テキストつらつら
イングランド再訪編
2005年2月


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ヨークミンスター。空が高くて空気が澄んでる!


ヨークへ北上せよ NEW!

■ばいばい、コッツウォルズ
寒い!!!!いままで、セントラルヒーティングばっちりの旅路だったけど、この宿は牧場のなかの一軒家だからか、とにかくさぶい。うわあん、ようやく緯度の高さのうらめしさを肌で感じる私。フルイングリッシュブレックファーストの前に、お庭の散歩などしゃれこむ。庭といっても牧場のしめった土の上。歩くとスニーカーに土がたっぷりつき、そのまま宿の中をあるくと、宿のおかみさんが悲しい顔をするので(綺麗な青いカーペットが敷き詰められている)、丁寧に玄関で靴の裏をしごく。地味な気遣い・・・

帰り際、こんなマイナーっぽい宿でも日本人は来る?とえりさんがおかみさんに訊ねたところ、シーズン中はた〜〜〜〜〜〜〜〜〜くさん来るそうだ。つうか、この宿、日本の紀行本の表紙になったこともあるらしい。・・・そ、そうでしたか。存じませんで失礼いたした。
さあ、レンタカーを返して列車に乗るべく、ブリストルへ向かう。帰りはほとんど大きな道を通ったこともあり、あまり迷うことなく進む。ガソリンを満タンにして支払いをするとき、レジのおばちゃんが
「ハロ〜ハニー」 と、あいさつをしてくれ、別れ際には 「テンキュ〜ダーリン」 と笑顔。・・・ううっ・・・ただの挨拶のくせにかわいいなぁ。つか、いつから私はあなたの愛しい人に?

牧場の宿は、オンシーズンには満室! ファームハウスの部屋から見た景色

■えりさんの住む町へ
ブリストルの駅のカフェで、ミリタリー&イルカグッズマニアという奇妙なおじさんと交流しつつ、12:53発ヨーク行きの列車に乗り込む。ぴっかぴかの特急列車は3時間くらい(所要時間忘れた)かけて、ヨークへ北上する。途中バーミンガムなどを通る時に
「サッカー見たかったなあ」とか「ここがDURANDURANのホームタウンなんだなあ」(←20年近くファン。学生時代には同人マンガとかまで描いてた・・・)
とか、本当に心をウルウルさせながら車窓を楽しんだ。ほとんど寝ることができないほど、素敵な素敵な移動タイムだった。

夕方、ようやくヨークに到着。結構大きめの駅なのは、さすが観光地だからか。構内を抜けると、英国初の雨を見る。でも大荷物の私たちはタクシーでひょいっとえり宅へ。だから濡れない=雨に降られていないことと同じことに認定いたす。
えりさんの住むフラットは、それはそれはよい場所にあり、そうとう暮らしやすそうで羨ましいことこの上なかった。1階は店舗でその上の二階がえりさんのリビングダイニング(12畳ぐらい)、三階が屋根裏部屋っぽいかわいい寝室となっていた。この広さに一人暮らしって・・・贅沢!!!
えり夫妻はふたりで英国留学に来ていながら、実は別居生活。えりだんなの英語にどっぷりひたりたいという思いのために、えりだんなは寮に。えりさんはツテを頼ってこのフラットを探し出し、悠々自適の留学生活というわけ。うわああああもおおおうらやましいぞ。ガス式の暖炉、ブルーの壁、上下スライド式の窓の木枠をあけるとヨークをそぞろ歩くひとたちと車、濡れた石畳。ああ・・・いいわあ・・・(ウットリ爆走中)

ヴァージンの列車。超ピッカピカ&ガラーン ヨークにて初の通り雨(濡れずに家の中へ)

ヨークについて、えりさんがケイタイですぐに連絡をとっていたのが韓国人のお友だち。移動で若干疲れてヘロッとなり、うっとり妄想にひたって頭が弱弱しくなっているときに、そのお友だちがやってきた。Sちゃんという本当にチェ・ジウを若くしたようなかわいい娘と、最近学校に通い始めたというJくんのふたり。東アジア人交流のはじまりはじまり〜。でもヘロッとなっているので、私のテンション1/5。さらに私の英語が雑談できるほど上達していないためさらに半減。はらたいらに5000点。

