(2001年初稿、2004/04/01・2006/01/02修正)
※ 個別ボディの私的評価についてはこちらをどうぞ。
If you need my personal evaluation about the doll's body for your doll, please check this subsection.
フル自作の創作人形ではなく市販品をベースにしたカスタマイズドドールを造るにあたって、「自分にあった人形」を選ぶうえで考えるべき項目はどのようなものだろうか。ここでは全体的な傾向について考えてみたい。
If you want your own customized-doll based on retailing-doll, you need decision about base body.
I show some element for your decision.
At first, you need check your needs. your doll is just for display? or for play?
なんといっても「美観」であろう。ただ、美観と言っても着せ替えという点から見ると「裸身や薄着での美観」と「厚着での美観」を両立させるのは難しい。
本体並にスケールダウンされた薄い素材を用いるのでない限り、着せ替え人形は衣装の厚みで着膨れやすい傾向にある。したがって裸身でシルエットのバランスが取れているボディは厚着させると不格好になり、逆に着衣状態を優先しているボディは薄着にすると極端なプロポーションになりがちである。当然小さい人形ほどこの傾向は強くなる。
完成した人形に主にどのような格好をさせるかによってどちらのタイプのボディを選択するか検討すると良いだろう。
美観以外の要素として、「自立安定性」が高ければスタンドを使用する必要が無くなり展示したときの見栄えが良くなるだろう。もっとも、これにはボディだけでなく衣装、特に靴が関係して来る。
現在着せ替え人形靴の大半は軟質樹脂で成型されており、特にヒールの高いものは人形の重量を支える事が出来ず曲がってしまう。これでは自立性はもとより美観上もいいものではない。
この点を解決するには、例えばヒール内部に針金を仕込んで補強する、あるいは人形用として一般的な腰を外から支えるスタンドではなくミリタリーフィギュア用の股間で重量を支えるタイプのスタンドを使用するなどの対策が必要になる。
展示するうえでは「サイズ」も考えるべき要素に含まれうる。大サイズの人形の方がさきに上げたプロポーションの問題や衣装の細かい出来といった点で有利になるが、小サイズの人形を多数ジオラマ風に展示してテーマやストーリーを表現するのも面白いだろう。住宅事情や人前に曝せないといった面目上(笑)小サイズを選択せざるをえない場合もあるかもしれない。
この場合「耐久性」がトップに来るだろう。破損しやすい人形ではいくら修復が容易でも実際に遊ぶうえで支障を来たす。
必ずしも必要ではないが有ると嬉しいのが「可動性」である。ポーズ付けが出来るという面からだけでなく衣装の着装も楽になり、着装可能な衣装デザインの幅も広がる。
ただし、可動性は美観および耐久性とトレードオフの関係にある。可動性を上げるには内部の針金でポーズを保持するベンダブル構造か各部分を関節で繋ぐ構造を取ることになるが、ベンダブルの場合では曲げを繰り返せばいずれ針金の疲労破断によってその機能を失う、つまり耐久性が、関節構造では関節の周囲に可動の為のすき間が出来るため美観が損なわれる。もっとも、関節部を逆手にとってメカニカルな表現を得ているカスタマイズドドールもあるため一概に可動性が負の要素であるとは言い切れない。
なお、一部のアクションフィギュア(例えばメディコムトイのRAH300)では着衣の存在を前提として美観はそちらに任せ、ボディそのものはポーズ付けした際にメリハリを強調する関節の角を出したり、可動域を大きく取る(したがって裸身での見栄えは良くない)構造を取る製品もある。
※
この項目での「遊び」とは着せ替えなどいわゆる人形遊びに加え、写真撮影の為のポージングなど「触って動かすこと」全般も含んでいる。
目的とするカスタマイズの程度にもよるが「作業性」が高いほうが楽である。
例えば、はめ込み関節構造のボディでは必要なブロックだけ外して加工することも容易である。また、軟質樹脂製のボディでは行なうことの出来る加工の幅に大きな制約がある。やむなく部品取りや二個イチが必要になった場合を考えるとコストや普及度など「入手性」が高い事も望ましい。
衣装や用品を自作ではなく既製品に頼る場合には、「サイズ」と「プロポーション」が適合するかどうかも重要である。
複数種の人形をお持ちの方は、1度手許のボディについて以上のような要素を考えてみてはどうだろう。それまでとはまた違った評価が得られるのではないだろうか。
上の考察に基づいて、私の使っている人形用ボディ各種について考えると・・
This is just my personal evaluation. "A" is the best, and "E" is the lowest.
最終更新日:2011年9月28日
Latest Update: Sep.28, 2011