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国名

『魔法都市』ジェクト

 

シュティール「この国は、噂だけが先走って全然どんな国かが分かりません」
リスターナ「そうだなぁ。俺もこの国には行ったことねぇや」
シュティール「どんな国かリスターナさんにも分かりませんか?」
リスターナ「ん〜〜……一度、ロウハが行ったことがあるって言ってたがなぁ」
シュティール「ぜひ、それだけでも」
リスターナ「あぁ……え〜〜と…この国は二つ名通り、魔導力学法がめっちゃ盛んだ」
シュティール「なんでも、住民全てが魔法士とか聞きました」
リスターナ「まぁ、それはさすがに嘘くせぇが…あながち嘘とも言いきれないんだよなぁ」
シュティール「? どういうことです?」
リスターナ「ふむ…不思議と知られてないんだけどな、魔導力学法っていうやつは努力さえすれば誰にだって覚えることができる。無論、向き不向きはあるだろうけどな」
シュティール「はぁ……」
リスターナ「だから思春期あたりにだ、1年か2年くらい勉強すれば…ぶっちゃげた話、そんなに苦労しなくても初期公式なら組めるようになっちまうんだよ」
シュティール「え…誰にでも、ですか?」
リスターナ「ああ、誰にでも使えるし、『三聖術』や『奇跡』みたいに特別な才能がいる力ってわけでもない」
シュティール「そうなんですか」
リスターナ「そゆこと。だからそういう教育を受けているのなら『下地』を持った魔法士の卵がゴロゴロしてることになるな。ここは」
シュティール「なるほど」
リスターナ「まぁ、それがデマだったとしてもだ、この国が『魔法都市』であることには変わりないわな」
シュティール「なんでも、凄い力を持った魔法士集団がいましたよね?」
リスターナ「ああ、ロウハに言わせれば集団と言うより、組織らしいがな。それほどその統率は取れているらしいし、国王ですらこいつらには逆らえない。実質このジェクト国を支えているのはそいつらだ」
シュティール「たしか……『十二の理(ことわり)』と言われてましたね」
リスターナ「そう。大陸一と言われる魔法技術集団の中でも、特に優れた能力をもつ12人を中心とした魔法士の組織。その<十二の理>という名は、魔法士たちにとって最高のステータスでもある」
シュティール「どのくらいの実力なんでしょうか?」
リスターナ「どうだろうなぁ? 色々な噂ばっかりとびかって真実とごちゃまぜになっちまってるからなぁ」
シュティール「マナさんと比べてみては?」
リスターナ「(苦笑いして)俺もそう思って聞いてみたことがあるよ。どっちの方が強いのか? ってな」
シュティール「なんて言われてました?」
リスターナ「冗談半分にこう言ってたなぁ。『それは成竜と子犬、どちらが勝つか? って聞いているようなものですよ』ってさ」
シュティール「それほどまでですか……」
リスターナ「ふぅむ…まぁ、それが誇張しすぎだとしてもだ。やっぱり圧倒的な能力を持っているには違いないんだよ。きっとな」


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