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領地名:ヴァルベイル
領主名:マムルゥルゥチャチャ・エルク・ヴァルベイル
都市名:ベイルシティ

【概略】

 ヴァルベイルは、平地が無いことで有名です。

 よくて、丘陵地帯であり、土地の殆どが、高い山か深い森林に覆われています。

 州全体は、未踏地であり、昔は、罪人や、かつて「闇種族」と呼ばれていた人々が、この州へと逃げ込み、そして、帰ってきませんでした。

 それゆえに、「帰らずの監獄」と呼ばれていたと言います。

 逆に言えば、ここに逃げ込めば、追っても、それ以上は追跡して来ないわけです。

 20年前、トロウ全域で、「存在法」の破棄が宣言された際、半月後に、この地より使者が、首都トロウに訪れ、ヴァルベイルの領主の権利を求めてきました。

 その使者こそが、現領主である、「マムルゥルゥチャチャ」です。

 彼女は、ヴァルベイルの状況を纏めた資料を持参し、これを、トロウ重鎮たちに説明、そして、領地に、調査員を招き、結果、トロウ王から正式に、領地の権利を得たのです。

 ヴァルベイルの大半の土地には、危険な植物群や、モンスターと呼ぶにふさわしい獣が潜んでおり、土地に不案内の者が、迷い込めば、間違いなく、生きては帰れないでしょう。

 故に、ヴァルベイルでは、州の入り口を、首都「ベイルシティ」だけと宣言し、州への侵入を制限しています。

 それでも、無謀な冒険者や、秘宝が潜んでいると怪しむ商人や盗賊が、不法侵入し、そして、帰らぬ人となっているようです。

 ヴァルベイルには、目だった河が、ありません。水脈は、殆どが地下に流れ込み、森を潤しています。

 故に人は、井戸を掘ったり、植物や果物から水分を得ています。

 ヴァルベイルには、街道が、ありません。道は直ぐに森に埋まってしまいます。

 案内人(ナビゲーター)無しで、ヴァルベイルの土地を旅することは、死と同義語と、言われています。


【地区概要】

首都:ヴァルベイル

副都:シールベイル

地下都市:アクアベイル

街:サンドゲート


【主要人物】

領主:マムルゥルゥチャチャ・エルク・ヴァルベイル(ダークエルフ・若い女性)

・ヴァルベイル初代領主であり、この州を古くから統治するダークエルフの族長。
 顔に深い傷があり、治療魔法でも消せないという理由で、顔した半分を、仮面で覆っています。
 普段は、冷静沈着で私情を挟まない判断力を示すが、一旦、戦いになると、烈火のごとく、戦い、動くものが、居なくなるまで戦うと噂されています。
・口癖は、マスクで曇った際に「フゴフゴ」とか「ウィウィ」と、言ってしまうことです。
・戦いになると、風の精霊をコントロールしており、背負った矢を、雨の様に降らせます。
 接近戦では、愛用の銀槍が、敵の胸板を貫きます。
 噂では、槍は自在に空を舞うそうです。
・親しい人物は、彼女を「マムルゥ」と呼ぶそうです。
 大臣たちは、全て友人であり、彼女を、愛称で、呼びます。
・ベイルの紋章は「黒」


領主息女:ルーファリア・シャドウボディ・ヴァルベイル(ダークエルフ・少女)

・領主の一人娘。籠のとりで育ったため、下界を知らずにすごしていたが、昨今、家を飛び出し行方不明になっている。
 噂では、冒険者に、連れ出されたというが、事実は不明。
・口癖は、「ウィウィ」と冒頭に言うこと。ヴァルベイルの古い種族は、冒頭に、あいさつとして「ウィウィ」と言う習慣があり、彼女が老人の側近に育てられたためと思われる。


大臣:レディカス・ファンダーラ・ヴァルベイル(ボーンレット・老男性)

・州における、ボーンレット族の族長。ヴァルベイルの近衛隊長でもあります。
・巨大な石柱兵器である、「オルガルル」を自在に操ることで有名ですが、寄る年には勝てず、長くは戦えないため、戦闘時には、指揮に徹しています。賢しくも有り、ヴァルベイルの治安は、彼が握っていると言っても良いでしょう。
・出身は、グランゼリカ州。
・ベイルの紋章は「赤」


大臣:ヨーダ・ジーダイ・ヴァルベイル(ゴブリン・爺)

・州における、手練士(盗賊)協会の長を担っています。
 サンドゲートの街の市長でもあり、主に、ゴブリン、コボルトを纏めています。
・彼は、剣の達人であり、かつ、神聖魔法の使い手でもあります。信仰している宗派は不明です。
・ベイルの紋章は「碧」


