Kenくん初めての岩登り


30日(8:10)大泉学園→(9:00)飯能駅→(9:30-12:30)天覧山の岩場→ (13:30-15:00)飯能河原→(15:40)飯能駅→(16:40)大泉学園

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余裕のKenくん

岩登りに誘ったらKenくん、K田さん、たかはらさんがきてくれた。この日のた めに、ニューロープと子ども用ハーネスをそろえ、準備万端。それでも当日が近 づくと、雨が降るんじゃないかとか、暑すぎやしないかとか、蚊の猛攻は大丈夫 かとか、いろいろ心配になってきた。結果は、すべて問題ないベストな条件だっ たのでホッとする。第一印象は大事だからね。

こんなにいい天気なのにきょうは誰も岩場にいない。さっそく獅子岩の取り付き でハーネスを着ける。当然のことだが、Kenくんの子ども用が一番新型。脱着が しやすく、使い勝手がよさそう。たかはらさんはうらやましそうに見ながら、 「これはいいわ。うん、これを買おう」とさかんに感心していた。そりゃ、新し い道具がいいのはそのとおりだけれど、それ「子ども用」なんだけどな。

ロープは長いものを切って25メートルにしてきたら、これがピッタリだった。ま ずは獅子岩の真ん中をたかはらさんに登ってもらう。ぶつぶつ言い訳しながらも、 ちゃんと登れる。黙っていては登れないのかもしれない。ロワーダウンも経験者 らしいぞ。次はKenくん。強引にグイグイ登って垂壁で行き詰まる。せっかく経 験者に見本を示してもらったのに見てないんだもん。何も考えずにただひたすら 上に向かう、典型的な子どもの登り方だな。

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K田さん初めての岩登り

振られないようにロープの位置をちょいと変えてもう一度。今度はどこが登りや すそうか、ちょっと考えてもらったら、2人ともだいぶさまになった。こんどは K田さんに振る。「見本を見せてよ」ときたんで、違いを見せてあげようじゃな い。両手を上げたままノーハンドで取り付く。が、サンダルじゃ、ちと厳しかっ た。ひじや手の甲を使ういんちきでとりつくろう。

Kenくんが最初に登るとき、K田さんが写真を撮ろうとしたら「無様な姿を撮る 気か」とすっごく嫌がった。K田さんが登るとき、こんどはKenくんが撮る番だ とカメラを渡すと嬉々としてシャッターを押していた。しかし、期待通りの「無 様な姿」とは行かず、少々残念そうだった。K田さんも少しくらいサービスして やればいいと思ったが、まだそこまで余裕はないか。初めは「疲れているから危 ないことはしません」といっていたはずのK田さんが、最後は一番ノリノリだっ た。

K阪さんらが合流するまでまだ余裕があるので、左側の垂壁と右側のスラブ気味 の壁を登る。K田さんは初めてなのに両方うまい。ギャラリーの前なので、みえ を張ってがんばったか。たかはらさんは垂壁で手が痛いとギブアップ。それでや めるのかと思ったらまだ右壁も登りたいと。やる気は認めるけれど、がんばりす ぎはかえってマイナスにならないか。いつもは病気だからと慎重なのに、現場で はイケイケになっていないだろうか。

Kenくんはお父さんができたのを見ると右壁の直登ルートに再挑戦する。考えて いることが手にとるように分かる。行き詰まるとロープをつかんで振り子トラバー スをやったり、見てるとおもしろい。感心したのは登攀(とうはん)中の観察力。 虫とか石とか実によく見ている。この岩場の一番上部、かぶっている部分には白 く、透明に近いチャートがある。かなり厳しい部分なので気がつく人は多くない。 Kenくんはそれを見て、この岩場は方解石だと思ったらしい。

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K田さんの確保で登る

3人を1人で面倒をみるのはかなりハードなんだけど、今回はK田さんとたかはら さんが確保を手伝ってくれたので、ずいぶん助かった。確保も難しいけれど、岩 登りの大事な要素の一つ。少しでも体験すると岩登りのシステムや奥深さが分かっ ていいと思う。

お昼になると、運動会の疲れが抜けていなさそうなNahoちゃんがK阪さんととも に岩場に上がってくる。Nahoちゃんはアナウンサーやって疲れたっていうんだけ れど、お母さんまでどうして疲れるの? 応援がんばったとか、いろんな人にあ いさつしたとか説明してくれるのだが、いまいち理解できない。2人はキノコに 釣られてきてくれたのだが、実はシーズンにはいまいち早い。キノコ「探索」や ろうとはいったけれど、採れるとはいってないからね。

食後は多峰主山登山口近くの湿地周辺を探索してみた。ヤゴを採っているお兄さ んや湿地の前でシートを広げている家族連れなど怪しい人たちもいる。お仲間が 多くてうれしい。キノコが出そうな雰囲気はあるのだが、テングダケ科のキノコ が2本あっただけ。やっぱりまだ早すぎた。早々に引き返して、飯能河原に向かう。

岩場の前はひんやりして涼しかったが、日なたはすっごく暑い。5月にしては異 様に暑い日だったらしい。河原に到着すると思わず水に入ってしまった。サンダ ルできてよかった。それにしてもバーベキューしてる人が多い。何がそんなに楽 しいの? 前から疑問があったが、K阪さんがいろいろと効能を解説してくれた。 要するに野外での遊び方が分からない人たちでもできる数少ない娯楽なんだね。

それにしても見事にそろいもそろってバーベキューとは...なんだか哀れに思え てくる。ピーク目指してわきめもふらずに突き進む、中高年の登山者集団もワン パターンという点では大して変わらないけどね。よく観察してみると、子どもは 結構自由に遊んでいる。おとなはいつから既成の枠の中でしか遊べなくなったん だろう。石を探しながらバーベキュー文化について考えてみた。

きょうは石は拾わないと心に決めていたのに、Nahoちゃんに押し切られ飯能河原 で採集に没頭してしまった。実をいうと、いっぺん水の中に入って探してみたかっ たんだよね。ルーペは持ってきたが、ハンマーを持参しなかったのは痛かった。 石屋心得その2「フィールドに出るときはハンマーを持つべし」を付け加えよう。 いつもは帰りも元気なKenくんファミリーが、飯能駅を出ると石神井公園まで全 員が寝ていた。「そこまでテンションあげて家までたどり着けるのか」と毎回心 配していたが、きょうは安心して眠らせてもらえた。 それでも本日も成果ありました。