インド西部爆笑編


9月15日/9月16日/9月17日

2000年9月16日ジャイサルメール〜ジョドプール


さて今日は早起きをして8時台のバスに乗車。 バスにて、青い町ジョドプールへと向かう。
予定では6時間の移動。その後、夜中ジョドプールを出発する夜行でデリーへ。 午前中に到着するという強行軍だ。考えるだけでもおっそろしい移動っぷり。 これもすべて旅行期間の短いあたしのせいですよ、ええ、あたしのせいですとも。

カカリを囲む会inインド

係ちょーとかおちゃんは、あたしと別れた後パキスタンへ行く予定。
さあ、水やアメなどしっかり買い込んで準備も万端!ジョドプールまでのんびり いきましょう。砂漠に別れをつげバスはひたすら東へむかう。砂と潅木だけの 地平線という景色は何時間もかわることはない。

実はかおちゃん、朝からどうも調子が悪いらしい。おなかの。延々6時間 バスに乗り続け、もう少し、あと30分でジョドプールに入るというとき、 すでにかおちゃんの顔は青白く、苦悶の表情に満ちていた。 脂汗をかきながら
「係ちょー、ご、ごめん・・・バスとめて・・・」
係ちょーはあわてて、車掌にホニャホニャと話し掛け、バスがとまる。 インド人のギョロ目視線(しかも冷たい)をうけながら、かおちゃんはよろよろと しかし素早くバスから降りてかけだしていった。
「嗚呼。かおちゃん、いい人だったのに・・・」
まわりに視線を遮るものがないような場所で用をいたすとはどんな気持ちだろう。 彼女が、無事、だれかと結ばれ幸せをつかむ日がくるのか…。アタシは祈らずには いられませんでした。
あとから聞いたかおちゃんの話。
「もう気が遠くなって、早くださなきゃ!とおもうけど場所がないし、 やっと見つけたひくーーい塀のわきにしゃがんだんだけど、どうかんがえても 道路からまるみえなのよね。しかもバスは「はやくしろ!」とクラクション 鳴らしまくってたじゃない?でもどうしようもないから南無三!(なむさん) とおもって巻きスカート全開。でもなんとその塀の下ってコンクリでさ、 もう」
これ以下は、みなさまが不愉快になる発言が多々出てきますので割愛させていただきます。 もちろん、今後あたしとかおちゃんの合言葉が「がぶのみしたいとき!」から「南無三!」 に変わったことは言うまでもない。

そんなこんなでジョドプールについたが、まずはグッタリかおちゃんのために 駅前のホテルにチェックイン。もちろん今日の23時には寝台列車に乗り込むので それまで借りておく用に狭いシングルだ。
ホッとひといきついて荷物をおき、かおちゃんを寝かせておくことに。私と係ちょーはさっそく 飯をかっくらいふたりで城へむかう。このジョドプールの城からの眺めは最高にバツグンにいいらしいと 聞いてココロ踊るきあ。しかしこの旅、きあ→係ちょー→かおちゃんと順番にぶったおれて いってる。さすがインド。甘くないわね、カレーのように。


長嶋茂雄のアゴ以上に青いジョドプール
しかしなんでインドの施設入場料ってこんなに高いんだろ?とブツブツいいつつ 門をくぐる。ずうっと坂道になっているのをひいひい言いながら歩くが、いかにも ラジャスターン州の民族衣装!といった派手ないでたちの観光客をみているだけで 飽きない。あたしと同じようにキョロキョロして感嘆の声をだしている。

まずはお城の中ではなく、大砲の跡などがある展望台へむかう。 うおー!!すっげー!どこまでも広がる地平線と青い青い街並み!! 家のひとつひとつ壁が青くぬられており、それをイッキに上からみるとホント壮観だ。 別の言い方をするとかなりメルヘンチックでもある。ブルーシティ、ジョドプール。

それからお城の内部をざっと見学。ひとつひとつがめちゃくちゃキレイだが、 壁の細やかな彫刻はジャイサルのハベリで、内装の豪華さは宮殿ホテルでイヤというほど 見せ付けられていたので特筆すべき点はすでにない。そろそろ食傷気味のスタイルに 入場して2時間ほどで早々に切り上げて、ホテルに戻ることにする。

