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第五話『ガルフとユリクラウス』

GM:さて、ガルフ君。君は一人で歩いていると、奇妙な動物がへたりこんでいる。
ガルフ:? なんだ、こいつは……??
GM:そだねぇ。サイほどずんぐりむっくりしてなくて、ユニコーンほど軽快そうでもない……頭部に角があって……今は矢傷を受けているようでへたりこんでる。
ガルフ:(眉をしかめる)……矢傷……? 近くに人がいる、ということか……。しかしこれも食材になるのかな? ちょっと依頼人を呼んで、聞いてみるか。
GM:んで、そのサイとユニコーンの半々もどきは、ゆるゆると立ち上がり……ガルフ、ファイター+知力ボーナスでチェック。
ガルフ:!?(コロコロ)10だ。

GM:――ホオオオォォォォォォォオオオオオオオオオオ!!!―― 鳴動するような咆哮の瞬間……ガルフは脇腹に壮絶な激痛を認識する。そして認識後――その部分がごっそりと『消え去っている』のを自覚した……。ガルフ、無条件で13点ダメージ。これは冒険者レベルのみ軽減可能。

ガルフ
:な!?……ごふっ!……13−2で11点のダメージ、残り生命点6か……。

GM:――キライダ・キライ・オマエ・キライダ・キライ・キライ・キライ!・キライ!!――

スパイク
:もう少しだ……もう少しで……クックック……(採取中)……ん? なんか聞こえたか?
メリッサ:きゃぁっ♪……っえ?……今のは……ガルフッ! ティナ、着いてきて。離れちゃダメよ!
リース:今の……ガルフさんっ!?

GM:ではメリッサ、スパイク、リースは普通にサイコロ振ってみてください。ガルフからどれくらい離れているかチェックです。サイコロの目×10メートルですので、小さい目を出した方がいいよ。

メリッサ
:1ゾロ、1ゾロ……(コロコロ)。
スパイク:1ゾロ1ゾロ1ゾロ……(コロコロ)。
メリッサ:10……。
スパイク:6。
GM:スパイクは60メートルで、メリッサは100メートル……(笑)
メリッサ:……100メートル……。
リース:……近くないとまずいですよね。低い目で……。(コロコロ)6ですね。
GM:リースは60メートルっと。んじゃ、リースとスパイクは全力で走って2ターン後、メリッサは4ターン後に追いつけます。
ガルフ:みんな遠いぞ。
スパイク:そう都合よくいかねってことだな(笑)
リース:メリッサさんが遠い〜。



GM:「――っ。この……感覚……」メリッサ、ティナの様子がおかしいよ。
メリッサ:っ? ティナ? どうしたの?
GM:「この感覚……昔会った時と同じ感覚なの! 多分『あの子』!!」
メリッサ:(ティナの方を振り返り、肩を抱き)あの子? 誰のこと?……ティナ?
GM:「ユリクラウス……だと思う。分からないの……だってこんなに怒って、怯えてるユリクラウスなんて……信じられないの……」
メリッサ:怒ってる? おびえてる? ティナ、何が聞こえるの?……ごめんよぉ。ティナの方が先だ。みんな、踏ん張って〜。



ガルフ:剣を抜いて身構えようとする……が、倒れるな、このダメージでは。確か……6ゾロを振ったはずなんだがな……(苦笑)
GM:だから今回の目標にドンピシャリだったっしょ? その目標に噛み付かれてもそこまではしらなーい(笑)
リース:とにかくガルフさんのところへ走ります。2ターン……ガルフさん、頑張ってください。

GM:ティナはガタガタ震えてるね。「聞こえるんじゃないの……感覚が……伝わって……でも……違う……なんだろ……とても……痛い……痛い感覚が……」
メリッサ:……分かった。じゃ、行くよ……ガルフがアブナイ。止めなきゃ。できる? ティナ。
GM:「……うんっ」



GM:んじゃガルフ。君は次のような光景を目にする。

 自分に向かって殺意を放つ目の前の獣に、立て続けに三本の矢が横から飛んでくる。うち一本が獣の子の胴体に深く突き立ち、獣は悲鳴を上げてもんどりうった。
 それに続くように、下卑た歓声が上がる。
「どうだ! 俺の矢が当たっただろ?」
「マグレだろうがイキがんなよ」
「なんだ? この小僧」
「ん?……へ。どうやらユリクラウスに『噛まれた』みてーだな」
「だが……見られたな……」
「へへへ……そうだな……」

ガルフ:……ちっ、こんなときに。

GM:「どうするよ?」「今回の大会で、『メインディッシュ』の一つに確か必要だったろ」「だがちと歳がいきすぎてねーか?」「け。問題あるかよ。丁度弱ってる。落とし頃だ」「ケケケ。運がねぇなー小僧」三人の男たちは、ゆっくりとそれぞれ武器を構え、近づいてくる……。

ガルフ:……なるほど、この獣が『ユリクラウス』か。

GM:「……近くに仲間がいるみたいだな。手早く仕留めろ」「どっちを?」「……両方に決まってるじゃねぇか……(にたり)」

ガルフ:なんとか、みんなが来るまで耐えるしかない、か。ユリクラウスの盾になれる位置まで移動。



GM:では戦闘開始とまいりましょう。スパイク・リースは3ターン目から攻撃参加可能。メリッサは5ターン目からね。つまり、最初の2ターンはガルフ一人で凌いでください。
ガルフ:スモールシールドを構えて、文字通り盾の姿勢(パリィ)だ。
GM:「噛み付いてきた獣を守るか。お優しいねぇ小僧!!」 では、三人とも10と言って攻撃です。
リース:ガルフさん頑張れ〜!
メリッサ:耐えろ〜。
スパイク:待ってろよー!(ズドドドドー!)
ガルフ:依頼人の友人に刃を向けるわけにはいかんからな……まず一人目(コロコロ)

