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第一話『なめし皮亭』を出て……

GM:『なめし皮亭』に一人のハーフエルフの少女がやってきて、そのお願いを聞いてくれる奇特な冒険者四名!!(内三名なりたて) ……ってなわけで、全員プロローグを読んだ? 今の状況はわかります?
メリッサ:読んだ。その直後からでいいのね?
GM:うむ。

ガルフ:まずはティナの父親に会いに行かないとな。
メリッサ:そうねー。とりあえずご両親に詳しいお話を伺って……で、話を整理したいわね。
ガルフ:そうだな。ティナに聞いた話だけでは心もとない。というより、情報がないに等しい。
リース:どうも料理大会に関係している話みたいですけど……。

GM:「そうなの。料理大会があって、それに勝たないとダメなのっ」
スパイク:良く分からんし、行ってみっか?

GM:おっけー。それじゃ、今てくてくと『スレイプニルの前足亭』に向かって歩いている最中。
メリッサ:小さな女の子の後を着いていく非日常的な姿の4人(笑)。ティナの背中に緊張が見て取れるかも。
GM:そうでもないよ。「ガーナンをやっつけて、お父さんを助けるためにユリクラウスが必要なのっ」って元気一杯。
スパイク:そのガーナンがやってる店で食べ比べしてみたいな(ずずっ) ティナのお父さんの実力を測る意味でも。
メリッサ:食べ比べ……情報は必要だけど、それは後!

スパイク:一番必要なことだと俺は思うっ!(笑)

リース:あの……食べ比べは依頼に関係あるんでしょうか……?

スパイク
:ないかもしれんが……重要なことだと思うっ!(笑)

ガルフ
:ティナの父親に話を聞く以上に必要だとは思えないな。

スパイク
:俺は必要と思うぅ〜〜〜(じたばた)。

メリッサ
:わかったわかった(笑) あ、そうだGM。料理大会について、そういう行事があると言うことを知っていてもいいですか? 街角にポスターとか貼ってある……とか(笑)。

GM:そうだねぇ、料理大会のことを知っているかどうか、バードレベルかセージレベル+知力ボーナスでみなさんチェックしてみて。これは有名な大会だから、7以上で知ってます。


 ソードワールドを始めとしたTRPG(テーブル・トーク・ロールプレイング・ゲーム)では、基本的に判定はサイコロ(カッコ良く『ダイス』でもよし)で判定します。
 ソードワールドではその判定が簡単で、六面ダイス(一般に言うサイコロのこと)を二つ使います。
 基本的に判定の公式は

 (判定に使う技能のレベル) + (判定に使う能力のレベル) + (サイコロの目)

 ということになり、それの合計値が、GM(ゲームマスター)が設定した値より高ければ、その判定は成功ということになります。

 上記では、メリッサがGMに『その大会のことを知っていますか?』という判定をしたわけです。
 そこでGMは伝承や噂話に使われる能力である、バード(吟遊詩人)かセージ(賢者)の技能レベルと、知力ボーナスをサイコロの値にプラスして良いよ。と言ってるわけです。
 判定基準も『7』。これは、なにも技能を持っていない人(サイコロ二個だけ)でも、五分五分で成功するレベルです。



ガルフ:どっちの技能もないから、平目だな。(コロコロ)6か。知らないらしい(苦笑)。
リース:(コロコロ)8です。なんとか、知ってるみたいですね。
スパイク:おりゃっ。(コロコロ)12! ふっふっふ。俺が知らないわけなっすぃんぐっ!(笑)
メリッサ:えっと……どんな大会なんだろ?(コロコロ)10。よかった、知ってる知ってる。

スパイク:トロウで開かれる有名な料理大会だぞ。かなりの名誉がかかった大会で、その前大会優勝者が、さっきティナが言ってたガーナン・ハッシャスだったと思うが。
GM:ちなみにガーナンはその採算度外視した材料の集め方と、その元からある料理の腕で勝ちぬいてきたタイプだね。

メリッサ:ガルフ、知らないの? あんなに有名なのに。
ガルフ:どうも大会のときにはどこかの戦場にいたらしいな。しかも毎年。
スパイク:むちゃくちゃな生活おくってたんだな。この坊やは(笑)。

リース:……う〜ん。それじゃティナのお父さんは、その大会で優勝してお店の経営を立て直す……っていうつもりかな?
スパイク:恐らくな。あの大会で優勝できりゃ、そりゃ経営立てなおしはたやすいだろうよ。んでなティナ。聞きたいんだが、ユリクラウスってどんな食いものなんだ?

GM:「お父さんホントは欲しいの。すっごいおいしいの。でも、ユリクラウスはそれしか食べれないからだめって言ってるの。でも、お母さんがお願いすれば分けてくれるって言ってたの」

メリッサ
:……お母様がお願いすれば分けて貰える? それしか食べられない?
ガルフ:さっぱりわからんな……。
リース:ええと……ユリクラウスはおいしいんですよね。それで、ユリクラウスがユリクラウスしか食べれないって……??
スパイク:……共食い?(笑)
リース:なんだか怖いものを想像してしまいそうです……。
スパイク:なんのこっちゃ? ユリクラウスってぇ生き物が分けてくれるものなのか?
GM:「うん。お母さんならもらえるの。お母さんは、昔ユリクラウスと友達だったの」
メリッサ:友達……ってことは知性があるってコトね……分けて貰えるってコトは共食いじゃないのでは?
スパイク:さっぱりわかんねぇ(笑)

メリッサ:こりゃご両親に聞くのが一番ね。お店はどの辺? まだかしら?
GM:「あそこっ」とティナは指をさすね。しばらくすると、小さなお店が見えてきて『スレイプニルの前足亭』とかかれた看板が見えてくる。
メリッサ:ん。案内ありがとね、ティナ(にこ)。ライバルもこのへんなのかな?
GM:すぐ向かいに、前足亭の十倍ぐらいの規模の店がでーんとあります。それが黄金の森亭。

ガルフ:……まあいい。彼女の父親にはやく話を聞くとしよう。


■GMの独り言
 いよいよ始まりました!! と、言いたいところですが初めての割にこのパーティ、ずいぶんくだけてるでしょ?
 実はこのパーティ、すでにセッション十数回をこなしたベテランパーティたちです。
 ですがこれは第一回。変ですね? 私も変だと思います(笑)
 実は今から2年以上前(2002年現在)、とあるHPで掲示板を使ったTRPGセッションを行いました。その時のメンバーが上記のガルフ、スパイク、リース、そしてメリッサだったわけです。
 そのメンバーたちとのセッションは非常に楽しく、掲示板では物足りないからチャットにしよう。いやいやチャットでも物足りないから実際に会おうと、次々とその欲望は膨れ上がり(笑) とうとう十数回のセッションまでこなすパーティへと成長しました。

 今回はその懐かしき掲示板のセッションの話をやり直し、リプレイとして発表したい。その思いから出来あがったものです。

 では、どうぞお楽しみください(ぺこり)



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