第二話『スィックの情報』

GM:おしっ。では、スィックが残していった地図を頼りに、4人(ガルフ、リース、メリッサ、ティナ)はレーティンの 屋敷へと向かった。 ちなみに、時間的には昼ですから。
 高級住宅街……噂には聞いていたけれど、噂以上の豪華さだね。 なにげに通りを歩いている子供、そして奥さんらしい女性からしても、まず着ているものから違う。 神官服を着ているリースはともかく、他三人は少々――いや、かなり浮いた存在になってしまってます。 ティナはメリッサのすそを掴みながら辺りをキョロキョロ見まわしているね。

ガルフ:まいったな……これじゃ隠密行動もなにもあったもんじゃないな。 とりあえずレーティンの家に行ってみようか。
リース:そうですね。
GM:そんじゃ、レーティンの家に向かうね? レーティンの屋敷は、三人とは逆の意味で浮いている雰囲気がある。 その巨大さ、風格、美しさからしてね。 当然、料理店をやっているのだから、レストランがあるよ。もち、超高級店である。
ガルフ:高級な住宅の並びの中でもけたはずれ、ってことか。そうとう儲かってるんだな。
メリッサ:すごいところねぇ……(ぼおっとしてます)

GM:うい。ティナと二人で「うわぁ〜〜〜〜〜」と口あんぐりしててね(笑)

リース:う……こんなに凄いと思ってなかったんで呆然としてます。
ガルフ:さて、どうしたものかな……とりあえず近所の人に話でも聞いてみるか。


GM:んで、うろうろしてると、店員がいらいらとこちらを見てるよ?
ガルフ:ん? 何か悪いことしたか?  ビンボー人がうろうろしてたら、営業妨害になるのかな?
GM:そゆこと(笑)  高級レストランに、作業服の男がうろついてるようなもんだからねぇ。
リース:ガルフさん、なんか睨まれてるみたいなんですけど……。
ガルフ:う〜、ちょっと目的を忘れかけてる……どうしよおかなぁ。
GM:んじゃ、皆さん冒険者レベル + 知力ボーナスでチェックしてみて。 達成値は12です。
ガルフ:修正値に5を入れて……(サイコロボタンをぽちっ。 サイコロ、コロコロ)13。成功。

 今回からちびさんのHPのチャットルームを利用してのプレイだったのですが、このチャットルームにはサイコロプログラムがあり、サイコロボタンを押すだけでサイコロを振ってくれる便利ものです。

GM:こいつぁ便利(笑)

リース
:はい。え〜と、(サイコロボタンは)これでいいのかな?ころころっと……(コロコロ)……あれ?失敗。もういちど(コロコロ)……失敗です……。
メリッサ:間違ってるかなぁ……? (カチカチ)あれ?
ガルフ:発言をいれて、サイコロのボタンを押してね。
メリッサ:(コロコロ)あ、出た出た。これでいい? でも失敗……。

GM
:いちおーティナの分も振ってやれ(笑)(コロコロ)お。素目で10だったっ(笑)
ガルフ:ティナはサイコロの目はよかったんだけどね(笑)



GM
:それじゃ、ガルフは向こうの木のかげに頭を抱えて座り込んでいるスィックが見える(笑)
ガルフ:うん? おい、二人とも、あれはスィックじゃないか?
リース:え?スィックさん?(振り向く)
ガルフ:(スィックに近づきながら)こんなところで……どうしたんだ?

