コッツウォルズドライブ! ■英国でいちばんかわいい村たち インチキセレブは朝がお早い。だってこんなところに泊まりなれていないから、緊張して目が覚めちゃうの、ねえアーデルハイド(誰?)。カーテンをあけると・・・うっほー!!!霧(Foggy)!これぞ英国風情!いやしかし、霧だとあまり景色が見えないのでこまる。私たちはこの旅での天気チェックで「フォギってる?」「いや、今日はフォギッてないね!」という確認作業が常となった。さあ、今日から車でコッツウォルズドライブよ。 さて、しつこくコッツウォルズを連発しているが、イギリス旅をしていない人はなんのことやらという感じだろう。イギリスにはいろんな見どころエリアがある。それは湖水地方であったり、ウエールズやスコットランドだったりするが、日本人がたぶん好きで一番行きやすいのがコッツウォルズではなかろうか。詳細は公式観光サイトが役立つが、東京都くらいの大きさで、穏やかな丘陵地帯(wolds)、静寂な村々、そしてイングランドを象徴する地域だそうだ。 いまいるカースルクームは、このコッツウオルズエリアの最南端あたり。これからエリア全体を車でビレッジホッピングするという感じだ。 イングリッシュガーデンも見事なオンシーズンには、国内外の観光客でめっちちゃくちゃ混みあうそうだが(繁忙期に撮られたガイドブックなんかを見ると本当にスゴイ)このオフオフシーズンまっただなかの今、キレイな庭たちが見れないのは残念だけど、スムーズにドライブを楽しめるのは大変喜ばしいことだ。 ホテルの広大な庭も霧で閉ざされる。ブレアウィッチみたい 私たちは、今日から2泊3日の予定でeasycarで格安レンタカーを予約していた。しかしココから最寄のオフィスはブリストルにしかない。というわけで、えりだんながおらず足のない今、私たちはタクシーでブリストルまで向かう。本当は、昨日(日曜)から借りていれば一番ベストだったのだ、格安easycarは日曜はオヤスミ。ぐすん。 タクシーは超フォギった道をばひんばひんと40分ほどぶっとばして、無事ブリストルのeasycarへ(実際はeasycarと提携しているalamoのオフィスだったけど)。こないだのハーツのオフィスでも思ったけど、イギリスのレンタカーオフィスはわけわかんない場所にあるなあ・・・。 こないだ借りているから勝手知ったるという感じでスムーズ。もし語学に不安のある方は、日本の免許証をコピーして自分の生年月日、免許の有効期限、など免許に書いてあることをすべて英訳したものを用意したらなんもしゃべらずに済みますよ。きあさんマメ知識。国際免許よりも日本の免許を重点的に確認しやがります、レンタカー屋は。(日本語でしか書いてないのに・・・) 無事に手続きも終わり、車体(プジョーのコンパクトカー)も確認。2人分の荷物もちゃんとトランクに収まるし、最高だね。11時からレンタルスタート!出発進行!ブリストルは結構な都会のはずなので、ちょっぴり緊張しながらのろのろとアクセルを踏む。このあと、今日はちょっぴり南下してストーンヘンジでストーンサークルが見たい!とおねだりしていたのだが、ブリストル市内で行きたいお店によって散々そこで沈没したら、ビックリすることにあっというまに14時になっていた・・・し、信じられない・・・。 なにが信じられないかって、この時期、イギリスの日暮れは16時半。日暮れまであと2時間半しかないのだから。オフシーズンの旅は、一日が短い・・・気がする。いや、短すぎだろこんにゃろ。 というわけで、涙を飲んでストーンヘンジはあきらめ、今日のお宿であるバイブリーへ。バイブリーも、コッツウオルズでは欠かせない村だ。なんにもないけど、英国で一番古い町並みが残っていて、それがまた美しいのだ。 バイブリーの宿もかわいいプチホテルなので、日暮れ前にいって存分に滞在を楽しみたい。んもう、マダムったら今回、ホテルステイのお楽しみが目的のようになってる旅だ。まあ、アコモデーション選びを重点に置いた旅で、人との交流あふれるあったか旅!を求めるつもりはさらさらないので、今回のこのスタイルはちょうどよい。なんというか、宿に泊まる(堪能する)楽しさ=インナーな満足感だなあ〜とは思うのだけど、これがまた本当に楽しいのだ。
スワンホテルのまわりを散策し、その後アフタヌーンティーをいただく。 あのね、私スコーンてそんなに好きじゃないんだけどね(どちらかというと嫌い。水分のないパッサパサもっさもさした食べ物が苦手なの。ウエハースとかモナカとか石焼芋とか焼き栗とか嫌い)やっぱ本場のはおいしいね〜。何が違うの?粉?水?<ここのスコーンはちょっとまえに作ったのをチーンしたのかなあ?という感じだったけど、それでもちゃんとうまかった。 ホテルは家族経営規模のちいさなアットホームな感じで、ちょっと太目のウエイターさんのシャツのスソとかが見えてしまっているのもご愛嬌。しかしこのウエイターさん、超働き者で、夜はホテル併設のパブ(周りになんにもないので当然ここのパブでメシを食うしかない)で過ごしたのだけど、ここで遅くまで働いていたのに、翌日朝食のときにもおなじいでたちでサーブしてくれた。なんか本当にアットホ〜ム〜な風情。マナーハウスとは全然違うところが面白い。