ドイツ・中欧 疾走編 
2006年6月



スペイン対チュニジアの熱い闘いの幕が開く(ダイムラースタジアム)


6月18日/6月19日/6月20日 


6月19日(ハイデルベルグ〜シュツットガルト)W杯観戦日記

今夜はついに生まれて初めての生ワールドカップ観戦ですよ〜〜〜!!
ちなみに、ドイツではワールドカップのことをWeltmeister schaft略してWM(ヴェーエム)と表記されています。ヴェルトマイスター。かっこいい★

わたくし、高校時代の3年間はサッカー部のマネージャーをしておりまして(わかっているでしょうが、部のアイドル的扱いのマネージャーではありません。単なるおさんどん)当時はスコアもつけていたし(今はムリ)、サッカーについてはおおむね理解しているのですがなんせ正月の高校サッカーか代表戦しか見ないという状態が長く続いていたため、はっきりいってJおよび世界のクラブチームに話がおよぶとさっぱりわかりません。サッカーバカのapoたんにはたぶん物足りないツレとなることでしょうが。(余談ですが高校時代には「ボランチ」なんて言ってなかったよぉ!)


06大会キャラクター「ゴレオ」は、下半身裸に見えると不評だったそうな。
そう言われると目のやり場にこまる(しかもこれ等身大だし)

しかも、ダブルで楽しみなのは、今日はW杯の間、一般の家をお宿として泊まらせていただくHOST-A-FANを通じて申し込んでいたおたくにホームステイすることになっていたのだ。いや〜いいシステムだ。もう次回のW杯、南ア開催なんて絶対ムリなんだから次もドイツにしてくれればいいのにな。このシステムがある限り、宿難民(キャンプ派はおいといて)になることはない。

ダイムラースタジアムまで徒歩でいけるという手軽さが気に入り申込した家。どうやら母娘の二人暮らしの家らしいということだけはわかった(それ以上はつっこんで聞くもんでもないしね)。
しかし、娘はいくつなのか?あかんぼ?それとも大人?まったく不明なため、お土産も特に用意せずに、シュツットガルトに到着してからすぐメールのやりとりのなかで記載されていた電話番号に電話してみた。
すると、まっ…たく英語の単語がでてこないしっちゃかめっちゃかな対応。なぜ!私も電話なもんだからそれ以上どうしようもなくパニック。しかしその中でも「ツヴァイ(2)」だけが聞き取れたので、とにかくそれを勝手に2時にかけなおして!と解釈して電話を切ることに。…いったいどうなるのかしら。どきどき。
2時までシュツットガルトの大きな繁華街の通りをうろうろする。仮装した人たちがわいっわいにぎやか!トルコ移民の多い国だけに、どこでもケバブサンドが食べれる。私もでっかいケバブをほおばりながら、街のにぎわいをたのしむ。


試合は夜からなのに正午からこんな状態です。たしかに普通に働けんわこりゃ。

2時に到着するよう見計らってUバーンに乗り、10分くらいで最寄の駅に到着。電話すると今度は理解できる英語が飛び込んできた。5分もしないうちにやってきたのは…なんとどうみても小学生のかわいらしい二人組み。は?もしかしてあなたが娘さん!?わー!想像もしてない展開だった。「はじめまして!きあです」「はじめましてクリスよ」「姉妹なの?」「ううん、友だち。一緒に宿題するの」あ〜よかった、言葉通じる〜。

最寄の駅。Uバーンはだいたいどこもこのスタイル。

クリスのお部屋が今日の私のお宿。かわゆ!

新築のようでダイニングもステキだったよ

ママはカザフ人。お友達との写真など見せてもらったが、クリスの可愛さはズバ抜けてた
家に到着するとドアの外には、若い男性二人も。ありゃ?もしや今日は私だけでなくこのいかにもラテンな男性たちも一緒に泊まるわけね。なるほど、ツヴァイの謎は「あと2人くるから」の意味だったのか?そしてここのママは英語ができないため、この英語学習中の小学生、クリスがすべてメールの返事や電話の取次をしていたわけね。ようやく納得。
ママからお茶を入れてもらい、みんなで自己紹介がてらわきあいあい。なにが嬉しいって英語が母国語のひとが一人もおらず、みんなカタコトなので気楽に英語で話せるのがよかった。スペイン人の男性二人組は、カナリア諸島からきた警察官。しかもチケットを持ってないときた。


「え〜!大丈夫?だって今夜だよ試合」「問題ないね!僕らはいろんな試合を見てきた。だいたいチケットは試合さえ始まってしまえば安くなるんだ。大丈夫、絶対手に入れるよ」「マジ?幸運を祈るわ」「キミは他になにをみるの?」「私はこれだけ!初めてだから興奮しているわ」「へ〜席はどこなの?」
と、にわかの私でさえこんなかんじで話が続くのだから、サッカーファン同士ならどんだけ楽しいだろう。私がリーガ・エスパニョーラファンならたぶん話がはずみすぎて、警察官のどっちかと恋に落ちたかもしれない(落ちない落ちない)。


恐怖!玉男!

恐怖!マタドール男!