行きはリクシャだったが、帰りは路地をとおって町を歩きながら1時間くらいかけて帰った。 あの青い家ひとつひとつをみながら、そしてガキどもに 「One、Pen!ワン、ペン!(ペンちょうだいの意味であろう)」と 言い寄られながらタラタラと歩く。5時を過ぎ夕暮れ迫る街並みは活気があり楽しい。

私はこの町でインド旅、最初で最後のバクシーシをした。小さな汚い身なりの男の子が ずっと手のひらをさしだしてついてくるのだ。最初は他の笑いながら寄ってくる 「ワンペンこども」と同じように思って、テキトウにあしらっていたのだが この子は、ニコリと笑顔もみせずじーっとじーっとついてくるのだ。 ああ、この子、ワンペンの他の子みたいに冗談半分で言ってるんじゃなくて 本当の乞食なのだな。と感じ、ジャイサルメールで子どもから もらった10パイサを渡した。彼は10パイサを受取ったあと無言で全速力で戻っていった。 そのほうが偽善なキモチを感じなくてすむので全然ラクだ。

部屋に戻るとかおちゃんの具合もだいぶん回復したらしい。よかった〜!
夜のとばりもおり、 夜ご飯を食べがてら、城を眺められるGHの屋上レストランへ向かう。 ネタをとばしながらも、胃に優しそうなものを選んでみんないただく。 弱ってる・・・みんな確実に弱ってるよ。

さて、シャワーを浴びたり荷物をまとめたり、寝台にのる準備もバッチリ。いそいそと乗り込む。 しかしレディスコーチ(女性専用ベッド)はトイレのすぐ横にあるため、クサイ! もうクサくてたまらないので、自分に思い切り汗除けパウダー(微香性)を塗りたくって ゴロリと横になることにする。あー朝にはデリーにつくんだね。ようやくおいしい ごはんが食べられるね。またカレーなんだけどね。

どんなときもカレー。胃に厳しく生きる

ゴトン。にぶい震動で列車が動き出したことを知る。よく聞く話では インドの列車はおくれる。24時間おくれることもある。ということで あったが、この旅で乗ってみた感じを一言でいうとインドの寝台、快適! である。たしかすべて二等寝台のレディスコーチに乗ったはず。一等はエアコンが効きすぎて 風邪をひくくらいだそうで二等で十分。

ぼんやりそんなことを考えていると、トイレの前のスペースでなにやらギャアギャアもめている。 なんだ?とおもってのぞくと、いわゆるタダ乗りしている乞食じいさんを、車掌が棒でバシバシ 叩いてるではないか。ああっ、そ、そんなにひどく叩かなくっても!
インドの列車のドアは全開。この調子だと車掌は走ってる電車のドアからコジキを突き落としそうな 勢い、そう思ったとたん、ドアのちかくに座っていたひとがドアをバタン!としめた。 そしてホニャホニャ!!となにかを言った。係ちょーに聞いた。
「今の人車掌になんて言ったの?」
「たぶん乞食でも人間なんだぞ!≠チて言ったと思う」
サリー姿の女性は眉間にシワをよせ、手で顔をおおっている。
乞食は丸まってちいさくなっている。
清潔な服装の車掌はそんな乞食を容赦なく殴っている。
そして、私は寝台ベッドの上段から、そんな様子を見下ろしていた。 それだけだった。


本日の出費
※共同サイフを作り3人分の出費はまとめてはらっています。 ◆で表現したものは3人の共同サイフで共同のものを買ったり乗ったりしたときの 金額。3人分。■で表現したものは個人のおみやげなどを買ったものの表現です。

◆宿代(パラダイス1泊トリプル) 750RS
◆リクシャ 15RS
◆バス代(ジャイサルメール〜ジョドプール)300RS
◆バス荷物預け料 15RS
◆チャイ 10RS
◆水 10RS
◆あめ 5RS
◆バナナ 5RS
◆昼飯(2人分) 83RS
◆部屋代(22時まで) 175RS
◆リクシャ(駅前〜城) 30RS
■城入場料(カメラ持ち込み含む) 100RS
■ジュース 30RS
◆チャイ・水 35RS
◆夜飯 110RS
◆水・チャイなど ?RS


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