ボークス編:胴体分割機能及び胴体関節強化
Tutorial for VOLKS body: The method of fix floppy torso, for EB and DP
まえおき
Introduction
ボークス系ボディ最大の不評、すぐ緩くなる関節のうち胴体部分について、低コストでの改善を目指します。低コストとは言えそれなりに費用はかさみますが、まぁこんな方法もあるもんだ的に見て下さい。
I wrote a tutorial about the one of method of fix the floppy torso of Volk bodies.
- 0
-
- 関節の強化はグルーガンがあれば非常に容易ですが、今回はグルーなしでの加工を念頭に置いています。人形専用とするなら10体位改造すれば元が取れると思いますが、ルーターと一緒でちょっと高めの投資です。
- グルーに替えて使用するのはゴム板や市販ポリキャップといった素材です。結構数を使いますので総額は一緒かもしれませんが、手持ちの部品があれば流用可能です。
-
If you have the hot glue gun, that is easy work.
but in this section, I avoid it to save initial cost. I think that glue gun is expensive to use for doll customize only. :)
<材料および工具>
Tools and materials
- 小型のドライバー(プラスマイナスとも)
- Screwdriver (slotted and cross-head)
- 厚物用カッターナイフおよびデザインナイフ
- Utility knife and art knife
- やすりおよびサンドペーパー
- File and sandpapers (#240, #400, and #800)
- (あれば)ニッパー(プラ用でなくて構いません)
- Cutting plier - If you have it
- (あれば)プラ鋸
- Saw for plastic - if you have it
- ボークス製EB用関節セット2枚
- Spare joint parts set for Volks EB (2 sheets).
- 以下のポリキャップのどちらか1セット
- Polystyrene joint part - you can select one of below.
- ウェーブ製ポリキャップ「PC−04」1枚+「PC−03」1〜2枚
- WAVE "PC-04" (1 sheet) and "PC-03" (2 sheets)
- ボークス製ポリキャップ「MM−UNIT PC・A」1枚
- Volks "MM-unit / PC-A"
- DIY店などで売られている3mm厚のゴムシート
- Rubber sheet (3mm thickness)
- 瞬間接着剤
- Instant glue (cyanoacrylate adhesive)
- ABS用接着剤
- Adhesive for ABS plastic - If you have it
- エポキシパテなど厚盛りの効く造形材
- Forming material can use thick such as epoxy patty
- ピンバイスおよび1mm径のドリル
- Pin vise and drill (1mm diameter)
- 1mm系の針金
- Wire (1mm diameter)
<素体分解>
Step 1: completely disassemble doll body
- 1-1
-
- 今回の解説では、このボディ(EB-C)を元に説明していきます。EB系ボディはタイプによって内部寸法に違いがありますが、その辺は現物合わせで変更して下さい。
- まずは全てのねじを外して分解していきます。
-
In this tutorial, I use this EB-C body. EB series has many variation of body proportion (from A to N), and those type has different sized parts (mainly torso section). you adjest the size to match for your body.
-
At first. remove all screws.
- 1-2
-
- 上体を構成するパーツです。
-
The parts of the upper torso (chest) and the arm.
- 1-3
-
- 古いボディに多いのですが、時々一部が接着されている事があります。マイナスドライバーをてこにしてやんわり開いていけば分解できる程度ですが、余り大きな力を入れると予想外の割れ方をしたり外側にドライバーの跡が残るので注意して下さい。
-
In this case, the center part of the upper torso was glued. I saw glued body in older EB sometimes.
- 1-4
-
- 腹部のパーツです。
-
The parts of the middle torso (waist).
- 1-5
-
- 下半身及び脚部のパーツです。太股は接着が併用されています、ねじを外しただけでは分解できません。
-
The parts of lower torso (hip) and leg. The thigh section is glued tightly.
- 1-6
-
- 太股を分解します。部品を良くみると、股関節と膝関節の両方でわずかに隙間が開いていますので、ここからカッターを入れて切り離していきます。
-
Disassemble the thigh with utility knife and slotted driver. You can find a small gap around the hip joint and knee joint. Insert knife to those gap.
- 1-7
-
- どちらから切っても構いませんが、今回の解説では、膝周りを先にします。ここの接着は個体差が非常に大きい個所の1つですので、先に分解した方が楽かと思います。
-
Close up the gap.
