第一話 カラスとスィック
GM:それでは、今『スレイプニルの前足亭』にいるところから始めていいかな?
ガルフ:OK、始めてくれ。
メリッサ:わたしは、スパイクとリースと共に出かけるのね? 確かカラスの調査だったと思うけど。
GM:ユイファさんはかなり不安そうだね。「とりあえず、私はどうしていたらよいでしょうか? このままユリクラウスばかりにこだわっていたら、大会自体に出られなくなりかねませんし……」
リース:うまくユリクラウスが手に入れば一番いいんですけど……。
メリッサ:現在ある素材で、何が出来るか考えて頂いたらどうでしょうか?
GM:「……そうですね。では、私はユリクラウスが手に入らなかった時のための料理をそろえておきます。ユリクラウスのことはよろしくお願いします」
ガルフ:では、カラスのほうは頼むぞ。その後のことは、臨機応変に対応してくれればいい。
メリッサ:ここの護衛は任せるわね。たぶん、何もないような気もするんだけど。
GM:とかなんとか言ってると「ティナも行くっ!」って、ティナが騒いでるよ。
リース:ええっ!?……どうしましょう(メリッサのほうを見る)
メリッサ:えっ……!? 私も聞こうと思ってたのにぃ……。
GM:「行くのっ! ユリクラウスを盗んだ奴、絶対みつけるのっ!」
メリッサ:じゃ、おねぇちゃんたちの言うことをちゃんと聞いていられる?
スパイク:おいおい。つれて行く気か?(笑)
GM:「うんっ!」と、ひたすら元気良くティナちゃん(笑)
スパイク:こらこら。(笑)
GM:ちなみに、フェンアラーはほやほやと笑っているだけ、んで、ユイファは顔面蒼白(笑) ティナは瞳キラキラ(笑) 「メリッサお姉ちゃん。本当について行っていいの?」
メリッサ:そっ……それは断れない。じゃ、静かにしているときはちゃんと静かにして。言うこと聞いてね。おねぇちゃんから離れちゃダメよ? (皆に向いて)いいよね? ティナがついてきても。もしかしたら一番ユリクラウスに近いのだし。
リース:……ええと、メリッサさんがいいって言うなら……一応ユイファさんの方をチラッと見たり。
GM:ユイファはぐんなりしてる(笑) とまあ、そんなことを話していると……みんな、冒険者レベルと知力ボーナスでチェックしてみて。
メリッサ:サイコロもってない……ちょっと待って。
GM:用意しててよ(笑)
一斉にコロコロ〜〜
リース:(コロコロ)14です。
GM:んじゃ、リース君だけだね。前足亭の外に人の気配があるよ。
リース:外って、入り口の辺りですか?
GM:そう。殺気……ではないが、気配がする。
リース:なんだろう……? とりあえず何気ない感じでガルフさんに近づいて、その旨を小声で伝えます。
ガルフ:ふむ、ちょっと見てくるか……でも金属鎧だから、静かにはいけないか……。スパイクに目配せ。気づくかな?
スパイク:どれ……(コロコロ……) ティナ、やっぱりお前がついてくるのはどーかとお兄さん思うわけだよ(笑)
ガルフ:それだけかい!(笑)
GM:君たちが行動を起こそうとすると、扉の外から声が聞こえてくるよ。「おっと、ちょっと待ってくれ。こちらに攻撃意思は無い」
メリッサ:攻撃意志がないなら、出てきなさい!
GM:「OK。わかったから、攻撃しないでくれよ……」 そう言って出てきたのは一人の盗賊風の男。そして、その肩には例のカラスが乗っかっている。
リース:カラスですか? それは……警戒強めますね。
GM:その男はヘラヘラ笑いながら両手を上に上げて、一応無抵抗の意思を示している。
メリッサ:油断なく構えます。そのカラスは……当然あれ、よね? もしかして、私たちを見張っていたのはあなたなの?
GM:「質問を質問で返して悪いが……お前達が、俺達の狩りを邪魔したのか?」
ガルフ:悪いと思うんなら、先に答えを言ったらどうだ? なぜ俺達を見張っていたのか。
GM:「……(溜息)そうだな。答えは、イエスでもあり、ノーでもある」
メリッサ:説明になってないわね(ずいっ)
リース:どういうことですか?(ずずいっ)
ガルフ:見張っていたのは確かだが、自分の意思ではない、と、そういうことか?(ずずずいっ)
GM:まくしたてるなぁ〜(笑) 「それは、俺の質問に答えてからだ。(表情を厳しくして)お前等か? 邪魔をしたのは……」
メリッサ:さっきも言ってたわね? 狩りって? どこで? いつのこと? 詳しく説明して貰わないと分からないわ。
GM:「(苦笑)そうだな。ユリクラウス狩りのことだ。そこで二人、殺られている」
メリッサ:内心まずい……あのとき? と思うけど、顔に出さない。
スパイク:とどめを刺した俺はもっとまずいっ(笑) 無論顔には出さんが。
ガルフ:そういえば、キルマークが付いてるの、スパイクだけだったね(笑)
スパイク:どーせおいらぁは汚れ〜役〜(笑)
GM:続けるぞ〜(笑) 「トゥースだけ帰ってきた。そしてドラグとノーファウが死んだと言った。殺された……とな」
ガルフ:俺達は自分達の目的のためにユリクラウスの子供を返してもらおうとした。だが話をする間もなく、武器をかざして向かってきたので撃退した。それだけのことだ。
メリッサ:あなた達はユリクラウスを狩ってどうするつもりだったの?
GM:「それは……」と男が口を開こうとすると、ゾッとするような声が響く。 「――そのような些細なことはどうでもいい……スィック。余計な質問を加えるな――」
メリッサ:??
