【一項一頁一行】
「偉大なる主アルカーナの下、我ら人、光を享受せしものなり。
齎さるは光。
主は全ての一にして、其より始まる。
照らす光は惑う事なく注がれ、我ら神の御心に生かされし者なり。
導く光は淀まず、誘う光は曲らぬ。
太陽神アルカーナよ、我らを導く我らが主よ。
禍き惑より我らを救いたまえ。
邪しき誘より我らを救いたまえ。
我ら神の信徒にして志徒。
禍邪より人を導く者たれ」
【四項二百十頁八行】
「光を喪した旅人に人は石を投げつけ言った。
『神の寵愛を何とする』
旅人は石を受けながらも太陽へと祈りを捧げる。
見えぬ瞳で神に祈りを捧げ続けた。
尚も人は石を投げつけこう言った。
『我らが神の光を捨てし旅人よ。我らが神はお前などを愛さない』
旅人の祈りは止む事無くも続けられ、血潮は地へと零れ落つ。
人は石を投げ続け、それでも止めぬ旅人にこう問うた。
『何故お前は祈りを止めぬ。光を知らぬお前には神の姿は見えぬというのに』
問われた旅人は祈りを止めずこう答えた。
『光とは視界にあらず、光とは意志にあり。真に光を知らぬは貴方ではないか』」
【アルカーナ聖典第五版 ゲイリー・ザルファス解釈版】