- 1-8
-
- 時々外からではカッターが入らないほど接着されている個体もありますが、その場合内側に見えている接着線に合わせて切って行くと楽です。
-
- 1-9
-
- 刃先を隙間に押し込んだら、押し切りの要領でカッターを下げて切り離していきます。
-
Push down the knife into the leg parts carefully.
- 1-10
-
- ちょっと切れた所で、今度はカッターを逆向きに入れて膝側を完全に切り離します。膝関節の差し込み部分ががっちり接着されている個体が多いので、分割線とずれた所で切ってしまわないようにするにはこのように何回かに分けて押し切った方が精度もかける力も楽になります。
-
- 1-11
-
- 切った所にドライバーを押し込んで隙間を広げながら、カッターを股関節方向に入れて押し切っていきます。接着の弱い個体ではドライバーを入れた段階で勝手に分解してくれるかもしれません。
-
- 1-12
-
- ねじ穴周辺は太股でもっとも強固に接着されている個所です。刃を折らないよう注意しながら切り開けて下さい。
-
The section of around the screw hole is glued very tight.
- 1-13
-
- 股関節から太股を構成するパーツです。ねじ穴周りのダボを切断していますが、この状態でもねじは十分効きますので気にしなくて構いません。
- 凸凹になっている切断面はやすりで平らにしておきます。
-
The parts of the hip joint and thigh.
<股関節新造>
Step 2: Replace the hip joint
- 2-1
-
- 股関節の受けの形状が関節軸と合っていないため関節強度が低いのは別のところで説明しました。
- 今回の解説では、股関節その物を入れかえる事を狙います。
- ボークス系ボディの股関節はボールジョイントが採用されていますが、実際にはこの関節は前後左右のスイングしかしません。同じ動作で済ますのであれば1軸関節の組み合わせにした方が強度も耐久性も高くなります。
-
Replace the hip joint (ball joint) to the combination of simple joints.
- 2-2
-
- 関節受けのへり部分をカッターでそいで、市販関節を入れるための空間を作ります。
-
Slice the edge of the cap of hip joint to make a space for new joint.
- 2-3
-
- そいだ部分の幅が1.5mm位になれば(大体2mm位そぎ落とす)大丈夫でしょう。
-
- 2-4
-
- 作業を楽にするため、関節軸は元と同じ4mm径にします。大径の方が摩擦面が大きくなるので強度が上がりますが、関節軸の固定に難が残ります。
-
- 2-5
-
- 股関節軸を作ります。
- 腰パーツに直接接着できるABS棒が良いようにも思えますが、不意にねじ切れる可能性も踏まえ、今回は元の股関節パーツを2個使用してナイロン製の軸とします。
-
I made a new joint shaft from 2 old shafts because old shaft (nylon) is more strong to other plastic shaft in heavy-stress situation.
- 2-6
-
- ます、関節軸から全ての球体を切り離します。後で整形しますので、ペンチか何かでざっくりいって構いません。
-
Cut off all ball from the shafts.
- 2-7
-
- 関節軸の横棒部分を半分そぎ落とします。ナイロン素材はABSと違ってかなり切りずらいので、怪我に注意して下さい。
-
Slice the horizontal section of "T" shaft.
- 2-8
-
- 同じように2本の関節軸を加工したら、双方を針金で繋ぎます。
- 写真では中心1か所のみで繋いでいますが、出来れば2か所繋いでおくと丈夫になります。
-
Link the 2 shafts by wire. (Nylon shaft cannot glue with normal adhesive.)
- 2-9
-
- 腰パーツの内側には成型上の理由と思われる段差がありますが、これに合わせて軸の形を整えます。
- なお、軸その物の幅も腰と同じ位に切り直し、ついでに角を面取りしておきます。
-
Adjust the shape of new shaft to fit to inner part of hip parts.
- 2-10
-
- 軸を腰にはめ込んだら、隙間をパテで充填して固定します。出来れば前後ともやっておくと強度的に安定します。
-
Set the shaft to hip parts, and fill the space with patty.
