モロッコ大騒ぎ編


8月27日//8月28日/8月29日


1998年8月28日(木) カサブランカ〜マラケシュ

朝6:00、夜も明け、空港で人の気配がちらほらしだしたころ行動開始。 しかし、モロッコ一の国際空港のくせに、 なんで便座がないの、便座が・・・ 便座なし便器のふちに、ふらつきながら足をかけ用を足すきあ選手。 こんなんならアラブ式トイレ(日本の和式スタイル。紙は流しちゃダメ) にしてよね。私は水でオシリ流せんのよ。不器用ですから。

サボテンの実とチャイをゴチになった
日本のモロッコ政府観光局で調査済みの カサブランカ−エルラシディア間の フライトがないか、空港でチェック。聞いた話によると、土曜日に一便あると聞いてたので、 砂漠からイッキにここまで帰ろうと思って予定をたてていたのに・・・・ 帰ってきた言葉は「ノーフライト」。 場所を変え、航空会社を変え、空港内を何十往復もし、 しつこく聞くが、ナイの一点張り。
「政府観光局のオバチャンのうそつき〜〜〜!!」

と、いまさら叫んでもしかたない。 くまとこれからの行動を変更する話し合いをし、 (しかし、のちに曜日は違うがフライトはあることを確認。モロキャンてやつは・・・) 鉄道でマラケシュに行くことに。

両替を済ませ、空港駅に向かいます。 まずは空港駅からカサボワイヤージュ駅まで20分くらい電車に乗り、 カサボワイヤージュ駅でマラケシュまで3時間くらいとのこと。 切符を買って乗り込むと、そこには今朝、 空港で見掛けた日本人らしい男の子発見。 OKももらってないのに、その席に座り込み情報交換気分で話し始める。 気さくな彼の名前はケンちゃん。 大阪のとあるかしこい大学の4年生で、KLMを利用して昨夜カサブランカに到着したとのこと。 話を聞くと旅程とほぼ同じだったので、もういつのまにやら旅の道連れっぽく。成り行き成り行き。
カサブランカで2時間ほど電車待ちの時間があったので、プラプラ歩いていると 道端にオレンジ色でトゲのあるヘンな果物を売ってる人がいる。 3人でなんじゃこりゃ〜?とみてたら、オヤジたちが「くってけ!」 と、果物をむいて差し出す。おそるおそる食べるとなんかざくろのよう。 「ケスクセ?」(フランス語でこれなあに?)と聞いてもようワカラン。 結局オヤジたちがおごってくれて、たのしい和みのひとときを過ごす。 後日アトラス山脈越えのときに発見したのだが、 どうもサボテンの実らしい。うまかった。

電車のコンパートメントでもとても楽しい。 かわいい子ども連れの4人家族と いっしょで、英語、フレンチ、アラビーヤのごった煮会話で盛り上がる。 「わたしはマグリブなんだよ」と誇らしげにいうおじさんが とても印象的だった。

お買物は殿方の仕事

モロッコ・アルジェリア・チュニジアの北アフリカ三ヶ国の総称を マグレブといい、昔からいる遊牧民の血をひいた人のことをいうらしい。 モロキャン(モロッコ人)は「自分はベルベル人(モロッコの先住民)だ」と いう人も数多い。

マラケシュの街はいきなり暑かった。日差しがカキーンと脳天直撃。 これはいかん、早く宿を見つけねば。しかしその前に、 バスターミナルに行って、あさってのワルザザード行きのバスを予約。 タクシーをひっつかまえ、値段交渉。この国に定価などない。 すべて交渉。交渉をしなければ、当然のようにボられるようだ。ふんどしをしめてかからねば。
「ジャマエルフナまで20ディラハムでいくよ」
「その前にバスターミナルによってほしいんだけど」
「それなら25ディラハムだ。待つ時間がかかるだろ」
「高いよー。ダメダメ、バイバイ」

