リスターナ「さて、お次は我らが祖国、旧フラウティア皇国だが……」
シュティール「いい所でしたね。 田舎っぽい国でしたけど」
リスターナ「まぁなぁ……フラウティアって所は、昔から田舎なんだよ。
山間部のくせに開拓された平地が多いから、農作物が豊富にとれるんだ。ただ困ったことに、土が良くない」
シュティール「あれ? そうなんですか?」
リスターナ「どういうわけか、フラウティアの土は作物を育てはしても、その味を保証してくれないんだな。
そうなると農作物は安く買い叩かれるから……経済的には最後まで恵まれない国だったなぁ」
シュティール「その上、せっかく見つけた金鉱脈のために、帝国の陰謀で壊滅……とことんついてませんね(『月ニ踊ル、人形師』参照)」
リスターナ「だがこの国にも、一つ、大きな美点があるぞ!」
シュティール「気候がすごしやすいことですか?」
リスターナ「ちーがーうっ! 女のコがかわいいことだよ!」
シュティール「…………は?」
リスターナ「いや、マジメな話。 フラウティアは密かに美男美女の産地として有名なんだな、コレが」
シュティール「それ、時々聞きますけど……本当ですか?」
リスターナ「何だよ、その疑いの眼差しは……まぁいいや。
この土地の人間は、今は数少ないフェレクソン人系の血を濃くひいているんだ。 フェレクソンは知ってのとおり、美形の代名詞だわな。
他の国では、いろんな民族の血が混ざりあったりしているが、フラウティアは閉鎖的な土地柄だから、その血統が純粋に近い形で残っているってわけだ」
シュティール「あ、根拠あったんですね……」
リスターナ「思い当たるフシはあるだろ? 他の国来て、ブスが多いのにびっくりしたとか……」
シュティール「いえ。 僕は別に、気になりませんでしたけど」
リスターナ「……なんか、シュティール君、視線が冷たくない?」
シュティール「……そう思うってことは、なにかやましい事があるんですか?」
リスターナ「滅相もない〜!☆」
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