『クミ(組)』
フソウ語で“団体”などを意味する言葉で、フソウでは、主に一人の頭(かしら)を筆頭にした職業集団が「〜〜組」などと呼ばれます。
この言葉は、特に、フソウの裏事を取り扱う、こちらでいうシーフギルドに相当する集団でよくみられることから、組=ギルドとみなされることもあります。
フソウ街は、トロウとは文化が異なる人々が住んでいるため、トロウシーフギルドにとっても統制が難しい地区でした。そのため、トロウシーフギルドから委託という形で、フソウ国出身の者が『クミ』を作って裏事の統括をしています。
その管理手法も、街がフソウ国文化が色濃い事からトロウシーフギルドのものに囚われず、フソウ式のやり方を採用しています。また組織も厳しい縦割り型を形成しており、対外的には地域に密着した治安維持を最優先とした組織となっています。
また、『クミ』には、表の仕事として、フソウ式の祭事なども取り仕切り、弓による的当ての店や、溶かした小麦粉に魚介類等を混ぜて焼いた簡易食などを出す店など、フソウ独特の屋台群『テイシャ』の管理も行っています。
地域密着、治安維持を重視する『クミ』では、フソウ街住民に理解を求める意味合いも含めこれを行っているのです。
この屋台群は全て『クミ』の統括のもと行われ、他の地域出店者が許可なく店を出す事は規制しています。これは祭り内での場所取り等のいざこざを排斥し、また屋台群からの収入の上がりを独占する意図から生まれました。
この『テイシャ』の特殊さも受け、最近ではトロウ市でも見受けられるようになりましたが、こちらは『テイシャ』各店の独特の風情を真似ただけで、『クミ』の手入れはありません。