GM:「 ……お前ら……いや、確かにあの地図渡したのはこいってことなんだが……。まさか昼のど真ん中にくるとは想像すらできんかったぞ」

ガルフ
:(笑)それで頭かかえてたのね。そういえば、ここに来たのって地図もらったからだっけ。
GM:「これじゃぁ『レーティン家を探っている奴がいますよ』って言ってるようなもんじゃないか(苦笑)」
ガルフ:……善は急げ、ってな(言い訳)
リース:ん〜、確かにもう少し隠密して行った方が良かったですかね〜。 はぁ……ええと、スィックさん、そんなに目立ってましたか……?
GM:「目立ちまくり」
リース:う……。

ガルフ:とりあえず場所を変えないか? ここにいつまでもいるのは、どうもまずいようだし。
GM:「もう遅い気もするが……まぁ、よかろ」
ガルフ:現実世界だったら、サ店にでも行くんだけどねえ。
GM:と、いうことでスィックの行き付けである飲みやにつく。当然真昼だから食事だけだけど。
ガルフ:……いまごろスパイクは、うまいもの食べてるんだろうな(苦笑)
リース
:……いいですね、スパイクさん……。


美味いもの食べてるスパイク:くっくっくっくっ♪(笑)


GM
:ぼそぼそ喋ってる二人を見て、スィックの目がやぶ睨みになるよ(笑)「……真剣な話、しようや?」
リース:あ、はい、すみません……。

ガルフ:そうだな……わざわざあんな手段で俺達を呼んだってことは、何か話があるんだろ?
GM:「お前等はどういうつもりでここに来たのかは知らんが……俺は一応、情報交換を行うためにお前達を呼んだつもりだ」
リース:情報交換……ですか?
GM:「……なのに、ガキを連れて来るわ真っ昼間にうろうろするわ……なんでその嬢ちゃんまで連れてきたんだ?」ってティナを指差すよ。
ガルフ:(ちょっと小声で)メリッサの付属みたいなもんだからな。

GM:と言ってガルフが指差したほうには、「メリッサおねーちゃん。あ〜〜〜んっ♪」と言ってチョコパフェをメリッサに食べさせようとするティナの姿(笑)

ガルフ:……まあ、そう言うな。この子を連れてこなきゃいけなかった理由も、一応あるんだ。
GM:「ふ……ん? 理由ねぇ。ま、いいや。情報だけくれてやる。後はお前等で好きにしな。おい、嬢ちゃん。そこの小さな嬢ちゃん連れて、ちょいとあっちのカウンターの方に行っててくれねーか?」
メリッサ:うん。分かった。 スティック。
GM:「……おれは酒のおつまみか?(笑)」
メリッサ :間違えた〜(笑) ……そう言うわけでは。んじゃ、ティナ、ちょっとこっちに来てね。


GM:「 あ〜〜〜〜いっ♪」とティナは機嫌良さそうに返事をすると、メリッサの後を付いてカウンターへ向かう。スィックは、カウンターに二人が座ったのを確認して、ガルフとリース、二人に改めて向き直る。
ガルフ:情報交換じゃなかったのか? 一方的に情報をくれるということは、こちらのリアクションに期待してるということかな?
GM:「そういうこった。俺は俺で利益があるから心配すんな。 んで、情報なんだが……お前等、当然一週間後の料理大会のことは知ってるよな?」
ガルフ:ああ、知ってる。 あれ? 一週間後だっけ?
GM:ちがったっけ?……あれ? 三日後だったっけ?
リース:大会まであと残り数日だったような……。
GM:三日後とゆーことにします(笑)「んで、情報なんだが……お前等、当然三日後の料理大会のことは知ってるよな?」
リース:知ってますけど……。
ガルフ:ああ、知ってる。もっとも、中身についてそれほど知っているわけではないが。

GM:「それじゃ、それに『裏』の大会があることも知ってっか?」
ガルフ:『裏』? いや、知らない(先を促す)
GM:「『裏』の大会は主催者、参加者、料理人とも金が余りまくってる道楽者だ。 そして……料理の基準も完全に『味』のみ。『金銭』はもちろんのこと、『倫理』、『道徳』……まったく無視のとんでもない大会だよ」
リース:……そんな、本当にそんな大会が……?
GM:「ああ、あるんだよ。とにかく、道楽をしつくしまって普通の食いもんにゃぁ飽き飽きしてる奴等が来るんだ」
ガルフ:……ユリクラウスの子供をさらおうとしていたのは、食材として使うためか?
GM:「ああ。食えるんだったらデーモンの肉でも食うさ。あいつ等ならな……あんたら、フェアリーの肉って、どんな味か知っているか……?」
ガルフ:食ったことはないし、食いたいとも思わんな。
GM:「俺も食いたくはねーなぁ」
ガルフ:なるほど、うまければたとえ人肉だろうと食材になるわけだ。 まあ、さすがにそこまではしないと思いたいが……」
GM:「……思えるか?さすがに人までは食わないって」
ガルフ:……どうも思えなくなってきたよ。(溜息)
リース
:……(呆然)