で、この韓国人二人組のすごいところは、つるんでいても、ぜっ・・・たい韓国語をしゃべらないことだ。これには本当に感動した。ふたりは韓国なまりであっても、たまに単語につまっても、決して韓国語でなあなあとしゃべらない。私たち相手のときももちろんだけど、韓国人ふたりだけでリビングにいて雑談しているときも必ず英語トークなのだ。留学するなら、ここまでやらんといかんばい。ほんなごて。
インチキプチ留学をした私はもう本当に関心しきり&お恥ずかしい限り。もちろん、えりさんもその信念を貫き通し、この留学中は心を鬼にして日本人の友人を作ることなく多国籍な交流をモットーとしていたようで、とにかく若手芸人並みに前のめるトーク炸裂。えー!えりさんてこんなに喋れたっけ!?というくらい、ぺらっぺらすらっすら英語がでていて、私はその姿に心の中で最敬礼をした。完敗に乾杯★
えりさんはしきりに「私は発音がだめだから!発音が!」としつこく言っていたが「しぇからしかー!発音げな、どぎゃんでちゃなるったい!!そんだけしゃべれて、そんだけ相手を笑わせて盛り上げて、な〜んば言いよっとかー!自信ばもたんかー!」と、武田鉄也の母の気分で喝を入れるのだった、心の中だけで。

その夜は、韓国チームは焼き飯を作り、日本チームは私が持参したうどん麺を使い焼きうどんを。おいしいおいしいと互いのエール交換で、ヨークカップ国際アジア交流戦・第一夜は引き分けに終わった。



スタバさえ、おされな風情・・・街並みを守ってるとこが素敵


■ヨークぶらぶら、みんなでわいわい
実はえり宅、ひとつ問題があった。三階の屋根裏部屋には、ちゃんとベッドがふたつあるのだが毛布や布団がひとつしかない。というわけで、私は今回なぜか寝袋持参。スーツケース旅なのに寝袋持参(しつこい)。ベッドの上に寝袋を広げてアウトドア気分というまったくコントな状態である。でも目覚めはとっても爽やかよ。てか、寒いYO!
今日はえりさんが張り切ってくれて、ヨークをあちこち連れまわしてくれるそうだ。えへへ、なんか今回すごく甘えてるなぁ〜〜。でもえりさんも鼻息を荒くして「さ!早く出よう!え?まだゆっくりしたい?じゃ何時に出る?」と、やる気マンマン。男らしいわ。ああ、私からだひとつであなたのその胸に飛び込むわ・・・(頬そめつつまぶしそうにえりさんを見上げる私)

軽くごはんをいただき、さっそくヨーク観光へおでかけ。えりさんちは街のど真ん中にあるので、もちろん徒歩でどこへでもいけちゃうの、ウフフ。便利。そしてまあ、呆れるほどの快晴。ドピーカン。なんだこれ。私のこの日の日記には、”日頃のおこないが良すぎるせいだろう”と、走り書きがしてあった。
ヨークの市街地は「城壁」で囲まれている。そのことは聞いていたがピ〜ンとこなかった。実物をみて納得。本当にしっかりした城壁があちこちにのこっていて、その壁の上がほっそい通路になっている。この通路がまた景色がよい。というわけで、さっそくえりさんちのすぐ側にあるナンチャラ門(名前忘れた)から、城壁の上の通路へと出る。空気が澄んで、空が高い。冷たい風さえも心地よい。どこからか聞こえてくる鳥の声、枯れているけど夏はきっとこの城壁に上からみる庭たちも美しいことだろう。うわあ、これすごく気持ちいいかも!王様気分でのしのしと、たまに前から来る観光客と道を譲りつつ、のんびり城壁ロードを堪能する。


ヨークの市街地を取り囲む城壁上部の通路。へんなポーズは気にせずに


昔の精肉屋通りシャンブルズ。ヨークの名物(観光)ストリート。
二階を張り出させ、日光をさえぎって肉が腐らないようにしたとか。

チューダー調の建物。ゆがんで見える 建物の軒下に・・・ひ、羊まるごと看板?


