GM:『なめし皮亭』に一人のハーフエルフの少女がやってきて、そのお願いを聞いてくれる奇特な冒険者四名!!(内三名なりたて) 
        ……ってなわけで、全員プロローグを読んだ? 今の状況はわかります?
        メリッサ:読んだ。その直後からでいいのね? 
        GM:うむ。
        
        ガルフ:まずはティナの父親に会いに行かないとな。
        メリッサ:そうねー。とりあえずご両親に詳しいお話を伺って……で、話を整理したいわね。
        ガルフ:そうだな。ティナに聞いた話だけでは心もとない。というより、情報がないに等しい。
        リース:どうも料理大会に関係している話みたいですけど……。
        
        GM:「そうなの。料理大会があって、それに勝たないとダメなのっ」
        スパイク:良く分からんし、行ってみっか?
        
        GM:おっけー。それじゃ、今てくてくと『スレイプニルの前足亭』に向かって歩いている最中。 
        メリッサ:小さな女の子の後を着いていく非日常的な姿の4人(笑)。ティナの背中に緊張が見て取れるかも。
        GM:そうでもないよ。「ガーナンをやっつけて、お父さんを助けるためにユリクラウスが必要なのっ」って元気一杯。
        スパイク:そのガーナンがやってる店で食べ比べしてみたいな(ずずっ) ティナのお父さんの実力を測る意味でも。
        メリッサ:食べ比べ……情報は必要だけど、それは後!
        
        スパイク:一番必要なことだと俺は思うっ!(笑)
        
        リース:あの……食べ比べは依頼に関係あるんでしょうか……?
        
        スパイク:ないかもしれんが……重要なことだと思うっ!(笑)
        
        ガルフ:ティナの父親に話を聞く以上に必要だとは思えないな。
        
        スパイク:俺は必要と思うぅ〜〜〜(じたばた)。
        
        メリッサ:わかったわかった(笑) あ、そうだGM。料理大会について、そういう行事があると言うことを知っていてもいいですか? 街角にポスターとか貼ってある……とか(笑)。
        
        GM:そうだねぇ、料理大会のことを知っているかどうか、バードレベルかセージレベル+知力ボーナスでみなさんチェックしてみて。これは有名な大会だから、7以上で知ってます。
      
         ソードワールドを始めとしたTRPG(テーブル・トーク・ロールプレイング・ゲーム)では、基本的に判定はサイコロ(カッコ良く『ダイス』でもよし)で判定します。
         ソードワールドではその判定が簡単で、六面ダイス(一般に言うサイコロのこと)を二つ使います。
         基本的に判定の公式は
        
         (判定に使う技能のレベル) + (判定に使う能力のレベル) + (サイコロの目)
        
         ということになり、それの合計値が、GM(ゲームマスター)が設定した値より高ければ、その判定は成功ということになります。
       上記では、メリッサがGMに『その大会のことを知っていますか?』という判定をしたわけです。
         そこでGMは伝承や噂話に使われる能力である、バード(吟遊詩人)かセージ(賢者)の技能レベルと、知力ボーナスをサイコロの値にプラスして良いよ。と言ってるわけです。
         判定基準も『7』。これは、なにも技能を持っていない人(サイコロ二個だけ)でも、五分五分で成功するレベルです。
        
        
        
        ガルフ:どっちの技能もないから、平目だな。(コロコロ)6か。知らないらしい(苦笑)。
        リース:(コロコロ)8です。なんとか、知ってるみたいですね。
        スパイク:おりゃっ。(コロコロ)12! ふっふっふ。俺が知らないわけなっすぃんぐっ!(笑)
        メリッサ:えっと……どんな大会なんだろ?(コロコロ)10。よかった、知ってる知ってる。
        
        スパイク:トロウで開かれる有名な料理大会だぞ。かなりの名誉がかかった大会で、その前大会優勝者が、さっきティナが言ってたガーナン・ハッシャスだったと思うが。 
        
        GM:ちなみにガーナンはその採算度外視した材料の集め方と、その元からある料理の腕で勝ちぬいてきたタイプだね。 
        
        メリッサ:ガルフ、知らないの? あんなに有名なのに。 
        ガルフ:どうも大会のときにはどこかの戦場にいたらしいな。しかも毎年。 
        
        スパイク:むちゃくちゃな生活おくってたんだな。この坊やは(笑)。 
        
        リース:……う〜ん。それじゃティナのお父さんは、その大会で優勝してお店の経営を立て直す……っていうつもりかな? 
        
        スパイク:恐らくな。あの大会で優勝できりゃ、そりゃ経営立てなおしはたやすいだろうよ。んでなティナ。聞きたいんだが、ユリクラウスってどんな食いものなんだ?
        
        GM:「お父さんホントは欲しいの。すっごいおいしいの。でも、ユリクラウスはそれしか食べれないからだめって言ってるの。でも、お母さんがお願いすれば分けてくれるって言ってたの」
        
        メリッサ:……お母様がお願いすれば分けて貰える? それしか食べられない?
        ガルフ:さっぱりわからんな……。 
        リース:ええと……ユリクラウスはおいしいんですよね。それで、ユリクラウスがユリクラウスしか食べれないって……?? 
        
        スパイク:……共食い?(笑)
        リース:なんだか怖いものを想像してしまいそうです……。
        スパイク:なんのこっちゃ? ユリクラウスってぇ生き物が分けてくれるものなのか?
        GM:「うん。お母さんならもらえるの。お母さんは、昔ユリクラウスと友達だったの」
        メリッサ:友達……ってことは知性があるってコトね……分けて貰えるってコトは共食いじゃないのでは?
        スパイク:さっぱりわかんねぇ(笑)
        
        メリッサ:こりゃご両親に聞くのが一番ね。お店はどの辺? まだかしら?
        GM:「あそこっ」とティナは指をさすね。しばらくすると、小さなお店が見えてきて『スレイプニルの前足亭』とかかれた看板が見えてくる。
        メリッサ:ん。案内ありがとね、ティナ(にこ)。ライバルもこのへんなのかな?
        GM:すぐ向かいに、前足亭の十倍ぐらいの規模の店がでーんとあります。それが黄金の森亭。 
        
        ガルフ:……まあいい。彼女の父親にはやく話を聞くとしよう。 
        
      
      ■GMの独り言
         いよいよ始まりました!! と、言いたいところですが初めての割にこのパーティ、ずいぶんくだけてるでしょ?
         実はこのパーティ、すでにセッション十数回をこなしたベテランパーティたちです。
         ですがこれは第一回。変ですね? 私も変だと思います(笑)
         実は今から2年以上前(2002年現在)、とあるHPで掲示板を使ったTRPGセッションを行いました。その時のメンバーが上記のガルフ、スパイク、リース、そしてメリッサだったわけです。
         そのメンバーたちとのセッションは非常に楽しく、掲示板では物足りないからチャットにしよう。いやいやチャットでも物足りないから実際に会おうと、次々とその欲望は膨れ上がり(笑) とうとう十数回のセッションまでこなすパーティへと成長しました。
       今回はその懐かしき掲示板のセッションの話をやり直し、リプレイとして発表したい。その思いから出来あがったものです。
       では、どうぞお楽しみください(ぺこり)