インド西部爆笑編


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2000年9月17日 〜(デリー)〜ハリドワール 


昨夜なんとなく寝付けなくてうつらうつらしかできなかったのに、8時過ぎからすっかり 電車内はざわめいてる。その声に仕方なく起き出すことにする。
私は旅にでると、ガクンと食欲が落ちて朝もチョコバーとかを適当に食べる、とか リンゴ一個ですませる、などかなりアバウトな生活になるのだが この旅で発見したのは係ちょー&かお(特に係ちょー)はめちゃくちゃ食う。という ことであった。
量はもちろん、3食きちんと食べるのだ。例えば食べ放題のチャパティ(インドの平べったいパン) など、私は1枚食べるか食べないかなのに、ヤツらは一人4枚はペロリといく。
係ちょーの場合、どんなに具合が悪かろうとも どんなに時間がなかろうとも、しっかり注文して完食。ほんとうにこのヒトの胃袋は 宇宙につながってるんじゃないかと冗談抜きで驚いたものだ。もちろん彼女はこの時も 車内販売のサンドイッチ、チャイなどしっかり食べて、それでも「お腹へったー」を 連発していた。彼女の家庭のエンゲル係数っていったい・・・

モノウゲカカリ。「腹減った」と思ってるだけ

昼前にデリー駅に到着し、そのままバスターミナル(ISBT)へ向かうことにする。なにを血迷ったのか 優雅に馬車での移動だ。かなり壊れて来ているかもしれない私たち。 さて、まずはバスターミナルへで、デリーの北6時間ほどの距離に位置する ガンジスの聖地ハリドワール行きのバスをとっつかまえようという 算段だ。ごちゃごちゃしたバスターミナル、まずは腹減ったからなんか食べよう!とターミナル 構内のキオスクみたいなとこで作ってるカレー味の食べ物を食する。

さて、実はこれからがふんばり時である。 1時くらいに出発するローカルバスに目星をつけていたところ、プライベートバスの客引きが しつこくしつこくしつこくセールスしてくるのだ。もう正直いってこの日は大移動の疲れが みな全然とれておらず、本当に精神的にも肉体的にもかなり弱っていた。 係ちょーも「ノンストップで早いといってるし、出発時間も1時だというし これに乗ろうか」と提案してくれる。ごめんね、カカリも疲れているのにね。うんうん、もうヘタレ旅行者なわたしは なんでもいいです!大賛成!!!よろよろとターミナル外のバス会社のオフィスへ歩き出す。しかしまさしく これが運の尽きである。

私たちは延々待たされ、2時間ほどオフィス前でぼんやりしていた。他に客引きされた お客(外国人数人、他は聖地巡礼へむかう巡礼者団体など)もいいかげんブウブウ言い出す。 そしてやっとバスが来た!!と、乗り込んだはいいが、また出発しない・・・ どうやらバスが定員埋まってないのが原因らしい。今も客引きがあの手この手でターミナルで 客引きをしているのだろう。疲れと暑さ、睡眠不足からいいかげん堪忍袋の緒が キレかかりそうなところに、早くバスを出せ!と交渉していたシーク教徒のオジサンが一言。 「ひとり20RS追加で、この定員で出発するらしい」
どかーーん!!!おどりゃー!!なめとんかー!しばくぞー!
もう非難ゴウゴウアメアラレ。すべてヒンディ語のため、乗客の白人2人は何事かわかっていないよう だったので、ことのナリユキをつげるとふざけんな!という顔で払う気はまったくないと いう。まあそうでしょう、白人さんは絶対払わない確固たる意思がありそうだ。 しかし、私らはヘタレ日本人旅行者。しかも、他の乗客ははやく、一刻でも早く聖地に むかいたいようでシブシブながらも金を払っている。 そんな中、外国人がぜったいはらわねえ!とダダをこねるのもなんだかイヤな雰囲気だ。 交渉してくれていた若い乗客も申し訳なさそうに「払ってくれないか?」という。


絞りたてのジュースはおいちいの
たぶん、理論的には「最初ひとり180RSで行くという話だったんだからそれが 途中で変更するのはおかしい。契約不履行だわ。絶対払わないわよ」というのはただしいさ。 それは正しいよ白人旅行者さん(そんなこと彼女はひとことも言ってないがいいそう。偏見?)。

ただ、どうかんがえても、外国からインドへ旅行しにきている、いわば 金を持っている外国人が払わずに、聖地へ行くのが目的である一般市民なインド人乗客を困らせるという 図式に、とてもじゃないけど耐えられなかった。
もう!なんでこんなブルーな気分にならなければ いけないのだ!インド人の、いやバス会社のばかばかばかばか!!!