 

ガルフ:……18。二人目……(コロコロ)

 

ガルフ:なんだこの目は(笑)3人目。(コロコロ)14。

スパイク:連邦のモビルスーツは化け物か!?(爆笑)
ガルフ:……たいしたことないな。(3人組を一瞥)
メリッサ:すげー(笑)
リース:本日2回目の6ゾロですか〜。
メリッサ:運は使い切ったな(笑)

GM:「なんだこのガキ!?」「死んだ魚みたいな目ぇしてとんでもなく早ぇぞ!!」「油断するな! 今の動き……エトラムルの騎士団クラスだ!」

ガルフ
:てか、パリィしてたら1ゾロ以外回避じゃないか(笑)
GM:へ……? (計算中)……げ(笑) ほんとだ。1ゾロ以外成功じゃんかよー(笑) んじゃ2ターン目だ! ジェットストリームアターーック!!(10×3)
リース:……それは、踏み台にされて終わりでは(笑)
ガルフ:では踏み台にして3人目に……(笑)
GM:「俺を踏み台にしたー!?」(笑)

メリッサ:「こいつ見た目より、結構やるな」「やべぇんじゃないか?」「でも・・今更逃げるわけにも」「構うもんか、やっちまえ」……ナンチャッテ(笑)
スパイク:「おいおい。んだよこのガキ」「やべぇな」「でも腹から血ぃどくどく出てるし」「ほっときゃ死ぬか?」「んー。そうだな」……なんちゃって(笑)

ガルフ:……なんちゃってとか言ってないで、早く来て欲しいものだな(苦笑)
メリッサ:ティナ連れなので、すまぬ。
スパイク:まかせろ! メリッサと違って俺は次のターンから攻撃参加だ!(笑)



ガルフ:今度はこっちの番だな。(コロコロ)10。
GM:あれ? 2ターン目はパリィ宣言せずに攻撃する?
リース:……まあ、パリィしなくても出目5以上で回避ですしね〜。
ガルフ:いや、攻撃だったんだが、二ラウンド目の。さすがにあの目では当たらないか?
GM:丁度10で回避されたね。
ガルフ:回避点が10なら、当たってるんだけどね(苦笑)
GM:こっちも通常キャラ扱いなんで、回避優先として扱わせてもらいましたー(笑)んじゃ、10が3回。ジェットストリームアタックを食らってくれたまえ(笑) 一発目が槍持ち。二発目が短剣持ち。三人目が斧持ちなんで、ダメージちょっと違うから気をつけてねー。
ガルフ:まあいい。回避1回目。

 

ガルフ:……げ。2回目。

 

ガルフ:おいおい(苦笑)。3回目

 

GM:……おーい(笑)
リース:……ほ、ほんとに運が……。
ガルフ:……本当にサイコロ運、使い果たしたかもしれん(笑)
GM:「んだこいつ!?」「攻撃に意識向けたらスキだらけだ!」「腹の傷はあさくねぇようだなボッチャンよ!!」 んじゃ、7,5,8発です。
ガルフ:とにかく、防御してみよう。(コロコロコロロ……)1人目は防いだ。2人目も大丈夫。3人目で4点食らった。あと生命力2点。ぼろぼろだなぁ(苦笑)



スパイク:今なんかガルフの悲鳴っぽいのが聞こえたぞ! 確信がもてねぇのはガルフの悲鳴なんて聞いたことねーからだ! 急げリース!!(笑)
リース:はいっ!……無事でいてください、ガルフさん!(笑)


モンスターデータ
■ユリクラウス
モンスター・レベル=3〜7  知名度=15
敏捷度=4  移動速度=1〜3
出現数=数体  出現頻度=まれ
知能=高い  反応=専守防衛
攻撃点=角:10〜(5〜)
打撃点=10〜
回避点=10(3)  防御点=9
生命点/抵抗値=10〜20/10〜17(3〜10)
精神点/抵抗値=10〜/9〜(2〜)
特殊能力=空間移動、空間破壊(13−距離(m)発のダメージ。冒険者レベルのみ減点可能)
棲息地=森、樹ユリクラウスの側

 細身のサイ、太めのユニコーンのような姿をしたこのユリクラウスは、その生活手段が非常に独特なのと、その側に生える樹木になる木の実『ユリクラウス』がたいへん美味であることから、知る人ぞ知る希少獣とされています。
 その生活サイクルと行動は独特で、この幻獣ユリクラウスは、樹木ユリクラウスの実しか食べることができません。一説には基礎構造は植物なのではないかという説もあり、その性質は非常に大人しく、また無関心な種族でもあります。ですが害を及ぼすと判断した相手には容赦せず攻撃するところから「防衛手段を持った植物」という表現を使う学者もいます。

 ユリクラウスは滅多に歩きません。またそのスピードも非常にゆっくりしたものです。そのため、移動手段には徒歩ではなく独特な方法をもちいます。それは自分が縄張りとしたユリクラウスの木を中心に空間転移――つまりテレポートしてしまうという手段です。これは木ごと行われ、範囲に入っていれば他の動物や植物もいっぺんに移動させてしまいます。
 そして防衛手段はその空間転移を応用したものです。転移範囲を非常に小さく絞り、敵の体の一部分だけを別の場所に送ってしまうというものです。この攻撃には鎧などはまったく無意味で、どんな硬度の鎧であろうとも、選択範囲に入った部分がごっそりと抉り取られてしまいます。
 もっとも基本的には非常に大人しく、また優しい種族です。それに非常に知能も高く、エルフやライグル種ならば友達になることも難しくないでしょう。もっとも、出会えればの話ですが。


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