- 2-11
-
- これに使用する関節部品ですが、選択肢はボークス製とウェーブ製のポリキャップ2種があります。
- 今回の解説では、ウェーブ製を選択します。この場合、2種類のポリキャップの組み合わせとなります。写真中赤枠で囲った個所が使用する部分(PC−04は2か所どちらかの選択)です。
- なお、内径3mm+外径5mmの円柱型ポリキャップが手元にあればPC−03を用意する必要はありません。
-
- 2-12
-
- まず、PC−03の方から加工します。普通に切り出した後、両サイドの軸部分を切り落とします。
-
Cut off the side shaft from PC-03 parts.
- 2-13
-
- 更に、PCの高さを2/3位に縮めます。(後で出てきますが、この写真ではPCをけちって半分にしていますが、組み立てた際にちょっと高さが不足します)
-
Cut down the PC to half height.
- 2-14
-
- PC−04の方を切り出したら、先ほど切り詰めたPC−03をサイドの軸にはめ込みます。はみ出た先端は切り落として下さい。
-
Set PC-03 to PC-04, and cut off the remain length of side shaft of PC-04. This PC block is new joint.
- 2-15
-
- 出来上がったPCブロックを、腿の関節受けにはめ込みます。
-
Set PC block to thigh part.
- 2-16
-
- ・・・ちょっと浮いています。
- PC−03部分が関節を支えていますので、ここが浮いていると関節が外れる可能性があります。
- なお、EB女性体は男性体より腿が太いので、この部分の長さは実際にPCを埋め込んで決めた方がいいでしょう。
-
Oops, The joint is shorter than holding space. That is no good.
- 2-17
-
- というわけで、サイズの同じ別のポリキャップを切り出して調整します。
- ここまで出来上がったら、太股は再接着(&ねじ締め)して完了です。
-
I made longer pipe from other PC again. hmm. that's OK.
- 2-18
-
- ちなみに、ボークスPCを使う場合は穴径4mm+軸径5mmのタイプがありますので、各部分の長さを詰めればそのまま使用できます。
-
If you want to use Volks PC, Use this parts. (You don't need PC-03 in this case because this part is combination of 4mm pipe with 5mm shaft.)
- 2-19
-
- 腹部への接続軸は元の物を使用します。(股関節も含め、ここまでで3個の股関節軸を使っています。)
- 股関節軸のうち、腰側の垂直部分だけを切り出します。後で調整する時のことを考えて出来るだけ長く切り出して下さい。また、腹部側の球体はバリが出ている事が多いのであれば削り落としておきます。
-
Lower waist joint is same as the vertical section of old joint. (Attention: I used 3 old hip joint in this tutorial.) Cut off this section from old joint shaft.
- 2-20
-
- 腰ブロックを組み立て直した後、接続軸の入る穴にパテを詰めてから軸を差し直します。詰めたパテが接続軸の受けとなるので、軸を差したらちょっとあふれる位に詰めてしまって下さい。
-
Assemble hip harts and hip joint shaft, and fill the patty to waist side hole. (it make to joint holder). Insert waist shaft to hip section.
- 2-21
-
- この状態でパテがある程度硬化するのを待って、接続軸を外します。これで腰ブロックは完了。(軸の方は腹部の組み立てに使います。)
-
After the patty dried (or hardened), remove waist shaft.
<腹部関節強化>
Step 3: Update the weist joints
- 3-1
-
- 股関節に続いて上下の腰関節の強化にかかります。
- 股関節よりも可動域の大きい関節ですので、元のボールジョイント構造を生かしたまま関節強度を上げて対処します。
- まず、3mm厚のゴムシートをおおよそ6mm幅に切り出します。
-
Cut off the rubber sheet to 6mm width.
- 3-2
-
- 切り出したゴムの帯から、写真にあるような台形のブロックを4種類8個作ります。写真よりちょっと高めに切って、あとで調整した方がいいかも。
-
Make 8 trapezoid blocks (4 size and 2 blocks per size). this rubber blocks bring nice friction to waist joints.
- 3-3
-
- さらに、ブロックのとがった側の角を切り落とします。写真には寸法が記されていますが、だいたいで構いません。
-
Cut off the edge of the high side of all rubber blocks.
- 3-4
-
- 出来上がったブロックを、写真のように腹部内側にある8個の空間に詰めていきます。角を取った側(高い側)が外になるようにして下さい。
-
Insert rubber blocks to the dimples of waist parts (check the photo).