結局3人で60RS差し出す。正直、このときはインドの印象は最悪だった。 このバス会社のせいで、いままでのいい印象もガラガラ崩れる。

結局3時過ぎに出発したバスは、ゴウゴウゴウとうなりをあげ、様々な町を抜け、 夕焼けを横目にすでに日の落ちたハリドワールへ到着した。なんだかとても長く辛い 移動だった気がする。何時間乗っても時間がたってない、そんな気にさせた。このインド旅 もっとも疲れた移動だった。すでに時は8時。真っ暗闇にきらきらひかる水面。
これガンジス川なの?へえ、暗いから全然わからないや。感動はない。それよりも はやくはやくはやく宿についてシャワーをあびてご飯が食べたいきもちだよ。

この町でオートリクシャを見かけることはほとんどない。道が狭いからだろうか、全部 人力車タイプ。大荷物を載せるため二台リクシャをつかまえ、ガート近くまで乗り付ける。 数件まわったがさすが聖地。満室。ひえーどうする?とおもっていたところに、ガートのすぐ側で ガンジス河が部屋から見えるという条件にぴったりの宿が見つかった。 HOTEL GYANはなんとエレベーターがある。しかもエレベーターボーイが いて、操作してくださる。まあ、なんとありがたい…。つい背中にむかって拝むわたし。

荷物をおいて速攻シャワーを浴び、みんなさっぱり気分もすこしよくなったところで メインガートを見に行くことにしよう!わー、メインガートに近いしなにより ガンジス河沿いなんて行動しやすいこのホテル、すごくいいじゃないの?なんて明るく思っていたのが またもや大ショック!
バスルームを開けると、 真っ白なバスルームに一面のゴキブリ!?ウッギャー!。 とそのとき、コロコロリン♪チリリリリン♪とステキなコーラス。 ハッ!コオロギでしたか!(「なんですとWINちゃん」風の口調でお読みください) 風流って感覚を越えたその数に、私たちは失神寸前。
500匹はいようかというコオロギにかこまれながら泣く泣く水浴びを終えた貴婦人は (すでに「水浴び」というとこが貴婦人転落)メインガートをざっと見学する。

コオロギ軍団参上。夜露死苦

夜も更けたし人はいるにせよやっぱりすこし恐いよね。てなことですぐにホテルに帰ろうと帰路を急ぐ。
水を買おうとしたがその店は水が冷えていなかったのでやめてまたとことこ帰っていったらぐしゃと 音がした。
なになに?なによ。とビックリしたらさっきのお店のヤツラが なんと、トマトをぶつけてきたのだ。ほんとに信じられない。めっちゃ怒ったが、 相手はオトコ達。刺激してはいけないので、そのまま宿にもどった。私は被害はなかったが 係ちょーやかおちゃんにはすこしトマト汁がかかったようだ。

闇夜にはにかむ看板屋
私はやっぱりイスラムの国に甘えていたかもしれない。
だってこんなことを された国なんてなかったし、考えられないし、これからもおきることはないとおもってた。 今日は本当にインド人には振り回された。心底疲れた。私が当日書いた日記メモを読み返すと こんなことが書いてあった。
“インドの印象はシーソーだ。よい・わるい・すき・やっぱやだ。みたいな へんな感じ。”


本日の出費
※共同サイフを作り3人分の出費はまとめてはらっています。 ◆で表現したものは3人の共同サイフで共同のものを買ったり乗ったりしたときの 金額。3人分。■で表現したものは個人のおみやげなどを買ったものの表現、1人分です。

◆サンドイッチ 33RS
◆チャイ 6RS
◆馬車(デリー駅〜ISBT) 30RS
◆水 10RS
◆昼飯 52RS
◆バス代(デリー〜ハリドワール)540RS
◆バス代追加 60RS
◆きゅうり 5RS
◆ジュース 30RS
◆リクシャ(2台分) 30RS
◆ホテル(トリプル1泊) 500RS
◆チャイ&サモサ 13RS
◆水 7RS
■タバコ2個 40RS


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