![]() モロッコ大騒ぎ編 1998年9月1日(火)ティネリール〜メルズーガ 本日はAくんがまだ見てないトドラ谷に寄ってから、 砂漠に向かうことになる。 えっ!またあのキレイな景色が見れるの!? 喜んでお供させていただきますバイ! というわけで、グズグズと朝飯(私はバナナ)を食って出発。 ドライバーはドリス、ナビシートにAくん。お邪魔虫の トリオザ・パンチョスは後部座席におさまっております。 しかし暑いな・・・。 昨日は乗合タクシーだったので、どんなにいい景色でも 途中降りられなかったけど、 今日はチャーターだからわがまま放題★(私らもお金をシェアしたとはいえ、元々はAくんがチャーターしてるのだが)。 ナイスビューポイントではしゃぐ日本人4人組であった。 トドラ谷、いいねえー。
このクソ暑い中、一刻も早く砂漠への入口の町、 エルフードにつきたいのに、 土漠のまんなかに突如あらわれた一軒家でドリスは車を止めた。 「ハァ?ちょっとお、ドリス・・・みやげなんか買わんって」 ドリスとそこの若い青年は握手をかわし、 わたしらにミントティーをふるまう。 ここでみやげを買えば何%のコミッションが ドリスの手にもはいるつーわけですよね。今から何もない砂漠に行く つーのに、重たい石を買うわけなかろうもん…。しかも私は石を家に持ち帰るのがきらいだ(霊とか憑いてたらヤだし。ラクダの自爆霊とか)。 商売ヘタだなー。こーゆとこは砂漠帰りに寄ればいいのよ。 小屋の中にはわけのわからん石や化石、ツボなどがならんでいる。 イライライラ・・・・ 早くこの暑さから抜け出したい。 そこにはなんじゃこりゃ!というほどの 子どもがいた。これは、ひと家族なのかな? 少なくとも13人くらいの子どもの群れ。 「なんかちょーだい」してくるけど、ごめんな・・・。 ひとりにだけあげるわけにはいかないの。 みんなにあげられるだけのお菓子もないし。 そこのマダムも「口紅もってない?」という しぐさをしたが、旅先では化粧水さえまともにつけてない私が、 そんなもの持ってるわけないっス。だいたいあってもあげないって。 結局なにも買わずにそこを引き上げるが、あきらかにドリスはムッとしている。 しらないってば。んもー。そんな時、Aくんが 「ドリスには気が許せない」と言い出した。 今までにつもるモヤモヤがあったらしい。 車の中でいろいろと話を聞く。 「Aさんは雇ってるほうなんだから堂々としてていいですよ。 ボスはAさんなんだから、こっちの行きたいとこしたいことを優先させましょう」とケンちゃん。 そうだ!そうだ!と相づち。 「ウン・・・でも色々考えたんだけど・・・こいつをクビにしようと思って」 えええっ!?前払いなのに、ここで? は〜〜るばる来たで砂漠へ〜〜!意味もなくサブちゃんを歌う
いろんな本やHPを見たけど、モロキャンの商売っ気はかなりキツイ。 インド人、エジプト人よりもスゴイかもという人さえいる。(※その後いったインドと比べると、天と地の差です。どっちがかというとモロキャンのほうが間違いなく商売っ気がきつい。インド人のほうが柔軟) そんな国に、めちゃめちゃ個人主義のパリから来たもんだから、 Aさんはかなり、いや、相当ヘコんでいる。気の毒すぎる!! みんなでクビの相談(?)をしてたら、 いきなりドリスが「ビークワイエット」と ムスーっとして言い放った。 …なにぃ?静かにしろだあ?ドリスの英語がカタコトだとしても、もっとやんわりした物言いをすべきだろう。 ここでAくん以下トリオザ・パンチョスもムカッ。 しーんとした車内にはピリピリした雰囲気が漂っている。 しかし文句は言えない。 だってもう、まわりはなにもない砂漠なんだもん!! 降ろされちゃオシマイよ! しかし、いくら日本語で話してても悪口は伝わるのね・・・ くわばらくわばら。というか、 ムスリムの人々は、プライドを傷付けられることを極端に嫌う。 金目当ての強盗殺人はなくても、 プライドを踏みにじられた殺人ちゅうほうが多いらしい。 ここで、ちょっときになることが。 私はかなり体調が良くなっていたが、入れ替わりにケンちゃんの様子がおかしい。 だるいらしい。そりゃねー、昨日あんだけの距離をチャリこいで。遅くまで起きてたし。 たぶん熱射病だから、意識的に水のみなさいよ〜と言うしかない。かなりつらそうだか、 どうかんがえても砂漠には病院などないので、ガマンしてもらおうか。 砂のむこうになにがあるのかな?つうか男女4人旅?あいのり気取りか? わたしらは事前に調べていた「ラ・キャラバン」 という宿に送ってくれるよう頼んでいた。 砂漠に道も標識もない。ただ緑色のポールに沿って 車は走る・・・ゆらゆら大揺れしながらぐんぐん進む。 ほんとにこんなに何もないと、すごく不安になる。 間違えながらも、車はやっとそれらしき建物に到着・・・・ ポツーーーーーーン。ほんとに砂漠の一軒家。 ついた瞬間に町に帰りたくなったけど、そこはガマンの子。 