今回は、たっての希望でいろんなタイプの宿に泊まる旅で、本当に毎日あわただしいけど、それでもやっぱりこんなふうにいろんなタイプに接することができてよかったー。すごく嬉しいすごく楽しい! 田舎道を走ってたらこんな開けた場所が!嬉しくてセルフタイマー。 英国でこんな気持ちいい晴れ間にお目にかかれるとは・・・この旅中ずっと晴れ★ 翌日、あいかわらずフォギった天気の中、ホテルを出発。本日の運転手は・・・えりさんです!!!!命預けたぜ相棒。(少し泣きながら) まず向かうはロウアー&アッパースローター。朝のこの村はし〜んとしていて、誰もいない。その無人っぷりにちょっと驚くほど。村の中に小さな小さな川が流れていて水車があったりする素朴な風情。これは夏は混み合いそう!しかしこの季節本当に・・・地味っ!!!庭があるけど荒れっぱなし。苗の具合から、どうみても夏はすごくキレイにしてるふうなのに、いまは・・・村ぜーーーーんぶが茶色&グレー。トホホ・・・オフシーズンといってしまえばそれまでよ。 自由に入っていいという小さな教会の中を見学したり、ぶらぶらと村を歩く。(コッツウオルズの村は、村という規模より集落というほうが相応しいくらい小さいです) 次はチッピングカムデンへ。ここは少し大きめな道路があり、賑わいもある。村というより町だな〜と、思っていたらその道路には、車ではなく馬がパッカパッカ走っております。・・・キューン!実際、この旅で、普通に車道を駆ける馬を見たのは5〜6回。スーパーの駐車場にも馬がとまってたですよ、ハイ。 チッピングカムデン名物は、はちみつ色の石材を使った建物とかやぶきのでっかいおうち!大きめな道路のあるエリアから少し外れたところにいくとどかーんと、いわゆる昔の庄屋さんみたいな状態のかやぶきのおうちがズラリと並んでいてそれはそれはカッコイイ!かやぶき独自のうねうねしたラインと温かみのある風情、きっとおうちに住んでいる人たちは見られることの誇りみたいなのがあるんだろう、庭もきっちり手入れされているし冬の花を咲かせているニクイ演出をしている家もあった。
コッツウォルズのビレッジホッピングはまだまだ続く。昼食を食べたあとは、いよいよブロードウェイ。今夜のお宿に一番近く、オシャレなものが多い町だとガイド本に書いてあったので、ここで面白いものがあればいろいろ買いたいな〜と思っていたら、ほどよく賑わった町でガッツポーズ。観光モノだけじゃない、地元の人たちが利用する商店などが立ち並んでいるのが心強い。 イギリスの生活雑貨ってなんかとても素朴だったり、モダンだったり多様なのだけど、テキスタイルがすごく美しいなと思う。お花を愛する国だからかな? ここでまたたっくさんのモノを購入してしまい、スーツケースに果たしてはいるのかすごく心配になりつつ、縦列駐車に苦戦しつつ、ふたりでにこにこしつつ、夕暮れの道を今夜のお宿、ファームハウスに向かう。 ファームハウス、つまり農家が自分のおうちや離れを可愛くリノベーションして、ゲストを迎えるBBスタイルの民宿のようなもの。民宿といってもそこはイギリス、やっぱりお部屋はラブラブカワユイの!(でも日本のペンションとは大違いのセンスなの!これ、なんなんだろうね) で、豪華なマナーハウスや、歴史を感じるプチホテルもいいけど、素朴なファームハウスにもぜひぜひ!羊が見たいの。というわがまま貴婦人は、手分けしてリサーチした結果この宿に決めてすでに予約もとってあった。 が!暗闇の中、えりさんが一生懸命地元の人に尋ねたりしてたどりついた牧場の一軒家、で・・・電気ついてなくない?ドンドン!!!誰かいませんか〜!ハロウ!ハローーウ!!一生懸命家の中の人を呼ぶと、ようやくおばさんが「?」という顔をして出てきた。「?」といいたいのはこっちだっつの!! 結局、私たちはすっかりオーナーに予約を忘れられていたのであった。おばさんは「んまー!!!うちのダンナったら何も言わなかったのよ!!確認してみたけどたしかに予約はいってるみたい!ごめんなさいねーさあさあ入ってはいって!」と、数秒前まで牧場で野宿かと遠い目をしていた猿2匹をあたたかく招いてくれた。よかった、マッチをすりながら幻想をみることにならなくて・・・ 街中の八百屋さん。冬でも賑やかに感じる色合いにホッとする
その夜も近くのパブへ。毎日毎日夜はパブ。おかげでパブの楽しみ方もだいぶん板についてきた(かも?)。 パブは、まさしくイギリス人の居酒屋、気軽な社交場。ち〜〜さな村にも必ず一軒はパブがあり、そこには黒ビールのビールサーバーとカウンター、そして壁際に大きな薪の暖炉。夜な夜な村人がひとりずつ集まってきて、ゲームをしたり話し込んだりと大賑わい。かわいいことに、パブの営業時間がおおよそ19時から23時くらいだというのがなんとも!短っ!その短い時間でみんな楽しんでいる。小さな狭い世界、こういう小さな集落で暮らすのは大変だろうけど、旅人の私たちはこういう濃厚な場所にちょっとお邪魔してその空気を感じるだけでもずいぶん心地よさが共有できる気がする。なんというか、ジモティ気分にひたれる、それがパブだ! 田舎パブ万歳!!!下戸だからオレンジジュースしか飲めないけどな! 意外にうまいカレーを食べつつ、暖炉の前に寝そべるデブ犬の頭をなでつつ、パブの夜はしんしんと更けていった。 つづく。 |