第ニ話『リースの眼』

ガルフ:まあ、そっちはスパイクに任せて、全員で行こうか。
GM:ホーグはさっきの話を聞いてすでに走っていってしまってる。
スパイク:そりゃそうだ。自分の子供が危ないんだ。
GM:だけど、「どうしたんだい? ホーグの旦那ぁ」とか言いながらニヤニヤしてるのもいるけどね。
ガルフ:あいつか。『鋼の団』の連中。
ユーファ:やな奴ぅ。
リース:いや〜な予感がしますね。
メリッサ:とりあえず急ぎましょう。
GM:まずは冒険者レベル+精神力ボーナスでチェックして。
リース:え? なんでしょう。(コロコロ)16ですけど。
GM:一番高いのはリースか……じゃあ、リースだけ聞こえる。遠くのほうでかすかに悲鳴みたいなものが聞こえるんだけど?
ガルフ:進行方向か?
GM:そう。
リース:何か悲鳴が聞こえました!
メリッサ:(血相を変えて)急ぎましょう。
ユーファ:行けぇ〜〜、急げぇ〜〜。
GM:んじゃ、行く人手を挙げて。
ガルフ:どうする? 全員で行くか?
GM:距離は結構あるみたいだけどね。スパイクはまだ戻って来ない。先頭車両は遠いからね。
ガルフ:なるほど。
メリッサ:あたしは足遅いし、ここに残って護衛しておく。
ユーファ:わたしも残る。
ガルフ:(リースを見て)じゃあ、二人で行こうか。
リース:足並みそろえて……そろうんですよね。同じ敏捷度18ですから(笑)
GM:おお! 二人三脚(笑)
ユーファ:想像しちゃった(笑)
GM−H:(笑) さて、真っ直ぐ悲鳴の上がったほうに向かうと、3体のゴブリンがリブを守るように竜馬の子供と対峙してる。 リブはすでに竜馬に噛み付かれた……なんてレベルじゃないな。肩のあたりを食いちぎられたみたいで血みどろ。
リース:ガルフさんお願いします。僕はリブを治療しますから。
ガルフ:分かった。頼む……しかし(竜馬の子を)斬り殺してしまっていいのか? 取り押さえるのは無理なんだろうか。ゴブリン3体もいるんだし。
GM:無理だね。子供といっても、すでにガルフと同じくらいの大きさだし。それともうひとつ重要なこと……『人の味』を知っちゃった。
ユーファ:うわあ……。
メリッサ:どうしようもないね。
ガルフ:攻撃だ。(コロコロ)15。
GM:回避は失敗。
リース:僕はキュア・ウーンズです。
メリッサ:ちゃあんと気合入れて治すんだよ〜(笑)
GM:ガルフが戦いやすいように、ゴブリンたちは後ろに下がるね。ちょっとずつ怪我してるし。
 
 リースの魔法でリブは全快しました。
 一方、ガルフvs竜馬の子は……
 
ガルフ:15、と言って攻撃っ!
GM:6ゾロで回避っ!
一同:え〜〜〜!?
 
 こんなことが連続しまして、結局倒すまでに5ラウンドかかってしまいました。
 
GM:ドッス〜ンと竜馬の子は倒れた。すると竜馬に乗った男がこっちに走ってくる。「てめえ、何しやがるんだ!」
ガルフ:誰だ?
GM:あいつだよ。ジゴルズ。
ガルフ:ああ。あいつか。
GM:「てめぇ、俺の馬を殺しやがったな? なんてことしやがる」なんて言ってるけど?
ガルフ:見て分からないか?
GM:「分かるに決まってんだろーがよぉっ! てめぇが俺の馬を斬り殺したんだっ!」
リース:その馬は、子供を襲ったんですよ?
GM:「知るかよ。どうせそっちが勝手に俺の馬に近づいたんだろうが」
ガルフ:おまえたちの依頼人の子供を食い殺そうとしたんだぞ。
GM:「だからそんなことは知らねえって言ってんだよ! 勝手に俺の馬に近づいて興奮させた挙句に、斬り殺したんだ。弁償しろ! 馬の代金を払え!」
ガルフ:払う必要を認めない。
GM:「そのとおりだ。払う必要はない。」と後ろから現れたのはホーグさんね。
「ジゴルズ、クビだ。出て行け」
「な!? 待ってくれ。あのガキが……」
「……俺に剣を抜かせるな」
  ま、こんなやりとりをしてると、鋼の団の団長もやってきた。彼もホーグさんと同じことを言ってる。
「ジゴルズ、出て行け」
「なっ!? 団長よぅっ!?」
 とりあえずみんなのところに戻ってきたことにするね。ジゴルズはあきらめたようにキャラバンから立ち去ろうとする。団長とジゴルズがすれ違う瞬間……知力ボーナス+冒険者レベルで振ってみて。
メリッサ:全員?
GM:そう。みんな列車まで戻ってきたところだから全員ね。目標値は16。
ユーファ:16!? 11以上なんて出るわけないでしょうが。(コロコロ)やっぱダメ。
 
 と、次の瞬間

リース
:えいっ(コロコロ) 
一同:おおお!?
 
 リースが見事6ゾロを振りました。
 
GM:(こっちもビックリ) リースは団長とすれ違う瞬間、ジゴルズが『にやり』としたのが見えた。
ユーファ:ん〜? 意味ありげだね〜。
スパイク:(ようやく戻ってきた) 運転手に頼んで、出発を遅らせてもらっといたよ……ん? どったの? みんなピリピリしちゃってよう。
メリッサ:全部終わったところだよ。
スパイク:ふうん。んで、俺のミソスープの火の加減はちゃんと見といてくれた?

一同笑

スパイク
:煮詰まっちまうと味がよぅ(泣)

さらに笑

リース
:(笑) まあ、みなさんに意味ありげににやりとしてたことは伝えます。
ガルフ:あいつのことだ。何をたくらんでいるのか……。
GM:まあ子供とはいえ、竜馬は一頭で2000ルクスくらいするからねえ。
メリッサ:弁償なんてできましぇん(笑)
ユーファ:う〜ん(笑)
 
 この時点でのパーティー総資産は、1000ルクスちょいというところでしょうか。
 つまり一人だいたい200ルクス弱……。
 4レベルファイターがいる高レベルパーティにしては、凄まじく稼ぎが悪いようです(笑)
 まぁ、GMがそう仕向けたんですけどね(苦笑)
 
スパイク:弁償する気なんてないくせに(笑) 依頼人の子供を食い殺そうとしたんだぜ?  むしろ違約金を払わなきゃならないくらいだ。
ガルフ:こっちは子供を治すために魔法まで使ったんだ。ルールどおりの金額を請求してやろうか?
GM:「それはこちらが払おうか?」とホーグさんが言ってるけど?
ガルフ:いや、冗談だ。気にしないでくれ。
GM:ホーグの奥さんは感謝感激雨あられ、って感じだね。リグを抱きしめて泣きじゃくってる。 ……そのあと、リグはひどくお叱りを受けたことは言うまでもない(笑)
リース:それにしても、ほんとに不気味ですね。クビになったのに笑ってるなんて。
ガルフ:ああ。何かたくらんでいることは間違いないんだろうが……今は何も判断する材料がない。 とりあえず先に進もう。
リース:あ、そうだ。怪我してるゴブリンさん、手を挙げてください。治してあげます。
GM:(ゴブリン’s)「ギョ!(一斉に手を上げる)」

一同笑

リース
:(笑)「ギョ」なんですか?
GM:ちゃんと精神力減らしといてね。(笑)