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領名 = イーストウォール
領主名 = -
都市名 = セルセト、フェンリート、ロウヒルト

【領地概略】

 領土の大半が密林に覆われ、人間が極端に少ない地域。
 主な居住種族はグリィラル、フェンラン、エルフ、カオエルフであるが、他にも荒野にはケンタウロス、湖にはマーマンなどが暮らしている。
 東部の州境近くには頂上付近に氷河を頂く巨大な活火山が聳えている。この火山は20年ほど前から活動期に入り、20年で4度の大爆発を経た上に、現在でも大量の噴煙を噴き上げ、火山灰を周囲に激しく降り注がせている。
 また火山の南の麓には大きな湖があり、多数のマーマンが住んでいたが、火山の活動によって湖水が徐々に毒性を帯び始め、現在ではマーマンが暮らしているのは湖の南端、一部だけとなっている。
 州中央部はほぼ全てが密林地帯。溶岩脈から来る地熱の高さから熱帯系の植物が生い茂り、独特の生態系を形作っている。この森に暮らすエルフやカオエルフも他州とは異なる野性味の強い風貌や文化を持っており、イーストウォール出身のエルフはすぐにそれと分かるほど。
 密林地帯の南部には樹高150mに達する巨大な樹木が林立する地域がある。この樹は強いマナを周囲に放ち、樹の周囲では大小の岩盤や土地が浮遊していて、ここにフェンランが居住地を作っている。
 州の西部は強風が吹きすさぶ荒野となっており、ケンタウロスたちが点在するオアシスの周囲に暮らしているほかは、定住する種族はいない。

●グリィラルの地セルセト
 標高5,000m以上とも言われる巨大な活火山、セルセト山。周囲に他の山はなく、単一の成層火山である。頂上付近は激しい噴煙で近寄ることができず、その周囲は氷河に覆われている。
 セルセト山の中腹には多くの溶岩性洞窟があり、多くのグリィラルが暮らしている。最大の洞窟には千人規模の街が作られており、この洞窟をグリィラルたちの中心都市セルセトと呼ぶ。
 環境は厳しいが、地熱に支えられた菌類中心の農業と森に暮らす獣を狩る狩猟を糧とし、氷河が融解した水を得てそれなりに安定した暮らしを営んでいる。
 セルセト山の火山灰は風向きの関係でほとんどが東に流れていくが、たまに異なる方向に流れると、ジャングル地帯や周辺の州では多大な影響を被るようだ。

●エルフの地フェンリート
 高い地熱に支えられた、鬱蒼とした熱帯林フェンリート。その中心部にエルフたちが暮らす、森と同じ名前の樹上都市フェンリートがある。街の街路は草を編んで作られ、樹上20mの世界とは思えないほど複雑な街を形作っている。
 周囲のジャングルは道案内がいなくては踏破出来ないほど深く、また場所によっては間欠泉が吹き上がっている。
 この森にはカオエルフたちも多く暮らしており、いくつか同様の樹上都市が存在している。

●フェンランの地ロウヒルト
 樹高150mに達する魔法樹ヒルトが群生する南部地域は、ヒルト周辺に浮遊する幾つもの岩盤や土地にフェンランが暮らすという特異な地域となっている。最大の岩盤にはロウヒルトというフェンランの大集落があり、多くのフェンランが暮らしている。
 ヒルトの樹は豊潤な樹液を生産し、フェンランたちの水分需要を賄っている。
 岩盤が浮遊しているのは魔法樹ヒルトの及ぼす力らしいが、フェンランたちによれば別に飛ぶときの助けにはならないらしく、謎が多い。
 ロウヒルトでは毎年定められた地点を回るレースが開かれ、多くのフェンランたちがトロウ各地から参加している。

 イーストウォールには人間がほとんど住んでいない。
 州を代表するのはグリィラル、エルフ、フェンランのそれぞれの長で、彼らもほとんどの場合は互いに干渉しない。そのため、この州は政治的にはほぼ空白地域となっている。

【都市】

・セルセト
 セルセト山中腹にある広大な溶岩洞窟内の都市。
 活火山の中腹にあるため、至るところが崩落の危険を秘めているが、数千人ともいわれる多くのグリィラルたちが暮らしている。
 トロウ国に暮らすグリィラルの多くがこの街の出身であるとも言われるくらい街の規模が大きく、また少々変り種のグリィラルが多いことでも有名。
 地熱と氷河の雪解け水を用い、食用になる菌類の栽培が広く行われている。

・フェンリート
 ジャングル地帯の高い地熱と湿気を避けるために樹上に作られた空中都市。
 都市の土台や街路は草を編んで作られており、非常に強靭で弾力がある。土台の補修は常に行われており、崩落事故などはめったにない(≒たまにはある)
 降水量が多いために水には苦労しないが、火の気の取り扱いには最大の注意を払う必要がある。そのため、グリィラルの立ち入りは歓迎されない。
 暮らしているのはほとんどがエルフで、人口は1,000人程度。この規模でもイーストウォールでは大規模の部類に入る。

・ロウヒルト
 浮遊する幾つもの土地にフェンランの集落が点在するという世にも奇妙な地。
 最大の浮遊大地にあるもっとも大きな集落が、この地域で最大のフェンランの集落ロウヒルトである。
 浮遊大地での農耕や周辺の森での狩猟が主な暮らしの糧で、外部との交流はほとんどない。
 その地勢から、フェンラン以外の訪問客もほとんどない、陸の孤島。人口は数百人程度。
 年に一度のフェンランレースのときだけは、各地から訪れるフェンランたちで盛り上がる。

・ロンザ湖
 セルセト山の南東の麓に広がる大きな湖で、イーストウォールから東への通行を阻んでいる。
 マーマンが多数暮らしていたが、セルセト山が活動期に入ったころから山に面した湖水が硫酸などで汚染され始め、今ではマーマンたちも湖の南端にわずかに暮らすのみとなっている。

・ウィンドプレーン
 イーストウォールの中央を占めるジャングル地帯の西に広がる荒地。
 オアシスが点在し、そこをケンタウロスたちが拠点にして暮らしている。
 わずかに人間などの他種族も暮らしているが、その生活レベルは低い。

【施設】

 イーストウォールには冒険者の宿も盗賊協会も魔法士協会も存在しない。

【人物】

・フォーゼル
 セルセトを治めるグリィラルたちの女王。長い年月を経たその巨躯は、もはや一人では身を起こすことも適わない。
 若い頃は一族の発展の先頭に立って奮闘していたが、最近はめっきり保守的に。そのせいか、セルセトを後にして新天地を求める若いグリィラルが多いという。

・アタザール
 フェンリートを治めるエルフの族長。500歳とも600歳とも言われているが、定かではない。
 存在法改正前はダークエルフ達と激しく争っていたが、そのやり口の卑劣さ、悪どさなどでイーストウォール随一の嫌われ者として名を馳せる。
 数ではダークエルフより劣勢なエルフの優位を維持し続けているやり手おばさん。

・ヘルメス
 ロウヒルトのフェンランたちをまとめる長。歳月を経て真っ白になった翼と髪が特徴。
 今ではもう飛ぶこともできないが、若い頃はイーストウォール最速を誇っていたと昔話をするのが趣味。
 エルフとダークエルフが争っていた頃は幾度か両軍の援軍に赴いたことがあるが、エルフ族長アタザールの評価は「味方にすると困るが、敵に回すと面白い」
 年に一度のフェンランレースをこよなく愛している。

担当者:白銀の狼


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