加え、関節パーツをPCごと上体に埋め込みます。これで四肢+胴体上下の分割が可能になるほか腰についてはわずかながら振ることが可能になります。

<おまけ2−簡易版股関節強化>
Additional step 2: An easier method to fix hip joint

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  •  試作品は完成させてしまったので(汗)同じ関節構造のボークスEBBで説明しますが、股関節を新造するのが難しい場合、両脚の関節軸の間に薄い物を挟むことで関節強度を上げることが出来ます。
  •  ここではごく薄く、また表面コーティングされているので関節動作で軸にねじられてもちぎれる心配の少ない「お徳用サイズガムのかす捨て紙」を4枚重ねて使用しています。