9日(23:30)練馬→10日(5:35)富山駅→(6:40-10:30)宮崎・境海岸→ (10:50-12:00)青海川河口→(12:50-14:15)田海・須沢海岸→(14:30)糸魚川駅→ (17:30)池袋
総選挙の開票速報を聞きながら、高速バスで富山へ向かう。寝台車の「北陸」も 乗ってみたかったが、糸魚川に着くのが4時半。いまの時期なら明るくなるまで2 時間も待たなければならないのが難点。いつものコースで越中宮崎駅に着くと、 曇り空がようやく明るくなったころだった。海岸ではすでに2、3人がヒスイを探 していた。
これがエチゼンクラゲ。でかい |
これまで2回通ったがいずれもボウズに終わった。今回は、立ち込み用の腰まで あるウエーダー、ストックの先に熊手を付けた自作「マイ棒」、それに腰をかが めなくても石が拾える火バサミを準備。万全の態勢で雪辱を期す。ザックは装備 と気合で満タンだ。キロオーバーが見つかったら入る余地はない。どうしよう。
どんより曇った日本海にウエーダーをはいて立ち込む。波打ち際でも気を抜くと 頭から波しぶきをかぶる。マイ棒を手にじっと海中の石を観察する。水の中でヒ スイは「ボーっと光って見える」そうだが、ちっともそれらしいものは見当たら ない。手当たり次第に怪しい石をかき集めているうちにマイ棒が破損してしまう。 火バサミは多少役に立つが、波打ち際では泡がじゃまになって石がよく見えない。 水中の石を探すのはあきらめて、海側から波打ち際の石を探す作戦に切りかえる。
テトラ前で浜辺に流れ着いたエチゼンクラゲ発見。波に洗われて身がどんどん削 られていく。一部で食えるという話を聞いたことがあるが、ちょっとねえ。この 辺りは軟玉も多い。ぬれていると模様が美しいのでついついたくさん拾ってしま う。らしき石をいくつか拾うがヒスイと確信できるものはまだ見つからない。カ モメをけ散らして境海岸まで足を延ばす。前回、重機が埋め立てていた所はすっ かり元通りになっており一安心。ここは、砂浜が多く、石が集まっている場所は 少ない。
石はたくさんあるけどねえ |
試しに波打ち際の砂斜面に張り付いていた小さな白い石片を拾い上げてみる。こ れまでの石とはちょっと印象が違う。緑も少し入っている。爪ほどの大きさでは たとえヒスイであってもしょうがないが、念のためにポケットに入れる。テトラ の手前で浜から上がる。足元が冷たいと思ったらしっかりぬれていた。ゴアがい かれたか。ウエーダーを脱いで堤防の上を歩いて宮崎海岸に戻る。
ポケットから取り出した小石を詳しく調べる。鉄よりはるかに硬い。ルーペで見 ると緑がきれいでいかにもヒスイらしい。ひょっとしたら、ヒスイかもしれない。 だとしたら、初めてこの手で拾えたことはとてもうれしい。しかし、一方で「こ の大きさではなあ」という気持ちもあって素直に喜べない。電車の時間まで宮崎 海岸で物色する。とりあえずヒスイらしき物が確保できたのでちょっと気が楽だ。 メノウ3個、姫川薬石、その他怪しい石を拾う。
次の目的地は青海川。地形図を頼りに川に出るが、雨で増水した川原に下りるの は難しそう。しょうがないので河口に下る。しかし、石が少なく、テトラが乱立 しているので難しい。あきらめて須沢に移動。途中で「きらら青海」前にある 100トンを超えるヒスイ原石を観察する。磨いてないのに表面にラベンダーや緑 の模様が浮き出ているすごい石だ。一見の価値がある。
青海町のヒスイ原石 |
田海川河口から海岸に降り、姫川河口まで歩く。風が強く、途中から雨も降って きた。足も冷たくなり、集中力が高まらない。ひととおり見て歩くが、成果はメ ノウ1個のみ。気がつけば河口だったが、ここは泥に埋まり採集には適さな い。左岸の堤防に登ってバスに乗る。まだ、2時過ぎだからもう1ラウンドは可能 だが、寒くて敗退する。これからの季節は防水、防寒対策を考える必要がある。 今回は食料を忘れ、富山駅で買ったおにぎりと押しずしだけで、8時間の行動を しのいだが、健康にはよくない。よくがんばったごほうびに、糸魚川駅で「夫婦 釜飯」(海老・ホタテとマツタケ釜飯のセット1200円)を買って車中で食う。車 内販売のコーヒーも買う。すごいぜいたくをしてしまった。
採集したヒスイらしき小片は比重3.36で光りをよく通す。ヒスイと断定して間違 いないと思う。肉眼では見えないほど結晶が細かく、「宝石質」と呼んでもいい ほどのものだ。たった4.7gしかないので「こんな大きさではなあ」という気持ち もあるが「いまの自分の実力からすれば、ふさわしい大きさなのかもしれない」 とこの成果に納得する。また、石英や曹長石などヒスイと紛らわしい石を現場で 選別できるようになり、怪しい石を持ち帰る量がぐっと減った。しかし、軟玉が 特定できるようになったことがうれしくて、4個764gも持ってきたのは失敗だっ た。 本日の成果をごらんあれ。