ボークス編:マルチヘッド・ジョイント
Tutorial for VOLKS body: Neck joint for multifarious head
特にメーカー・サークル名の記載無き場合:人形本体および部品/創作造形(C)ボークス・造形村
【技術著作権:AOKI Motors/蒼騎ちはや様】
まえおき
Introduction
かなり条件は限定されますが、簡単な改造で容易にヘッドのすげ替えを可能とする方法です。
なお、この技法は蒼騎ちはや様がご自身のサイトで「ボークス・エクセレントボディ首部の修正方法」として公表されているものの簡易版に当たります。
原理
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- ご覧のように、ボークスヘッド(左)とタカラ系ヘッド(右)はジョイント穴の大きさと周辺の深さが違います。
- このため、ボークスヘッドに合わせる前提の設計のボークスボディにタカラ系ヘッドを差す場合、ジョイント穴とジョイントの違いから若干のがたつきと見た目のアンバランス(首が長く見える)が生じます。
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- 蒼騎ちはや様の技法では首を短く見せるためにボディ外装を削るとともにジョイントに手を加え、ヘッドを固定する爪をやや下に新設(写真の灰色部分)することでこれを解決しています。
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- これを少しだけ変更して、爪を新設するのではなく延長すれば、同じ様にノーマルより下でヘッドを固定できる一方でジョイントの太さは元のままになるためヘッド交換が容易になると考えました。
ヘッド穴とジョイントの寸法差に依存した技法ですので、こうした場合の正統改造である「ボールジョイント交換」と異なり、全ての種類のヘッド(特にオビツヘッド)に対応する訳ではありませんが、1つのボディに首穴の異なる複数ヘッドを差すのはヘッドを扱うカスタマイザ位なので実用上差しつかえはないでしょう。
ちなみに、非ボークス系−タカラ・フルポーズ(SAJ)/ノアドローム・ミリー/エポック・ニニー等−のボディの場合、ジョイント形状自体が違いますのでこの方法は使用できません。ボールジョイント交換を行なうか、ジョイントの爪を切削して同様の効果を得るようにして下さい。
<材料および工具>
Tools and materials
エポキシパテなど厚盛りの効く造形材
Forming material can use thick such as epoxy patty
厚物用カッターおよびデザインナイフ
Utility knife and art knife
やすり一式
File (straight and half-round)
<ヘッド側>
Do you need Modify neck hole of head?
加工は不要です。
I think you don't need modify the joint hole.
<ボディ側ジョイント>
Step 1: Carve neck joint
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- ジョイントの前後に出ているヘッド固定用の爪を下側に、固定ピンの通るリング一杯まで延長します。
- 爪の下面をナイフ等で荒らしてからパテ盛りし整形します。作業時間と盛り付け部の強度から私は瞬着パテの1種であるプラリペアを使用していますが、厚盛りが可能であればどのような造形材でも大丈夫でしょう。
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- ついでの加工として、リング部分の内周を上下に長くなるようにナイフあるいはやすりで広げると、首の前後方向可動域を広げることが出来ます。首の内壁が干渉するため、リングの厚みも前側の上半分と後ろ側の下半分を削っておきます(上写真参照)。
<ボディ側首部>
Step 2: Carve neck sectionof body
前側胴体にあるジョイント固定ピンの受けを、上半分だけ削り落とします。更に、首自体も外側から削って若干細くしておきます。(個体差で時々ヘッドが動かないほど太いものが有ります。なお、D型以降のキャスト胸のタイプは削り過ぎると割れますので注意して下さい。)
この時に本来の首短縮技法通り、首そのものの長さを固定ピンすれすれ位まで短くしてしまっても構いません。
<組み立て>
Final step: Assemble
加工の終わった各部品を元通り組み立てて完了です。
<追記−VSマルチヘッド>
Additional: Carve neck joint to easy change to volks head
ボークスボディ(正確にはEB/DPボディ)とボークスヘッドの組み合わせで同じようなヘッド交換性を持たせるためには、次のような加工が一応の効果があります。
・ヘッド側−ジョイントの入る穴をデザインナイフ等で軽く一回りさらっておきます。
・ボディ側−ジョイントの全てのエッジを削り落とします。ヘッドの掛かる爪下面は0.5mmくらい、他は1〜1.5mmほど落とします。
neoとminiについてはまた違って来ますが、別売りのEBボディ用関節パーツを移植(ジョイントのサイズ調整が必要)した上で同様の加工をする手法もあります。