- 3-5
-
- 胸部への接続軸は、2つあるリブの上側を削り落とします。軸を切り落とすのではなくリブを削るだけにしないと、後で組み立てた時に抜けやすくなります。
- 関節軸の球体にあるバリは軽く削り落として下さい。(形状を完全に整える必要はありません)
-
Cut off the upper rib of chest shaft.
Notice: This is part of the method for easy removable chest joint. If you don't need this function, you can pass this modify and next step (chest section).
- 3-6
-
- ここまで出来上がったら、元どおり軸を入れて腹部を組み直します。接着はしなくても大丈夫でしょう。
- なお、腹部は上下に隙間ができる構造ですので、気になる場合前後とも接合面(とねじ用ダボ)を削って合わせてやる必要があります。
-
Assemble the waist block and waist shafts.
<胸部(肩関節)関節強化>
Step 4: Update the shoulder joints
- 4-1
-
- 最後は肩関節の差込み部の強化になります。腹部と同じく、ゴム片による強化になります。
- 先ほど同様に、ゴムシートを切り出して2個の部品を作ります。胸部寸法が大きく違うEB-N以外は写真の寸法で大丈夫でしょう。
- 最後に、ゴム片の厚みを一皮そいで薄くします。
-
Cut off the rubber sheet to same shape in the photo.
- 4-2
-
- 出来たゴム片を、背側の軸受けにある穴のうち2か所に押し込みます。
-
Insert rubber blocks to the dimples of the back side of chest part (check the photo).
- 4-3
-
- 胸部と腹部の接続部を抜き差し可能な形に強化します。
- まずはボディに付属する穴埋めパーツのうち最も長い物を2個切り出します。
-
Make an easy removable chest joint.
At first, cut off the longest parts from the screw-cover parts set. (normally, this parts is contains to package of the body)
- 4-4
-
- このパーツを半分の高さに切ります。
-
Cut down the parts to half height (about 3.5mm).
- 4-5
-
- 出来たABS棒4個を、前後の胸部パーツにある軸受けの間に挟むように接着します。接続軸の通る部分を開けるのを忘れないようにして下さい。
- なお、爆乳系女性体などキャスト胸のタイプでは前側はふさがっていますので、背側だけで構いません。
-
Glue that parts to center section of inside of the chest parts. In the case of resin chest body (EB-D/E/J), you may do it about back side only.
- 4-6
-
- 写真のようにゴム片を切り出します。これも幅はともかく長めに切った方がいいでしょう。
-
Cut off the rubber sheet to same shape in the photo.
Notice: The size in this photo is only for back section. Front section is different length. I recommend to cut as 2cm length. and test with your body (see next). The best size is longer 0.5mm than the rib in chest parts.
- 4-7
-
- ゴム片を、先ほど接着した関節軸受けの間に押し込みます。おおよそ0.2〜0.5mm位軸受けの上にゴムが出ている状態が理想です。
- 前側の軸受けにも同様にゴム片を入れると安定しますが、ボディタイプによって長さが違うため現物合わせで調整して下さい。
- 後は元どおり組み立て直して胸部は完了です。
-
Insert rubber blocks to the center section of the chest part (check the photo). Assemble chest parts.
<おまけー脚部形状調整>
Optional Step 1: Modify the leg shape
- 5-1
-
- 他のところで説明していますが、すね部分の余計な凹凸をやすり落として見た目と可動域の向上を図ります。
- 今回は男性体ですので、細脚改造は行わず、足首回りのフレアを削り落とすに留めておきます。
-
Sand lower legs.
<おまけー腕部形状調整>
Optional Step 2: Modify the arm shape
- 6-1
-
- これも他のところで説明しているとおり、上腕及び前腕の整形を行います。
-
Sand upper arms and forearms.
<胴体再組み立て>
Final step: Final fusion
完成した各ブロックを元どおり組み直してやります。新設した関節やゴム強化した差し込みが固いと感じた場合はなるべく
軸の方を削って調節するようにして下さい。特に、股関節のポリキャップは傷を入れると経年劣化で突然裂ける元となりますので軸側での調節が必須です。
Build up all blocks (chest, waist, hip, ...). If you feel too tight the joint, sand the shaft slightly and check again.