妄想展示室:「矛と盾」

タカラ編:回る回るよ手首は回る
Tutorial for TAKARA and Noix de Rome body: Rotatable wrist joint

まえおき
Introduction

 いまさらな気もしますが、タカラのSAJ系ボディでポーズ付け上もっとも不都合の多い手首関節の改修方法です。関節をボールジョイントに置き換えるのが一般的でしたが、最近はサイズの合う肌色のボールジョイントが品薄ですのでこのような方法も選択に入ってくるのではないでしょうか。

<材料および工具>
Tools and materials

<腕部切断>
Step 1: Disassemble forearm

 SAJの前腕を、強く引っ張ってボディ本体から抜きます。
 抜いた前腕を手首関節の刻みから肘関節方向に5mmほどの位置でプラ鋸を使って切断します(下写真参照)。切断面が肘関節と手首関節を結んだ仮想中心軸に対して垂直であるように注意して下さい。

<関節追加>
Step 2: Add roll joint

2-1
  •  切断した前腕の内、肘側の部分に切断面からエポキシパテを充填します。逆テーパーになるので奥が空きがちですが、出来るだけみっちり詰め込んで下さい。
  •  パテの硬化後、切断面から3mm径の穴を掘ります(深さ10mm程度)。これも腕の仮想中心軸に対して曲がらないように十分注意して下さい。
  •  前腕の手首側の部分には切断面から見ると四角い穴が空いているはずですが、これを彫刻刀やピンバイスでやはり3mm径の丸い穴にします。穴が広いときはφ型になっても構いません。空けた穴に長さ15mm程に切断したプラ棒を植えて接着します(私は例によってボークスボディのパーツランナーを使っています)。この棒が新たな関節の軸になります。曲がって植わってしまうと非常に困ったことになるので、これも腕の仮想軸に一致するよう注意して下さい。
2-2
  •  プラ棒が固定できたら、肘側に空けた穴にはめこんでから外形を整え完成です。穴か棒のどちらかでも曲がっていたり位置がずれていると、はめ込んだとき、あるいは回したときにはっきり分かります。多少なら外形を削って合わせてしまいましょう。駄目だったら・・・まぁそう言う物という事で(謎汗)
  •  穴はともかく棒が間違っていると再加工は大変ですので、ある程度妥協も入り用です。

<おまけ−再利用パーツによる手首改造>(2005/05/08追加)
Additional : Replace the wrist joint with recycled parts

 複数種ボディを扱っていると時折不要パーツが余ることがあります。今回はそうしたパーツ類の中でもっともよく余る「ボークスEBのオプション用手首軸」でSAJの手首を改修してみます。あまり意味のある手法ではないですが、何かの参考にどうぞ。

<材料および工具>
Tools and materials

<小型関節モジュール>
Step 1: Build micro joint module

3-1
  •  関節軸2つを適当な棒でつなぐだけです(汗)。
  •  関節軸内部の穴は実測2.5mm径でした。手元にあったボークス製PCのランナーがいい感じの摩擦になるので、片側をPCも接着できる瞬間接着剤で固定してから現物合わせで長さを切りだしもう1つの軸とはめ合わせます。
  •  強度や空中分解が気になる方はこの状態で外から貫通穴を開けて虫ピン等を通し、軸をかしめてしまうといいでしょう。

<関節換装>
Step 2: Disassemble forearm and build new wrist joint

4-1
  •  本編同様SAJの前腕を分離した後手首を切断しますが、切断位置は手首関節の刻みちょっきりの所になります。更に手首側は関節部をばっさり切り落とします。肘側には四角い穴が開いているはずですが、今回こちらには手を加えません。
  •  手首の切断面から2mm径の穴を掘ります(深さ数ミリ)。手のひらが薄いので位置ずれや掘り過ぎに注意して下さい。
  •  関節モジュールの軸の片側を、太い部分を細い部分に合わせて削ったあと現物合わせで長さを合わせて手首にはめ込みます(接着しません)。
  •  このとき、手首の切断面を関節に合わせて逆Rに削るといくぶん自然な感じになります。
4-2
  •  出来上がった手首を、肘側の穴にはめ込んで完成です。
  •  関節が緩い場合、瞬着かパテを薄塗りして調整して下さい。逆に堅い場合は様子を見ながら少しずつ彫刻刀で穴を広げて調整します。