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国名

『−盤古の地−』ローファ

 

リスターナ「さて、お次は世界最古とも言われるローファ帝国なんだけど……」
ファーナ「侵入者か? 殺していいな?」
リスターナ「だー!? わー!? 待て! 待て待て待て! 先日アポとっといたリスターナっつーもんです!」
ファーナ「……ふむ。そなたがリスターナか。話は聞いている。時間は10分だ、手短に頼むぞ」
リスターナ「ぎょ、御意……ってか、かたっくるしい人だなぁ」



リスターナ「さて、世界最古とまで謳われるローファっすけど……歴史、長いっすね」
ファーナ「そうであるな。現政権が始まって23代……約450年。それ以前にもフェイサウ、ノリトマ、ゴフテウ、カマゥフェル、ニーニン……多数の政権が誕生しては滅びていった」
リスターナ「現皇帝による世襲制度。それが23代も続いたってのは、ある意味快挙っすよねぇ」
ファーナ「……侮辱か?」
リスターナ「そんなつもりはっ。けど、やっぱり疑問になっちまうんですよ。その国を全て子に託すってのはさ。どうやったって、自分の子供にゃ過大評価しちまうのが親ってもんですし」
ファーナ「……確かにな。だが、ただ子だからと言ってローファを継がせていたわけではない」
リスターナ「そういや、やたら子沢山って聞きますね。なんでも女房を何十人ももらってウハウハのハーレム状態?」
ファーナ「効率よく御子を御産みあそばされるには、それが一番都合の良い手段であるからな。全皇帝は42人の子がおった」
リスターナ「その中から、現皇帝ローゼン・ハイロードが選ばれたわけですか」
ファーナ「……知っておるか? ローゼン様には、24人の兄と姉がおられる」
リスターナ「つまり、単純な世襲ってわけじゃないって事っすか……」
ファーナ「それでも24番目の子に継がせる、というのは甚だ異例ではある」
リスターナ「つまり、年齢を覆すだけの才覚を持っていたっつー事っすか」
ファーナ「私が忠誠を誓う皇帝であらせられる」



リスターナ「ファーナさんが着ている服って、変わってますよね」
ファーナ「私から見れば、そちの装束の方が異端に見えるのだがな」
リスターナ「そうらしいっすねぇ。ローファって、独自の文化がいっぱいありますよね。着物にしろ食器にしろ、ローファ独自のものがいっぱいある。この『箸』ってやつだってそうだ。なんでこんな二本の棒でそんなに器用にモノが掴めるのか……よっ、このっ、フォーク使えばいいのに」
ファーナ「文化だから……としか言えんがの。確かに他国との交わり薄いゆえ、様々な独自文化が生まれ、それが他国には少々奇異に見えるらしいな」
リスターナ「独自と言えば、ここの文学も独自っつーか、すげぇっすよね。絵字って言うんですか? 一文字でイロイロな意味がある文字が、何万種もあって、それから組み合わせるってやつ」
ファーナ「私から見れば、そちらの言語の方が奇抜だ。なぜたった数十種の文字の組み合わせで表現ができる?」
リスターナ「ホント。所変わればってヤツですねぇ」



 ファーレン王国の北東部に位置する国家。
 東には海、北には山脈群、南には大湿地、西に大草原という多様な地理で、はるか昔は多種多様の民族の小国家が乱立する群雄割拠の地だったが、現皇帝の先祖にあたる初代皇帝・ローファが全国統一を果たし、一大国家を築いた。現皇帝は23代目。種族は人間。
 人種による差別は無いが、中央都市部と外縁農村部の貧富の差が大きく、国内の治安は悪い。
 政治体系は、世襲による絶対君主である皇帝をトップに、封地を与えられた太守が地方の政治を委任される。その為、なかなか中央の目の届かない地方などでは役人のモラルは著しく低い。
 たまに地方勢力の反乱が起きる事もあるが、皇帝親衛軍の圧倒的な錬度と武装の前にことごとく鎮圧され、反乱に加担した一族郎党を完全に根絶やしにする根切りの処刑により、恐怖によって国を纏めている。
 外国家への態勢は、基本的に広大な自国内を治めるのに精一杯で、ローファから攻め入る気は無い。しかし、侵略には辛辣に反撃し、1度たりとも自国領を侵し獲られた事は無い。

 文化的には独自の芸術が花開いており、青磁器や金銀細工などは他国でも評価が高い。
 国家的にも芸術産業を奨励し、特に官窯の陶磁器は特に高い質を誇り、一流の芸術品として取引されている。

 教育レベルも都市部と農村部の格差が著しく。エリートである役人になる為に激しい受験競争がある都市部と、文字を書く事すらままならない文盲率の高い農村部との溝は深い。

 軍隊は歩兵による集団戦術を得意としていて、面においての攻撃力は屈指。機動力においてはファーレンに次ぐ錬度を誇る騎馬隊が威力を誇る。
 しかし、それも平地での事で、険しい山間部や森林などの荒地においての戦闘は不得手。

 外交は近年、産業奨励の為に積極的に他国との交易を推奨している。しかし高い関税が仇となってなかなか思うようには行かないようで、更なる規制の緩和を求める声が内外から強い。
 観光産業も急成長を見せていて、遠方から飛空挺の航路の誘致を計画したり、大陸横断鉄道の敷設なども積極的に推進している。人気は珍獣バイナリーベア見物や名物料理食い歩きツアーなど。

TOPIC
          
 二十三代皇帝ローゼン・ハイロード:現皇帝。凡庸な前皇帝に比べ、革新的な思考を持ち、停滞ぎみの国家を改革しようとしている。しかし、長い旧体制の壁に阻まれ、改革は遅々とした進みに留まっている。まずは根深い官僚腐敗が当面の敵、と言った所。

 フェイ・ライ・ディーン:大陸英雄の名を欲しいままにし、一騎打ちでは国内では並ぶ者なしの人間の武将。皇帝親衛軍の将軍を務める。豪放磊落な性格で人間的にも好かれ易く、民衆の人気も高い。
 
リ・ファーナ:文官を取りまとめる内政の要。200歳を越えるカオエルフの女性。3代に渡って皇帝に仕え、皇帝即位の引継ぎ時には摂政も務めた賢人。


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