インド西部爆笑編


9月6日/9月7日/9月8日

2000年9月7日   デリー〜

L氏宅にザコ寝させていただき、お目覚めは日の光で。なんて爽やかな朝。モーニング娘だ。 デリー市南部の閑静な住宅街、まるでインドにいるのが嘘のよう。まだ すやすや眠る使用人のしなやかな肢体を眺めながら葉巻を くゆらすきあ。嘘です。じろうや隣人である素敵なおかま とまったりした朝を過ごす。
とにもかくにも、ここではじろうと積もる話もできないということで、 じろう宅へ移動することに。

お手伝いくんズ。ええ脚しとるやないか〜

じろうは二世帯住宅のような作りのインド人宅の二階を借りて 一人暮らし中である。6畳くらいの部屋+キッチンスペース。ベッドだけのシンプルな室内。
「なんだかさ、日本ではいらんものに囲まれて暮らしてるけど こういうの見ると、人ってなんにもなくても生きていけるよね〜」と ぽろり。女の子らしく片づけられた部屋でふたり、延々とおしゃべりが続く。 ほんと、インドにいるっていうか友達の家に遊びにきただけみたいだよ。

今日の夕方、成田発のエアインディアで「係ちょー」と「かおちゃん」が デリーの空港に到着予定。彼女たちとはパハールガンジのAjayGHのサテンで 待ち合わせということにしておいたのだが、春を愛する心清き人であるじろうは
「むかえにいこうよ、L氏もそのつもりで車だしてくれるはず」
というので、じゃあ17時すぎに空港に行こうということになっていた。 時間までまったりしていようと昼寝していたとき電話のベル。受話器の向こうはL氏のようだ。
「えっ?きあ大変!エアインディアの到着予定16:30だってさ!」
なにいっ。大慌ててでクルマを手配してもらい一路空港へ。じろうやL氏宅の ある住宅街から空港までは車でおよそ40分。いまは16時前。間に合うか!!すれ違うか!! 結局、ドライバー氏のがんばりにより無事16時40分には空港の到着ロビーへ。 きのうはじろじろ見られる側だったが、今日のアタシは一味ちがう。 V字柵のこっち側からじろじろと見返してやるぜ!この細くうるんだ瞳でね!
やはりすでに成田からの便はついたようで、ぞろぞろと降りてくるのは日本人ばかり。 見逃さないように、穴があくほど見つめていたら、おっ?あれは目印の「麿Tシャツ」ではないか。


これがパハールガンジ・メインバザールです

「おーい係ちょ〜!かおちゃーん!迎えに来たよお〜」
「あれっ!なんでいるの!?もうタクシーチケット買っちゃったよ」
「はやく返金してもらいなよ!豪華送迎車があるんだからさっ」

1ヶ月ぶりの再会もあっさりしたもんだ。なんで感動の再会にならないのよと 係ちょーにブウブウいわれながら車へ。やはりお迎えがあるとまわりのインド人は 見向きもしないもんだ。あの中に性悪なやつらもいるのかな?と思うと少々ときめく。 係ちょーたちが機内で一緒にパハールガンジまで行こうと誘い合った女性もふくめ、 5名の美人日本人をのせてアンバサダーは一路パハールガンジへ。 車の中はテンションも高まりウルサイったらありゃしない。一番うるさいのは私なんですが。

係ちょーたちはパハールガンジの中ほどにある、モスクを改造したホテルCamran Rodgeに チェックイン。じろうを含め4人でチャイをのみに行き、さっそく再会の杯をかわす。 女3人よればかしましいが、4人揃うとなると敵ナシだ。とくに係ちょーの堂々たるヤクザ歩き にはうっとりするほど。ついていきます、アニキ。

さてわれわれ4人はあさって、ジャイプール近郊の宮殿ホテルSamode Paleceでマハラニナイトを 繰り広げることになっていた。その昔、インドの各地域をおさめていた王様(マハラジャ)の 邸宅をそのままホテルに改造したというシロモノ。そんなホテル、一泊するのに何万かかるのか!? そこはインド。実はロイヤルスイートでさえ1万円に満たない金額で泊まれるのだ。そりゃ インチキ貴婦人のあたしたちが飛びつかないわけがない。調度品のひとつひとつが国宝級という 宮殿ホテルにステイするにふさわしいよう、貴婦人パンジャビドレスをオーダーするのが 本日最大の仕事である。さっそく、メインバザール沿いにあるお店に飛び込んで生地などを 吟味する。
「この柄似合うかなー」
「かおちゃんは青がいいんじゃないの?」
「ミスター、ジョーゼットはないの?」
「模様がすかしてあるパジャマ(ズボン)がいいんだけど」
みんないいたい放題である。気分はデヴィ。生地もぐちゃぐちゃにひろげられ、収集がつかない。 時間をかけながらみんなそれぞれお気に入りの生地を見つけ採寸してもらい、 デザインのこまかな部分のリクエストをして無事、明日の夕方にはパンジャビドレスが 出来上がる運びになった。ここまでスムーズなのも、やはりすべて係ちょーの 流暢なヒンディ語の通訳のおかげである。言葉ってすごいなあとつくづく感じる。 たぶん、英語ペラペラのインド人であろうとも、ヒンディ語でしゃべられたほうが ウレシイに決まってるし、親しみを感じること間違いない。 しかし、あまりにも彼女がカンペキなヒンディ語を扱うので、これから会う人すべてに
「ネパール人?ちがう?なんという村から来た?」
といわれ続けることになる。ネパール人の小娘となった係ちょーパワーはしょっぱなからフル稼動である。
インドのくせに遅くまで働き屋さん 寡黙なターバン一族と手ぬぐい族の遭遇

最高にうまいカレーディナーを堪能したあと係ちょーとかおちゃんと別れ、 きあは今夜はじろう宅に宿泊。オートリクシャに30分ほどゆられる間、鼻の中はまっくろけだ。 またもやじろうと延々と話をしながら
「ああ、インドにきてよかった。じろうに会えてよかった」
しみじみしながらその夜は更けた。 外ではみまわりの夜警が、ムチをびしびし振り回している音が響いている。拍子木ではなく ムチであるところが、さすがインド。異国情緒たっぷりである。


本日の出費 (1RS=約3円)
■チャイ (3RS×4杯)12RS
■パンジャビドレス (布550R 仕立て100RS) 650RS
■夕飯(カレー) 20RS
■コーラ  10R
■オートリクシャ(パハールガンジ〜グリーンパーク) 二人で80RS

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