BACK
TOP
HOME
NEXT

国名

『聖王都』聖エトラムル王国

 

シュティール「僕、この国は好きなんです」
リスターナ「変わってるなぁ。お硬いだけだぜ?」
シュティール「そうですか?」
リスターナ「ああ、前に行ったことあるんだが、賭博場が一つも見つかんなくてさぁ〜〜〜」
シュティール「…………そですか」
リスターナ「一週間ぐらいいたけど、息が詰まりそうだったぜ。美人のねーちゃんがお酌してくれる店もないし」
シュティール「…………でしょうね」
リスターナ「さすが、アルカーナ様を信仰している国だけあって、団結力はすさまじかったけどな」
シュティール「団結といえば、エトラムル王国は『白の騎士団』が有名ですね」
リスターナ「有名は有名だが……昔の騎士団と一緒にしない方がいいぜ」
シュティール「そんなに変わってるんですか?」
リスターナ「戦時代ほどの力はもうないさ。なにせあの当時、全盛期だった騎士たちは、今じゃほとんどが墓の中かもうろくの爺さんだ」
シュティール「<大戦>の時代なんて、五十年も昔の話ですからね」
リスターナ「伝統と格式のお座敷芸になってなきゃいいけどな」
シュティール「平和が続くと、軍隊はそうなってしまうんでしょうね」
リスターナ「うん。さて! 続けよう。このエトラムル王国の北にあるシッダール山脈は、『アルカーナに近き場所』として、聖域とされている」
シュティール「はい」
リスターナ「この聖域に、騎士や神官たちは、必ず一年以上はこもって修行するんだとさ」
シュティール「あ、それは初耳です」
リスターナ「そのシッダール山脈のアルカーナ神殿にいるのは、アルカーナ最高司祭クリュシィ・フェーン・ラーベントハーバ」
シュティール「……長い名前ですね」
リスターナ「だってエルフだもんよ」
シュティール「エルフ!?」
リスターナ「そんなに珍しいか? エルフの神官なんてごろごろしてるだろ?」
シュティール「それはそうかもしれませんが……」
リスターナ「このクリュシィ最高司祭はアルカーナ神第七位天使『光呼ぶ天使』を拝しているとんでもない人だ」
シュティール「そんな高位の天使と契約を!?」
リスターナ「あぁ。この大陸で、第七位級の天使を拝しているのは、こいつぐらいなんじゃないかなぁ」


BACK
TOP
HOME
NEXT