GM:「……話を続けるぞ。そんじゃぁ、そういう倫理も道徳もないようなところには、どういう人間が集まってくると思う?」
ガルフ:まあ、少なくとも犯罪のにおいはぷんぷんするな。
GM:「 そゆこと。倫理感のない学者や料理人。あとは魔法使いの類が集まって来るワケだ」
ガルフ:この手の裏モノには、町の有力者が絡んでいることは多々あるものだしな。
GM:「そういうことだ。しかも大金持ちという、権力者の隠れ蓑に丁寧に包まれてな。あの『カラス』もその類なんだよ」
ガルフ:やれやれ、面倒なことになったな。確かに、聞いてしまった以上、何らかのリアクションをおこさなけりゃならんだろう。

リース:……本当にそんな大会があるのなら、どうにかして止めさせないと……。

GM
:「んで、大会会場はあのスワシルメ家の地下。とうぜん、レーティン少年は知らない。……そして、一匹のユリクラウスの子供が捕まってるんだとよ。もちろん、食材として」

ガルフ
:な!? ……あれだけじゃなかったのか……。

GM
:「さてなぁ? 一旦逃がしたのを別の部隊が捕まえたのか……それとも別のユリクラウスの子供か……。
 そして、もう一つ情報……と、言うか噂の類なんだけどな。だけど、これは重要だからよく聞いとけ。 『カニクバ』ってぇ呼ばれている一人の権力者が、ユリクラウスとコンタクトを取れた奴の事を調べ上げているらしい」  ここで、リース君とガルフ君。知力ボーナス + セージレベル でチェックしてみて。

ガルフ
:セージはなし。平目で……(コロコロ)う。9だ。
リース:セージ2+知力B2で……(コロコロ)15ですっ。
ガルフ:リース君、拍手!

GM
:リース君には分かったね。『カニクバ』ってのは、ドワーフ語で『人食い』って意味だ。
リース:『カニクバ』……『人食い』……ですか。
ガルフ:……『カラス』はそいつの命を受けて動いているのか・・・それとも同一人物か……。
GM:「……おそらくな。もちろん、自分の研究という、利益も得ているはずだ。同一人物ってことはありえねぇよ。『カニクバ』も『カラス』も、裏じゃぁ結構有名だからな」
ガルフ:なるほど。



GM:「っと、これが俺が持つ情報の全てだ。今の所の、な……」
ガルフ:ふむ、俺達はその裏料理大会をつぶすために動くことになるだろう。で、それがあんたにとってどう利益につながるんだ?
GM:「……聞きたいか?」
リース:……(じぃぃぃっと見つめる)
GM:「……」
ガルフ:あんたを信用する材料になる。
GM:「 ……聞かないほうが、いいと思うぞ」
リース:……スィックさんは悪い人じゃない……と思います。
GM:「(ふっと溜息)一応これだけは言っておく。俺は、とある国の盗賊ギルドの名で動いている。それ以上は言えん」
ガルフ:どんぴしゃだったか。
GM:勘が当たったね。一旦、休憩はさもうか?


■GMの独り言
 いよいよスィックの情報により物語が核心へ……というより急転してくる。
 最初はただの料理対決のはずだったんだけど、BBS時代から二年もたってるからなぁ。ゴチャゴチャ考えるには十分な時間だし。
 うむ。私に罪はない(ホントか!?)
 ま、苦労するのはプレイヤーたちだし、問題はなかろう(笑)