だってこの砂漠を目的に来たんじゃないか!なあ!みんな! ここで、みんなで相談していたように、 まずきあくまが宿のオヤジらしき人のとこに走る。 その間、ケンちゃんがAくんのサポート。 「ドリスの決めてた宿には行かず、自分はここにみんなと泊まる」 ということを言うらしい。が、がんばれよ、Aくん。 ドリスはなんかしらんが、自分のほうから もう俺はマラケシュに帰る!だから金をよこせ! といってきたらしい。ギャース!!!なんだこいつ!おまえは幼稚園児か!このダダッ子きどりめ! こっちがクビにするならまだしも、おめえの方から辞めるのに なんで金はらうんじゃ! もらわなきゃいかんのはAくんのほうでしょうが!プンプンプン!!!!! さてお宿。 当たり前だが・・・・暑い、熱い・・・。 シャワーの水も、配水管で温まって熱湯がでてきやがる。 たしかわたくし、砂漠にバカンスに来たんじゃなくって? 広々としたロビーでぬるいファンタを飲む。 どうやら冷蔵庫はあるけど冷えないらしい。ただの密封できる戸棚になってる状態らしい。 しばらく冷たいものは飲めないのね? あー文明の利器ってスバラシイ…
「高いよオヤジ、そんなの無理。こちとら貧乏丸出しよ」 何を言ってもオヤジは譲らない。 こっちの要求する額をいってもフンッと鼻で笑いやがる。 きしょー。夕方ラクダに乗って、大砂丘でビバーク。食事付き。 で、朝方帰ってきてここでシャワー。 このコースの相場が大体300〜500DHらしい。 by地球の歩き方 (翌日お会いした旅行者の方に話を聞くと、最初 900DH と言われたらしい) 知らんよ。今までそんな大金使ったことないんだもん。 ださないよ。300DHは日本円で4500円。絶対的に高すぎる。と、その時は思っていた。 ここでケンちゃんが熱弁した内容、さすが関西人!。 「考えてもみいや。野宿やで?メシもどうせタジンやろ? なんでそんなんで300も払うねん。150で充分や!」(このころ、タジンに相当飽きていたとみられる) 正論なのかよくわからんが、その時のわたしらは 「そうよ!野宿になんで金がいるわけ!」と一致団結。 ガイドの人件費などおかまいなしに、 その時はいかない理由を考えまくっていたのだ。 みんな、なぜかここで意固地になっている。 なぜだ?本当は行ってみたい・・・。 ただ、このしつこくすすめてくるオヤジが気に食わん!それだけだ。 説明できないが、なんかもう昔のドラマ 「赤いシリーズ」にでてくるイジワルな奴(わかる?) を絵にかいたような顔で、ねちっこい。 あと、いいかげん観光客目当てのモロキャンに振り回されず、 自分たちで行動したい。これだ。 考えてみたら、自由だったのはマラケシュだけ。 ワルザザードではラシーン達と。 ティネリールでもチョースケとその親分、 ドリスには土産物屋につれていかれるし、 自分達がそれに頼ったというのもあるけど、 砂漠くらい、感傷にひたりたい・・・。 ほんと、マジで。 あたしは月の砂漠を歌うために、 歌詞カードまで持って来てるんだから〜。ブツブツ・・・
アンニュイ系ですが「いま冷たいウーロン茶が飲めるなら1000円出す!」と考え込む私 その夜、砂漠のサンセットを見ようと、目の前に広がる大砂丘へと歩く。 サクサク・・・真っ赤な砂、熱い! 何十分歩いたかな? まわりには砂漠しか見えないぞ。とうとう来たんだね。 強い風が吹くので、砂丘はすぐにカタチを変える。 ナイフの先みたいに、丘の先端は尖ってる。 ふんづけるとチョコレートクリームのように、 砂がくずれていく。足跡もクッキリ。 気がついたら闇の中。半月がぽっかりでていた。 月明かりのせいで、星が見えなかったのがザンネン! 新月ねらっていくべきね。 でもおかげで無事月の砂漠もうたったし。 みんな思い思いの場所に寝転がって、空をみている。 私は何を考えていたのかな?思い出せないけど、たぶん何も考えてない。 からっぽの心のまま、ひんやりした砂の感触を楽しんで過ごした。 たった3時間のバカンスだけど、 もうそれで充分のような気がした。たぶんみんなも。 その夜、聞こえてきた打楽器の音色に誘われて、 ひとりロビーへ行ってみる。 ブラックアフリカンのおにいちゃんにタムタムをおしえていただく。 わたしの演奏はポコポコとつたない音だけど、こ、これは楽しい! おにいちゃんもニコニコしていろんな演奏を聴かせてくれる。いいひとときだとシミジミ思う。 ケンちゃん、Aくんチームは屋上で寝て、 きあくまは貴重品係&女の子なので しっかりカギをかけて部屋で寝る。(宿泊してるのわたしらだけ。 でも従業員?らしきモロキャンは10人以上駐在してるのがコワかった) いやあ、なにかとゴタゴタした一日でした。 もっと気をひきしめて明日もがんばろう! ひねくれはじめた根性がすこしは素直になりますように。 そして、いい出逢いがありますように・・・・。 頼むよ、モロキャン。失望させないでくれい。 |