などの会話をギャーギャーかわし、何台かのタクシーに交渉。 5ディラハムはたったの75円なんだけど、 気分はもうモロッコモードなので、みんな粘る粘る。 しかもケンちゃんは神戸、くまは四国、きあは九州。 みんなラテンな(?)西日本勢だ。負けてたまるかでごあす。 ようやく乗り込んだタクシーの運ちゃん曰く「バスはCTMがグッドだ」。 そのアドバイス通り、CTM(国営バス)のカウンターへ直行。 この旅で幾度と鳴く利用することになるバス、すべてCTMを使った。 プライベートバス(私営バス)は死ぬほどオンボロらしい。


ジュリー「お前にチェックイン」を口ずさむ…

相部屋っ。アラベスクな床がきれい

日差しの当たらない内階段が情緒あるぅ

太陽がてっぺんに昇った頃、モロッコ一の繁華街であり 見どころであるジャマエルフナ広場に到着。 といいつつ、人出はあまりない。 ガイドブックで見たあの水売りのオヤジや雑技団ふうの人はいない・・・・ こんなもんかなあ?なんか拍子抜けしながら炎天下のなか、 メディナ内に入っていく。 メディナとは、昔作られた迷路のような町のことで、 松田聖子も歌ってましたね。♪マラケシュ〜迷路のま〜ち〜〜と。 適当に入って、見つけたのが「ホテル フォンセ」。 ほとんどモロキャンが宿泊。欧米人の客が2人くらいいたようだ。どきどき。おや、ふむふむ。 無愛想なオヤジに案内された部屋は、3人部屋でなかなか広い。 アラベスクのタイルも気に入った。トイレは共同アラブ式。 共同シャワーも温水5ディラハム、冷水3ディラハム。宿代ひとり40ディラハム。
いいんじゃない?ここに決定!吹き抜けも気持ちよさそう! このクソアツイなか、温水シャワーなんかあびたくもない。 みんなさっそく昼は暑いからと、ベッドに寝転がる。 行動は夕方からね。ベッド決めのとき、窓際をとったきあの ミステイクに気づいたのは4時過ぎ。 さしこむ西日が犯罪的に暑い。ぎゃ〜〜〜!助けて。

日差しも落ち着いた夕方18:00、やっと行動に移す。 昼から遊びまわってたケンちゃんは 「モロキャンに家にメシ食いにこいっていわれたから行ってくる」
と、のんきにでかけていった。 これから彼のパワー(?)が明らかにされるが、 ケンちゃんはすごい。誰とでも話して、誰の家にもついていく。 濡れた瞳の子犬のようだ。そういや顔も犬みたいだし。ケン=犬(ケン)ということで。 今まで、一度も危険な目にあってないという。 私たちはひそかに奴を「ラッキーボーイ」と呼ぶことにした。

メディナを抜け、くまとふたりフナ広場へ足を運ぶ。 ・・・・すごい。きみたちどこに隠れてたの?というほどの人・人・人。 フナ広場は、昼の閑散とした雰囲気ではもうない。 屋台の呼び込み、人々のざわめき、 あちこちからあがる歓声、音楽の渦。こんなカオスな場所だったのか。 これがジャマエルフナの底力だったのね。脱帽。
「一度、宿に戻ってカメラもってこようよ!」とバタバタ宿に 戻って、この広場が見渡せるテラスでメシでも・・・と思っていたのに、 ふたりとも疲れていたのか、なんといつのまにか眠っていた。 深夜、ふと目をさますとケンちゃんも戻って来て寝ていた。 長時間の移動で疲れてるんだ・・・明日があるさ・・・ 自分にそういいきかせてまた目を閉じた。 ホテル横のメディナの道からは、アラビア語やフランス語の 楽しげな声が響いていて、なんとも耳元がくすぐったい。


広角じゃないので全部写りこみませ〜ん!毎日祭りっぽい状態らしいですフナ広場


本日の出費(1DH=15円)
●空港駅−カサボワイヤージュ駅 25DH
●パン 4DH
●ダクシーひとり3DH (3人で10DH)
●カサボワイヤージュ駅−マラケシュ駅 73DH
●屋台のオレンジジュース 2DH
●シャワー(冷水) 3DH
●宿代 40DH
●ハガキ(1DH×20枚)20DH
●ファンタシトロン 5DH
●水 6DH
●タクシーひとり3DH(3人で10DH)
●CTMバスチケット マラケシュ−ワルザザード 46DH





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