GM:突如、響くような声が響き渡り、その男――スィック――はびくりと背筋を震わせる。
リース:声? 慌てて周囲を見回しますけど……。
GM:声のしたほうを見やると、スィックの肩にとまっているカラスの瞳が、緑色に淡く輝いている……。
リース:え……? このカラス、ただの使い魔じゃない……?
GM:声はカラスから聞こえてくるね。「――私は、目的を達している。そして、そのために盗賊の一人や二人、どうでもいい……私が知りたい事は、あのとき、ユリクラウスとコンタクトを取った者がいるということだ……誰だ?――」
ガルフ:何の話だかよく分からんな。
GM:「―(ぎろりとガルフを睨みつけ) 先に伝えておくが、虚偽は通用しない。あのとき、確かにユリクラウスたちが敵である人間がいたなかで、友好的な反応を見せているのだ。ごまかしは効かない」
メリッサ:そんなこと知らないわ。それになんなことを知ってどうしようというの?
リース:コンタクトを取った者?……僕達のことか、それともまさか……。
スパイク:どう考えても、ティナのことだろうなぁ……。(GMに向き直り)ユリクラウスが友好的な反応を見せたのは、俺達の誠心誠意の説得が効いたからじゃないのかねぇ?
GM:カラスの瞳が更に輝く。「――虚偽は……通用しないと通達したぞ?――」
ガルフ:で、そんなやつがいたとして、だからどうだと言うんだ。俺達の知ったことではないな。
こちらとしては、あんたらのやったことが間接的な要因となって仲間が傷ついた。穏便に手に入るはずだったものまでダメになった。
GM:「――貴様の都合などに興味はない。ただ、私の質問に答えろ――」
ガルフ:……答える義務を認めないな(カラスを睨みつける)
GM:その様子を見て、ティナが怯えたようにしてメリッサにしがみ付いてくるね。
メリッサ:後ろ手にしがみついてくるティナを抱きしめてあげます。
GM:「――貴様らに義務や権利などない。あるのは私の都合にバカみたいに答える『反応』のみ――」
メリッサ:(ムカムカ……)
リース:……自分の目的のためになら人の命をチリほどにも思わない、そんな人に言うことは何もありません……!(ちょっとリース怒ってるかも知れません)
GM:「――(リースを見て)分からない少年だな。だから、貴様に権利などないのだよ――」
メリッサ:黙って気持ちの内圧を高めています(笑)
ガルフ:ほう? ずいぶんと偉いんだな。あんたは。俺達が怖くて姿も見せられない臆病者のくせに。
GM:「――……挑発は、有効なときにやりたまえ。現段階で、私を挑発したところで利点は無い――」
メリッサ:で? 私たちを恐れて、探りに来たわけ?
GM:「――ほぼ肯定だ。もっとも、恐怖による探りではなく、好奇心からの観察だがな……。その現象を起こした者。実に興味深い――」
メリッサ:嘘が分かるんだから、本当のことがなぜ分からないの?
GM:「――四六時中。観察していたわけではない。当初の目的も違った――」
スパイク:質問に答えるのみ……とか言ってるわりにはペラペラ喋るな。この鳥類(笑)
メリッサ:ふんっ。なら、もう充分私たちを観察(って所が気に食わない)したんじゃない?
当初の目的? まだ、他に何かあったの?(呆)
リース:……最初から僕らを見張っていたんじゃないって事ですか?
GM:「――くどいようだが。貴様等に質問をする権利などない――」
メリッサ:ちょっと、リースになんてこと言うのよ。
GM:全員に言ってるんだよ(笑)
メリッサ:がるるる(笑)
GM:とまぁ、そんなことを言い合っているとだね。その肩にカラスをとまらせている盗賊が口を開くよ。「いいかげんにしてくれ、カラス。(ガルフたちを見て)あんた達もだ。これ以上続けても、そこのボウヤ(ガルフ)が言っているとおり、平行線だ」
メリッサ:盗賊って、スィックさん?
GM:そう。
メリッサ:あなたもカラスってよんでるって事は、カラスはカラスなのかしら?
GM: 「……ああ、俺もこいつは『カラス』って事以外、なにもしらないんだ」
メリッサ:『カラス』ってことしか知らない……そんな妖しげな奴を信用するの?あなたは?何で?
GM: 「信用しているんじゃない。『信用という行動を見せるしかない』んだよ……」
メリッサ:あなたにとって、それが必然なのね。
GM: 「……そういうことだ」
ガルフ:……依頼人の顔を知らない仕事なんて、珍しくはない。傭兵時代はそれが日常だった。
スパイク:俺も。
リース:ガルフさん……物語での姿と現実の存在とのギャップ……ですか。
ガルフ:(軽く苦笑しながら)そうだな。冒険者になったんだし、できればそういうことのない仕事を選びたいものだな。
メリッサ:そうでしょ?
リース:……そうですよね。二人の言葉に救われた感じがしています。
GM: 「まぁ、今日のところはは引き下がる事にするぜ。また来ることにしよう」そう言って、スィックはいろいろ言っているカラスを無視して帰って行くよ。
メリッサ:ま、いいわ。あなたには他意はないみたいだし。他意があるのは、肩の上のカラスよね〜。
GM: 「(にんまりと笑う)冗談じゃない。俺も他意は売るほどあるぜ……じゃぁな」
メリッサ:くすす。じゃあね。
GMの独り言
メリッサ、お願いですから本気で怒らないでください。怖いから(笑)
後々から読み返してみると、このカラス、えらく滑稽だなぁ。「質問に答えるのみ」とか言ってるわりには、ことごとくプレイヤーたちの質問に答まくって、けっきょくなに一つ情報聞き出せてないし(笑)
まぁ、ここではスィックの印象をある程度つけられただけでもよしかな?
印象……ついたよね?
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