右上の軒下、赤い奇妙なのがあるでしょ。これ悪魔(なぜか体育座り)。

死に絶えてなかったパンクファッション! ヨービック祭りの子どもチャンバラ


ヨーロッパにきてる〜という感じの風情たっぷりの景色や建物、お店などをひやかしながら、城壁の中のエリアをぐるぐる散策する。おりしも、季節はヨーヴィック祭り真っ最中!ヨークといえばヴァイキングというほどらしく、この時期いろんなエリアで催し物を行なっていた。なんだか活気があってイイ感じ。
さて、今日のメインイベントはベティーズでアフタヌーンティーをするぅ。である。ロンドンの有名アフタヌーンティはバカ高いけれど、ヨークは老舗のカフェで、気軽な値段で(それでも高いけど)本格的なアフタヌーンティが楽しめるそうだ。渡英前にヨーク関係のサイトをみていると、ほとんどの方がベティーズ絶賛。もちろんえりさんも絶賛。
というわけで、行列に並び、順番を待つ。ウキウキ。余談だけれど、英国人はどうやら行列がお好きなようだ。お好きというか、日本人と同じで待ってでも買います、食べますという感じで、これがまたちゃんとお行儀よく並んでんだわ。

ようやく席につき、きらきらした銀のカトラリーやティーポットが運ばれてきた。ここの紅茶、んま〜〜!!!いい!!!もちろんおみやげに買い込むことにする(さらに、えりさんの帰国時にもコレこうてきてとリクエスト入れる始末)。その後、ど〜んと三段がさねのアフタヌーンティーセット!!!!!ツナサンド、スコーンにジャム&クロデットクリーム、そしてタルト。こりゃあ腹もいっぱいになるよ。お店にいるほとんどの人が、このアフタヌーンティーセットを楽しんでいた。いやはや満員御礼でございます。



ヨークのグルメといえば「ベティーズのアフタヌーンティー」。
有名なのに歩き方には情報載ってないの。いつも行列だそうです


正統派アフタヌーンティー!サンドウィッチ・スコーン・ケーキ・紅茶★
紅茶が飲みかけなのでショボいかんじ。



夕方が近づいて、学校がおわった韓国人二人組と合流。みんなで近所のスーパーマーケットに出かけ、今夜の買出し。実は本日も国際交流試合が行なわれる。今夜はドイツ人カップルがやってくる。ポットラックパーティといえば聞こえは良いが、まあとにかく皆で料理を作ったり持ち寄ったりしてわいわいすごそうではないかと。私は英語雑談できないんでボーッとすると思いますがっ! (泣)。しかし、6人余裕で遊べるえりさんち、やっぱ贅沢だわあー。

ドイツ人カップルは、大きなダンボールに調理済み、調理途中などのたくさんの鍋をいれてバスでやってきた。カップルの彼氏のほうが、えりさんや韓国コンビと同じ学校なのだそう。彼女のほうはダントツな英語ペラペラっぷり。私はどこの国にいっても、たまに会うドイツ人には良くしてもらっているのでドイツへの主観的感情がむっちゃくちゃよい。ドイツ人、時間守る!ドイツ人、感情のわびさび(いわなくてもわかる的感覚)がなんか合うっ!!という、大変偏った経験により、このカップルもいいひとに認定。
日本チームのお好み焼き、韓国チームのスープ、ドイツチームの前菜&メインディッシュ、くんずほぐれつ三つ巴。おいしいよう〜!とおかわりするものもあれば、これはちょっと・・・と残してしまうものもあった。※ちなみにえりさんは、どれもこれも「うまーい!」を連発して食べまくっていた。おそるべし胃袋。

お食事のあとはだらだらのんびりおしゃべりタイム。そこで発見したのは、韓国語の単語と、日本の単語の読みの似ているものがすごく多いこと。まあ、ニホンのルーツは大陸からなんだから当たり前だし、来る前からえりさんからこのことを聞いていたのでわかっちゃいたけど、その場面に立ち会うとすごくおもろい。 例えば、えりさんたちの学校に来ているお金持ちの某アラブの国のご子息のぐうたらぶりが話題にあがったとき
きあ「やっぱさー、産油国だから働かなくてもお金持ちなんだよね」
えり「サンユコクって英語にするの難しいね。えー、ペトロールの〜」
韓国チーム「えっ?いまサンユコクって言った!?韓国でもサンユコクって言うよ!」
アジア組「えー!わはははは!ルーツは同じ〜!」
ドイツチーム「???ナニナニ?何の話?sanyukoku?」
と、それからアジアの成り立ちのようなものをドイツチームに説明したり。

