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国名

『天を繋ぐ都市』ルアーブル

 

シュティール「今、気になったんですが……どういう意味です? 天を繋ぐって」
リスターナ「ん? お前、空中大陸は知ってるよな?」
シュティール「はい。旅の途中でも天気の良い日は何度か見えましたし」
リスターナ「ふむ。んで、あの大陸、「ハーフェン」が動いてるってのは知ってるか?」
シュティール「え? あれ動いてるんですか?」
リスターナ「ああ。まぁ、目に見えてダイナミックな動きはしてないんだが……あの国の動き方には法則があってな、こう…ルアーブルがハーフェンにヒモくっつけて、振りまわしてるような動きをするんだよ」
シュティール「妙な法則ですね」
リスターナ「本当なんだか嘘なんだかよく知らんが、あのハーフェンには独自の文化を築いた民がいて、そこと唯一契約、貿易を交わしているのが、ルアーブルだとも言われている」
シュティール「言われている?」
リスターナ「そのへんが眉唾なんだよなぁ〜〜。なにせ空からご大層に降りてくるわけでもないし、「ハーフェンの民でござい」なんて言ってる人間はゴマンといるからなぁ」
シュティール「そんなにいるんですか?」
リスターナ「見たことないか? 大道芸の綱渡りとか空中ブランコとかやってる奴って、大抵「ハーフェンのなんとかっ!」って肩書き持ってるだろ」
シュティール「あぁ、なるほど」
リスターナ「だいたい、ああいうのはインチキなんだよ」
シュティール「でもハーフェンには、ノーサンっていう街があるって、きいたことがありますよ」
リスターナ「じゃ、お前、そこに行ったことがあるって奴、知ってるか?」
シュティール「……言われてみれば、聞きませんね……」
リスターナ「だろ? だいたい、『ノーサン』ってのも、フェンラン族の言葉で『行けないところ』って意味らしい。どっかの地図士か旅人が、それを聞き間違えたんだろう」
シュティール「じゃ、あの大陸には人がいないんですか?」
リスターナ「さぁなぁ……飛行技術なんかが発達している今なら、あの大陸にも行けると思うんだが、行ったっていう話は聞かない」
シュティール「ロウハさんのブルー・ザ・バードマンでも無理ですか?」
リスターナ「まずロウハが保たないな。人形繰りには精神力がいる」
シュティール「そんなに高いんですか……」
リスターナ「ま、いてもいなくても俺らにはかんけーないけどな」


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