大臣:ドンカス・ミソカス・ヴァルベイル(オーク・爺)

・州全域の守備隊を纏めている、守備部隊長を担っています。
 また、オークの族長でもあります。
・ベイルの紋章は「黄」


大臣:ドドリア・フィーナ・ヴァルベイル(マーメイド・若い女性)

・アクアベイルの市長であり、マーマン、マーメイドの族長。
 強力な精霊魔法の使い手として知られています。
・ベイルの紋章は「蒼」


アルカーナ司祭:ファンナ・セイバー(人間・39歳・女性)

・トロウ州から派遣されてきた、アルカーナ司祭。
 任務は、ヴァルベイルの監視と、他州との交流における仲介人です。
・戦士でもあり、高品質のグレートソード「グランドマウゼル」を主装備としています。
 白い板金鎧を身に堅め、任務に望みます。
・入州の際の、領主との一騎打ちは、有名です。詳細分かりませんが、その結果、領主とは、仲が良いようです。
・彼女の天使は、2体あり、板金鎧着て剣を持った「ホワイトウィング」と、盾を構えた「セカンドソウル」というフェンランの姿をした女性です。
・ベイルの紋章は「白」


魔法士:マーギャン・クベ(男性・壮年の男性)

・どこからか流れてきた魔法士です。ヴァルベイルでは、魔導力学を知る物が皆無であり、彼は、領主に取り入って、特例を取り付け、ヴァルベイル州における、魔法士長の座を手に入れました。
・アルカーナ司祭、ファンナとは、旧知らしく、過去に衝突もありましたが、現在では、特に、衝突はないようです。
・彼は、魔法装置の開発に長けており、ヴァルベイルの発展に一役買っています。
・失敗も多いため、被害も出てるようです・・・。
・主装備として、魔法媒体でもある「レイピア」と、エネルギーボルトを込めた「ラウンドシールド」を持ち歩きます。
 彼は、剣の腕前も、兵士並には持っています。
・ベイルの紋章は「紫」


【組織】
ヴァルベイル近衛隊
・領主の館と、首都を守っている守備隊です。
 主に、ボーンレットと、ダークエルフの混成になっています。
 隊長は、レディカス・ファンダーラ・ヴァルベイルという、ボーンレットです。

ヴァルベイル守備隊
・ヴァルベイル全域の保安部隊です。もっともヴァルベイルの土地の殆どは、未踏地扱いなので、街や村、都心の守備を行っています。
 主に、オークと人間の混成になっています。

アルカーナ神殿
・首都ヴァルベイルにあります。
 責任者は、司祭ファンナ・セイバー。
 当初は、彼女1人でしたが、最近は、信徒もできて、複数の神官が、勤めています。

魔法士協会ヴァルベイル支部
・別名「アルケミスト・ルーフ・オブ・ヴァルベイル」と言います。
 協会長を、魔法士の「マーギャン・クベ」が、担っています。


サンドゲート盗賊協会
・サンドゲートに本拠地を置く、ヴァルベイルの盗賊協会です。
 会長は、ヨーダ・ジーダイ・ヴァルベイルというゴブリンです。


【ヴァルベイル詳細】

 ヴァルベイルは、かつて、不可侵の地域であり、危険地帯とされていました。
 危険な人食いや毒を持つ植物群、沼、断崖、深い森、化け物・・・様々な理由で踏破は、難しく、侵入者は生きて帰ってこないという場所でした。
 しかし、実は、そんな地域に侵入し、生き延びている人々がいて、彼らは力をあわせ、生活していたのです。
 苛酷な環境ゆえ、彼らの間で決められた「掟」は厳しく。これに外れたものは、容赦なく死に追いやられていました。
 いくつかの闘争の末、1人の、ダークエルフが、統治に成功し、信頼ある者を取り立てて、ヴァルベイルを平定しました。
 ヴァルベイルに侵入した者の大半が、「闇種族」として、かつて、トロウ全域で、迫害されていた、「ダークエルフ」「オーク」「ゴブリン」という種族たちでした。なかには、闇種族として、扱わない種族もしましたが、それらは、主に、社会から追い出された者たちでした。
 20年前、トロウで大きな事態が、興りました。
 闇種族を、闇種族として、扱っていた「存在法」が、破棄されたのです。
 これを機に、ヴァルベイルを統治した、ダークエルフ「マムルゥルィチャチャ」は、土地の状態を資料として纏め上げ、トロウ首都へと乗り込み、領地として認めるよう、申し出ました。事細かに作成された資料と、土地へ調査団を招き、案内し、トロウ王に許可を得ました。