いや、ほんと個人レベルの国際交流では、国と国がどうだこうだっちゅーのは感じない。
とくに海外に出ている若い韓国人は顕著だ。インドのニューデリーで立ち寄った韓国居酒屋では竹内まりやの曲がかかっていたし、ヨルダンでおしゃべりした韓国人の女の子たちもニコニコして「お互いいい旅をしましょー!」なんて送り出してくれた。マルタにも(他の学校に)たくさんの韓国人が来ていたけど、みんなくったくなく同じアジア人発見〜!きゃっきゃ★みたいな感じだった。まあ、偶然にも私が出会った人にこっち方面の思想の方がいらっしゃらなかっただけなのかもしれないけれど・・・。こっぱずかしい単語を使わせていただくと人間みんな宇宙船地球号の仲間なんですね。旅にも人生にもまずはが必要だとおもう。

そんな恥ずかしい単語を脳内に浮かべながらこの夜もとっぷり更けていった。



国際交流戦第二夜・強敵ゲルマン民族も参戦


■ありがとうさよならまたね
さて、あっ!という間のイングランド滞在も本日で最後。お昼の特急に乗り込んでロンドンからそのまま空港への大移動日。午前中に、私の大好きなドラッグストアに行ってあれこれおみやげを買い込んで駅へ。
えりさんありがとう!このご恩は3日くらいは忘れませんよっていうくらい本当にお世話になりっぱなし。えりさんとは相性がいいなあ〜と常々思っていた部分2人とも、旅行前の調べ物が大好きなこと。つまりはダブル・だんどり君。もしくはだんどり姉妹(やだなそんな姉妹)。しかし今回、私のだんどりや私のコミュニケーション能力の3倍を発揮しているえりさんの姿をみて、本当に負けたと思った。いや、勝ち負けじゃないんだけど、この細っこい体にどこにそんなパワーがあるんだろう???と思うほどに。いろ〜んな面で。

「きをつけてね〜〜!」「福岡で待ってるよぉーー!!」走りはじめる電車の窓のむこうに手を振るえりさん。ぽつりと雨が落ちてきて窓を打つ。ぎゅうぎゅうづめの列車。満員御礼!ちなみに予約していた私の席も誰がいるし・・・とりあえず「・・・そこは私の席です(泣)」と眉毛を八の字にしてどいてもらい、大きなバケットサンドにむさぼりつきながらロンドンへ。

キングスクロス駅から地下鉄にいく階段も、大荷物をかかえて途方にくれる大きなアジア女に、すかさず手を差し伸べる英国紳士・・・もうっ、やっぱイギリスよかねー!ムキー!!!(←単純。でもこの小さなことが旅の 良し悪し印象を左右するよね)

前回、干支ひとまわり以上昔に訪れたイギリスは、クリスマスムード一色。寒くて寒くて震えつつ、でも街並みがとにかく可愛くて、ヘタな英語で道を聞いたおじさんが駅まで一緒に歩いてくれて・・・。とにかくなにもかもが新鮮で楽しくて、行くあてなんかないのに地下鉄に乗りまくった。私の最初の海外旅行がこの国だったから、私は「海外旅行」が好きになったのかもしれない。
当時私はイギリスが大好きだった。好きな漫画家もこぞってイギリスを舞台にした漫画を書いていたし、何より年の離れた兄の影響で、小学3年生からホール&オーツを聞いていたマセガキな私は、洋楽というカテゴリーの中でもUKPOPSに心酔していた。おこづかいをためて、電車で1時間ゆられ、イギリスから来るのアーティストたちのコンサートに足を運んだ。中学校のセーラー服ぬいで、せいいっぱいおしゃれをして学校をさぼって。ものすごく話のわかる保健室の先生と一緒に(今思うとこの先生はイカしてたなあ〜)。
ま、とにかくね、やっぱり私、イギリス好きみたいですというのを再確認いたした次第。
あー、本当おもしろかった。旅は自己満足、だから楽しい!私がいまだ「旅」をメシのタネにできないのは、このゆるっゆるの自己満足タイムをキープし続けたいからだ。えへ。それではまたどこかの国でお会いしましょう。


体に悪そう&甘そうなお菓子。ラブリ〜 激ウマ!手づくりチョコショップ。素朴な味



おわり!ご感想をいただくと、とっても嬉しくてまた旅にでようと思うと思います。