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国名

旧フラウティア皇国

 

リスターナ「さて、お次は我らが祖国、旧フラウティア皇国だが……」
シュティール「いい所でしたね。 田舎っぽい国でしたけど」
リスターナ「まぁなぁ……フラウティアって所は、昔から田舎なんだよ。 山間部のくせに開拓された平地が多いから、農作物が豊富にとれるんだ。ただ困ったことに、土が良くない」
シュティール「あれ? そうなんですか?」
リスターナ「どういうわけか、フラウティアの土は作物を育てはしても、その味を保証してくれないんだな。
 そうなると農作物は安く買い叩かれるから……経済的には最後まで恵まれない国だったなぁ」
シュティール「その上、せっかく見つけた金鉱脈のために、帝国の陰謀で壊滅……とことんついてませんね(『月ニ踊ル、人形師』参照)」
リスターナ「だがこの国にも、一つ、大きな美点があるぞ!」
シュティール「気候がすごしやすいことですか?」
リスターナ「ちーがーうっ! 女のコがかわいいことだよ!」
シュティール「…………は?」
リスターナ「いや、マジメな話。 フラウティアは密かに美男美女の産地として有名なんだな、コレが」
シュティール「それ、時々聞きますけど……本当ですか?」
リスターナ「何だよ、その疑いの眼差しは……まぁいいや。 この土地の人間は、今は数少ないフェレクソン人系の血を濃くひいているんだ。 フェレクソンは知ってのとおり、美形の代名詞だわな。
 他の国では、いろんな民族の血が混ざりあったりしているが、フラウティアは閉鎖的な土地柄だから、その血統が純粋に近い形で残っているってわけだ」
シュティール「あ、根拠あったんですね……」
リスターナ「思い当たるフシはあるだろ? 他の国来て、ブスが多いのにびっくりしたとか……」
シュティール「いえ。 僕は別に、気になりませんでしたけど」
リスターナ「……なんか、シュティール君、視線が冷たくない?」
シュティール「……そう思うってことは、なにかやましい事があるんですか?」
リスターナ「滅相もない〜!☆」

国名

フラウティア共和国

 

リスターナ「さて、ドレス帝国の傀儡革命軍によって建国された、フラウティア皇国に代わる新しい国なわけだが……ここはお前の方が詳しいよな?」
シュティール「あれ? 現状知りませんか?」
リスターナ「さすがに離れてから七年もたつとなぁ……実際どうなんだ、最近は?」
シュティール「ひどいですよ。 税率が下がったのはいいんですが、その反動で治安・福祉がガタガタです。
 更に商業主義の政策が、貧富の差を急激に広げつつあります。
 皇国の残党で構成された、フラウティア救国同盟のゲリラ活動も過激さを増してきていますし……」
リスターナ「……や、ヤな話きいちまった……」
シュティール「嫌な話がもう一つ。 来期の革命議会で、治安新法に関する新法案が可決しそうです」
リスターナ「……何だ、そりゃ?」
シュティール「衛兵権限の強化ですよ。 反乱分子に対しては、逃亡、反抗の気配がある場合に限り、即座に処刑できるっていう……」
リスターナ「……うわ……」
シュティール「これからどうなるんでしょうね……」
リスターナ「おいおい、他人事みたいにいうなよ〜。 まだ向こうに、知り合いだっているんだろ?」
シュティール「うーん? 剣の師匠はもう亡くなりましたし、知人らしい知人は特にいませんよ。 叔父はあいかわらず、僕を殺そうとしてるはずですし」
リスターナ「……そか。 まぁどっちみち、戻るに戻れない立場だよなぁ、おまえも」
シュティール「リスターナさんの方こそ、知り合いが多いでしょう?」
リスターナ「いや、もう袂を分かった連中だからな。 仕方ないさ」
シュティール「はぁ……意外と淡白なんですね」
リスターナ「こっちはな。 ここだけの話。 連中はまだロウハと魔動人形に御執心らしい。 これから一波瀾あるかもしれないぜ」

説明

旧フラウティア皇国(現・フラウティア共和国)設定 解説
・イスリアヌ山脈麓に首都・フラウホーンをかまえる、自給自足の農業主義小国家。 とはいえその敷地面積はなかなか広く、経済的な弱さが小さく見せているに過ぎない。
 革命軍に制圧されてからは、商業主義に変わりつつあるが、七年が経過した今、その税金の引き下げにともなう治安・福祉の悪化が懸念されている最中である。
位置・トロウの近郊、ニルウサーガから、早馬で六日以上、馬車で十日前後の距離。
 地理・北部に金鉱脈をもつイスリアヌ山脈があり、この金脈発見がフラウティアの滅亡につながった。
 また西部に霊峰として名高いシャバリン高山があり、その山中にそびえるメノストカ城は、スパイ疑惑をかけられたフロイド卿の監禁場所として使用された。
 気候・年を通して肌寒く、湿潤。 ただし短い夏は格段に過ごしやすい。 軽井沢程度か。
 農作物は豊富にとれるが、温度差に乏しいためか、味覚の面では今一つである。 ために、輸出作物として成功しているのはタバコと唐辛子だけで、他の作物は余所の地方でとれるものよりも、一段二段安く買い叩かれる傾向にある。
 街道・山河と森に囲まれるため、国境と外をつなぐ正式な街道は三本のみ。 あとは獣道や私道である。 この交通整備の貧弱さが、この国の目立たぬ理由の一つなのは間違いない。
 また関所の管理はザルの目で、バカ正直にそこを通る者は少ない。


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