恐怖!闘牛…あ、もういいって?
スペインは各地方意識が強いのがわかる
服を赤いTシャツに着替え(今回、チュニジアもスペインもカラーが赤なのでどっちにころんでもいいように)、気合をいれて16時にクリス宅を出発、ファンフェストの前でapoたんと待ち合わせる。
「わー!apoたんメイクばっちりだよ!」「当たり前よ!」 apoたんの戦闘服はもちろんスペイン代表ユニフォームだが、背中にキラリと光るネームはモリエンテス。それから通りすがるスペイン人に「あははは!モロ、今回代表に選ばれてないじゃん!」と何度もからかわれても、笑顔(&片手にビール)でかえすapoたんのモリエンテスへの愛をそこに見た。

時間まで、ファンフェストでパブビュー観戦をすることに。でもほとんどのサポーターはファンフェストの外で大騒ぎ。みんな、とにかく騒ぎたいのだ(ファンフェストの中に入るのはかなり厳重なセキュリティチェックがある)。江戸っ子なのだ。いや江戸っ子じゃないけど。
たぶんこの雰囲気がみんな好きなんだろうな。私は初めての経験なのでなにもかもが新鮮で楽しいけど、毎回騒いでる人ってすごいな。ファンフェストの大きな画面でapoたんと試合をみていたけど、なんか心ここにあらずという感じではっきりいってこのときみた試合ぜんぜん覚えてない。


スペ対チュニ、サポーターもにこにこ対戦
ファンフェストでサウジ戦観戦中

サウジ・ウクライナ戦も終わり、さあついに機も熟した!ファンフェストを後にして、電車でぞろぞろぞろっと人波にもまれながらスタジアムへ。ちょうど18時とかそんなもんで、一般の通勤客が帰る時間とぶつかるため、普通の乗客はうるさいサポーターたち(みんな歌う歌う)に困り顔でおもしろかった。駅からスタジアムまでの道は、延々と「チケット譲ってください」のボードを手に持った人たちで埋め尽くされている。すごい…。あのカナリア諸島からきた警察官コンビは無事にチケ買えるかなぁ?


どきどきわくわく…試合開始までのときめき感は言葉にあらわせない

私とapoたんの席はばらばらのため、周りの席に観客が来るまで一緒に並んですわってマジで鼻血の5秒前という感じで試合開始を待つ。なんてか、旅もそうだけど出発までが一番テンションがあがるのとおなじく、こういうのも始まる寸前までが楽しいものなんですねえ。apoたんがいなければたぶん一生W杯の試合を見ることはなかったことでしょう。…本当にありがとうございまする…涙


この音楽を聴くとパブロフの犬のようにどきどきするのはなぜ?


世の中のサッカーファンがこの瞬間を待っているのでしょう。(私はにわかだから)

「ウオオオオオオオオ…」
まるで人の声の洪水のような歓声で、スタジアムは揺れる。会場にいるすべてのひとたちの心拍数が最高値を示す瞬間にホイッスル。ゲーム開始。これから約120分、みんな一体となるお祭りのスタートだ。
すいません、この日のゲームの細かい内容などはこのあたりのレポートをご覧ください。私はといえばまわりをスペイン人とドイツ人に囲まれてギャー!フギャー!ウオー!とゲームを楽しませていただきました。
まず最初にチュニジアが点をいれたからそれぞれのサポーターが盛り上がったし、後半の逆転劇もありかなりおもしろい運びであっという間。なんかいいもん見れた〜!という満足感でいっぱいだった。

数万人の人ごみのなかで無事apoたんと合流し、今日の試合のおもしろさを興奮気味に話しながら人波にまぎれて適当に歩いていたら、クリス宅に偶然にも到着してラッキー。ママが近くにおいしいポルトガル料理屋があると言っていたので場所を教えて!といったらわざわざ店までついてきてくれた。残念ながらそんな夜にやってるレストランはどこにもなく、結局apoたんはお腹ぺこぺこのまま、宿のあるハイデルベルグまで帰ることに。これでapoたんとはお別れ。最寄のUバーンの駅でガッチリとハグをして、次回必ず日本で会うことを約束する。アディオス!グラシアス!


スペイン人サポーターに担がれるapoみこし。
わっしょい!
さすがに、応援疲れでお腹へったなぁ、今夜メシ抜きはつらいなぁと思っていたら、家ではママが焼きたてのアップルケーキを用意していてくれた。嬉し〜い!隣に住む若い女性(クリスは私が部屋を占領しているので隣の家で寝るらしい)とクリス、私とママでわいわいと夜中にケーキを囲んでのひととき。今日は楽しいことがありすぎてその幸せだけでお腹いっぱいになりそうだ。



●本日の出費(1ユーロ=約148円)
雑貨もの…38ユーロ
ネットカフェ…50セント
Uバーン(中央駅〜ホームステイ最寄り駅)…1.8ユーロ
W杯グッズ(笛、カードなど)…2ユーロ
水…2ユーロ
クレープ…2.5ユーロ
水…2.5ユーロ
水…3.5ユーロ
チケ代…65ユーロ
(Special Thanks to apo! あ!東京で30ユーロ分おごるの忘れてた!いつか必ず!)