写真とキャプションだけでさらっと語ります
地中海泣き笑い編
2003年5月〜6月


シチリア1シチリア2チュニジア1/チュニジア2(工事中)



最近、夜寝るのが早い。やっぱりひとりで夜のシチリア(妄想:マフィア発祥の地)の州都をうろつくなんてとんでもないと思っているので、昨日なんかはお菓子食べて寝たほどだ。ぶるぶる…なんちゅう旅だ!これはいかん、とさすがに思いはじめて、自分自身の意識改革をすることにする。
「感情を声にだす」「オーバーに表現する」「話しかけまくる」「市場にいく」
その前にパレルモの名所を見てまわることにしよう。クアットロカンティ、サンガタルド、カテドラル、パラティーナ礼拝堂、ジェズ教会などなどなど覚えてないほど。すべて徒歩で、かなり時間をかけてゆっくりみてまわったんだけど、すごく感動したのは最初の2〜3軒だけで、あとはもう区別つかずの罰当たり状態。この写真もどこの教会だっけ?とにかくあまりに美しくて豪奢で厳かだったのに圧倒された。こんなに見事な教会をみたのはもちろん私史上初だった。
市場はやっぱり楽しくて、チーズとエスカルゴがもりっもりに売ってた。エスカルゴの素敵な写真いっぱい撮ったのになぜか私のアルバム内から紛失。やっぱあまりプリントにこだわらない私はデジカメのほうがむいてるなあ。デジカメで撮ればよかった。




アグリジェントに到着。神殿などの遺跡がある、ここも一大観光地。でも神殿系大好きなわたしは見逃せないポイントだ。しかしシチリアって宿がなんでこんなに少ないのだろう?毎回iで苦労させられる。(この日の日記は相当たまってたらしく罵詈雑言かかれまくっている、今見るとオモロイ)。
神殿はこぢんまりしていたけど、それでもとても美しいし、やはりさすがに神殿があった場所だけあってすこし高台でまわりが開けているので眺めも抜群。本当はこういう場所はガイドさんがいるほうがいろいろ聞けてわかりやすいのだけど、まあこの景色をノンビリ座りながらみるのが気持ちがいいのだ。





アグリジェントから出る日もイライラが多かった。まず前日に聞いていたバスの時間が全然違っていて、9時にターミナルにいったら8時半には出たとのこと…う、うそつき…。もうシチリア人のいい加減さには慣れていたので、廃人になりながら、町をうろついてアランチーニ(うまいライスコロッケ)とかを食べたりお手紙を書いたりしてほぼ半日の暇つぶし。もうおいていかれるのはいやなので、予定の1時間前にはターミナルでスタンバイ。しかしこの日の午前中に1人日本人に会っただけで、シチリアでは日本人をまったく見かけない。だからかすごくじろじろ見られて居心地悪いのなんの。オフシーズンだからか、人気がない観光地なのか。
イタリア人(というかシチリア人)て大きく分けても「白人」じゃないのに、なんでそんな目でみるんだろう?あんたらだって色付きじゃん。生理学的にいうと色付いてるほうが長生きできるし有利だよ(なんだこの説教)。
多分私は中東やアジアでの無条件の日本人リスペクト目線になれてしまっていたのだと思う。これは自分もいかんことだけど、少なくともアタシはあんたらみたいに他の人種を蔑視なんかしないけどなあ… こわいね、コンサバすぎるのって。

このターミナルでとなりあった、ドイツ人とベトナム人の夫婦がすごく優しくて温かった。ジェラートまでおごってくれたんで、負けずに私はその夫婦の子どもの子守にいそしんだ。ベトナム女性のものごしの柔らかさが印象的だ。




シチリア最後の町はトラパニ。
びっくりするほど海がきれいな港町だ。私はこのトラパニ行きのバスでようやく開眼した。シチリアのほんとうのかおをまだ見ていなかったことを。

バスのいちばん前の席で、流れる景色をみながらMDを聞いていた私は、このバスのドライバーとそのドライバーの横でいちゃいちゃしている小娘を「うざいなあ」と思っていたのだけど、実はその小娘はドライバーの娘だったらしい。最後の乗客が降りてあたしだけになったとき、娘が(イタリア語)話しかけてきて「そのイヤホンでなに聞いてるの」みたいなことを言ったっぽいので、MDを見せてあげたら、その小ささと音のよさに目をくりくりさせてドライバーにべらべらっとなにかを言ってた。
ドライバーは「彼女は素晴しいっていったよ」と教えてくれ、30分くらいはバスの中でコミュニケーションが楽しめた。

気を良くした私は、バスを降りてiでも元気に話しかけた。ぶっすーーーとしているiのおじちゃんにもマシンガントークで「この街はすてき!」「教えてくれてありがとう!」などなどなど・・・とにかく話しかけたら最後はおじちゃんにっこりして、「英語の地図あげるよ」と言ってくれた。
わかりにくい宿を探すのも、街のひとに積極的に話しかけたら多くの人たちがわらわら一緒に探してくれて宿まで案内してくれた。宿の無表情なフロントのにいちゃんもカードは使えないというので大げさに「オーマイガ〜〜!」って小芝居したらニヤリと笑ってクールに部屋まで案内してくれた。またこの部屋が素晴しくよかった。
そうだよ!黙ってちゃわかんないんだよ!言葉が通じないなら私には笑顔があるじゃあないのさ!話しかけて笑いかけていかないと通じない、シチリア人は冷たいんじゃなくてシャイなんだよ!ぶすっとしたシチリア人の顔の下に、こんなにいい表情いっぱい隠れているじゃないのさ!

チュニジア行きまでの数日過ごすトラパニがこんなに素敵な街で、そして素敵なことを教えてくれて本当によかったとおもう。終わりよければ全てヨシ。ご機嫌うきうきで、夜の街にでかけた。この小さな町の繁華街はどうやら異邦人にも優しそうだ。


チュニジア1につづく!!!