 ヴァルベイルには、大きな都市が、4つあります。
 首都「ヴァルベイル」 副都「シールベイル」 街「サンドゲート」 地下都市「アクアベイル」


 都市『ヴァルベイル』は、首都でもあり、ヴァルベイル州で、唯一、他の州に開放された場所です。
 他の都市は、ヴァルベイルの奥深くに位置していて、土地に不案内のものが行けば、必ず道に迷って帰らぬ人となるからです。
 ヴァルベイルには、街道がありません。道を作っても直ぐに、森や土で埋まってしまうからです。
 これは、呪いの一種では無いかとも言われていますが、真相は定かではありません。
 ヴァルベイルには、多くのダークエルフと人間が住んでいます。あとは、小数ですが、ボーンレットを見ることができます。
 街には、外の州からの品々と、ヴァルベイルの品を交換したり、売るための市場があります。
 市場から、ヴァルベイル中央に北端に位置する「サンドゲート」の市場に流通するものもあります。

 街には、ヴァルベイル唯一存在する「神殿」が、あります。
 街の外れに建てられた、「アルカーナ神殿」です。

 あと唯一のものといえば、「魔法士協会」が、あります。
 魔法士協会は、「アルケミストルーフ」と、呼ばれているようです。


 都市『シールベイル』は、ヴァルベイルに次いで大きな都市で、オークと人間が、主に住んでます。
 石造りの強固な砦になっています。都市の中央には、巨大な女神像が設置されています。
 女神のモデルは不明です。
 裁判所があり、収まらない、争いごとがあると、裁判所の中央に設定された「闘技場」で解決します。
 ここには、各地から、困った争いごとを起こした者たちが、裁判の為に送られてくるようです。


 街『サンドゲート』は、ヴァルベイルの北端に位置しています。
 サンドゲートの北は、断崖絶壁になっており、遥か下に、「シリル砂漠」を見ることができます。
 サンドゲートで、よからぬ争いを起こした者や、シールベイルでの裁判でも決まらなかったものは、サンドゲートの北門から、シリル砂漠へと突き落とされます。この際、布と、水袋一つを持たされます。
 いわゆる、これが、ヴァルベイル流の死刑です。
 この街は、盗賊協会が、治めています。会長は、ヨーダ・ジーダイ・ヴァルベイルというゴブリンです。
 この街には、主に、ゴブリンと、コボルト、人間が、住んでいます。
 サンドゲートは、首都ヴァルベイルに次いで、市場が発達した街で、ヴァルベイル各地や、ヴァルベイルを経由して流れてきた品々が、流通しています。また、一族の極秘である。サンドゲートからシリル砂漠への道から出て、砂漠の民から入手した、珍しい品物も、市場に並ぶそうです。


 地下都市『アクアベイル』は、ヴァルベイルの地下を縦横無尽に流れている地下水脈の奥深くに位置しています。
 巨大な水溜まりの空間に、アクアベイルは存在しています。
 その住人は、主に、マーマンとマーメイドです。
 町の長は、ドドリア・フィーナ・ヴァルベイルというマーメイドです。
 ヴァルベイルには、目だった河が無く、水源の殆どは、地下を通っています。
 隣の州から流れ込む川も、ヴァルベイルの地下へと流れ込みます。
 ヴァルベイルで希少な河に落ちた場合、地下へと流れ込むわけです。


【キーワード】
●『ベイルの紋章』
 特殊な刺青のことで、これを刻んだものは、ヴァルベイルにかけられた、迷いの呪から逃れれることができると言われています。
 紋章は、選ばれた者が、ヴァルベイルにいる精霊に、知らぬうちに刻まれているそうです。
 紋章には色があり、24色存在してると言われています。同じ色が、2つ同時に存在することは、無いとも言われています。

●『案内人(ナビゲーター)』
 ヴァルベイルには、街を繋げる為の、街道がありません。街道を作る試みはあったのですが、数日で、森に沈んでしまうのです。
 それゆえに、街の間の連絡や、市場のある、首都ヴァルベイルから、サンドゲートまでの道案内をする職業があります。
 彼らを、案内人と呼びます。
 彼らは、ヴァルベイルの地理を熟知しており、かつ、ヴァルベイル全体に、掛けられていると思われている、「迷いの呪」を、「一時的に」無効にする、紋章と呼んでいる刺青の技術を知っています。刺青は、数日で、消えてしまいます。
 彼らの殆どの種族が、コボルトか、ゴブリンです。
 この技術は秘伝とされていますが、結構知られています。
 但し、ヴァルベイルでは、たまに、この紋章では、効き目の無い場所や、時刻があるようです。


担当:SA.星忍冒険


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